製造環境
応答時間を短縮してガスのパルス供給を可能とする半導体製造プロセス向け圧力制御式超小型流量制御ユニット
大阪府
株式会社フジキン
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 半導体製造プロセス向け次世代流量制御ユニットの開発 |
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基盤技術分野 | 製造環境 |
対象となる産業分野 | 半導体 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上) |
キーワード | ガスのパルス供給、高速化 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成27年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
次世代半導体デバイスの製造にはウエハ上に形成される回路の微細化と3次元化が必須であり、原子層レベルでのエッチングや成膜が注目されている。しかし、それらの原子層加工プロセスは処理速度(スループット)が遅いという欠点があった。今回の計画は、フジキン独自の「水道方式」技術をもとに、プロセスチャンバにガスを高速高精度にパルス供給可能な流量制御ユニットを開発することにより、その課題の解決を図るものである
開発した技術のポイント
フジキン独自の「水道方式」技術を基に、流路構造などの最適化により応答時間を短縮してガスのパルス供給を可能とする新たな圧力制御式の超小型流量制御器(FCS-W-Note)技術の開発を行う
(新技術)
「流量制御器の応答性向上」及び「流量制御ユニットの小型化」を行い、ガス供給の指令信号に対して、チャンバ内のガス濃度が正確に追従させる
(新技術の特徴)
ガス供給流量の高精度・高速切替(パルス供給)を実現する
具体的な成果
・流路最適化により試作を行った結果、制御弁のCV値0.0026以上の目標を達成した
・超小型オリフィス内蔵ON/OFF弁の要素技術を確立した
・立下り応答特性は目標値の500Msec以下を達成し、流量変更時の立下り応答の高速化の技術を確立した
・電気制御基板の小型化について、目標値である従来基板の実装面積の30%以上削減を達成した
・模擬プロセスの繰り返し回数300万回後においても、流量制御器の要求スペックをクリアすることを確認した
・振動試験前後にて各種性能にも変化がなく、超小型流量制御器の振動耐性を確認した
・ガス到達時間の計測装置(到達時間計測装置)を製作し、超小型流量制御器のガス到達時間の優位性を確認した
・次世代ガス流量制御ユニットは、目標である現行ユニットから約1/3のサイズダウン達成を確認した
・従来技術に対して50%以上のガス到達時間の短縮であることを確認した
研究開発成果の利用シーン
開発したガスの短パルス化技術により、流量制御器製品のガス供給性能を短パルス化することができる。ALEプロセスやALDプロセスといったシーンでの利活用が可能である
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現状品と比較して、ガス供給、停止時の応答性の挙動の改善、ガスのパルス供給時の制御圧力の挙動に関し、ブリードガス量とのトレードオフとなっており、市場の要求性能に対する改善、評価を継続して実施しています
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・原子層加工プロセスの生産性向上に貢献
‐流量制御器の高精度
・高速応答性能(ガスのパルス供給に対応)
‐流量制御ユニットの小型化
今後の実用化・事業化の見通し
・本開発成果品は、経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100」として弊社が選ばれた際の対象製品「半導体製造装置用向けの超精密バルブ機器」の次世代を担う新製品である
・一層の世界シェア向上と事業拡大の戦略商品として位置付けている。開発成果は直ちにサンプル出荷し、ユーザーに評価頂く予定です
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社フジキン |
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事業管理機関 | 一般財団法人金属系材料研究開発センター |
アドバイザー | 東北大学未来科学技術共同研究センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社フジキン(法人番号:5120001046991) |
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事業内容 | 特殊バルブ、超精密ながれ制御システムの製造・販売 |
社員数 | 911 名 |
本社所在地 | 〒550-0012 大阪府大阪市西区立売堀二丁目3番2号 |
ホームページ | https://www.fujikin.co.jp/ |
連絡先窓口 | 大阪ハイテック研究創造開発センター 西野功二 |
メールアドレス | k-nishino@fujikin.co.jp |
電話番号 | 06-6612-0251 |
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