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研究開発された技術紹介

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材料製造プロセス

繭の通年・大量生産技術の確立 繭を利用した商品開発

新潟県

株式会社きものブレイン

2020年3月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 人工飼料給餌無菌周年養蚕繭量産化の研究開発
基盤技術分野 材料製造プロセス
対象となる産業分野 医療・健康・介護、食品、化粧品、衣料品
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(通常よりも黄変しにくい繭の生産)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード 蚕・繭生産、化粧品、サプリメント、ファブリック、冬虫夏草
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成27年度~平成29年度

プロジェクトの詳細

事業概要

絹糸は衣料の他、繭のタンパク質が健康食品や医療用品としての需要もあり、現在各分野での注目を集めている。しかし日本はもとより、世界の主要生産国の生産量も年々減少傾向にあり、仕入価格も高騰している。本研究では国内外の繭(シルク)の需要に対し、安定生産のための試験生産を目的として、年産5トン程度の人工給餌無菌周年養蚕繭量産化技術の確立を図り、将来的には100トン規模の生産を目指す

開発した技術のポイント

繭の生産年間100トン規模の事業化を目指し、その基礎となる年間5トン程度の試験生産方法を導入し、技術の確立を図る

(新技術)
・蚕病の発生が防止できる
・上蔟の手間が従来の1/3に短縮
・季節を問わず繭の通年生産が可能
・幼若ホルモンを利用し、通常より1.3倍の大きさの繭生産が可能
・最も食下量の多い5齢期に、桑葉を使用しない人工飼料で飼育が可能(桑葉を使用しないことにより生産コストを抑えられる)

(新技術のポイント)
・無菌ボックスの使用、クリーンベンチでの消毒
・新たな上蔟方法の開発
・新たな人工飼料の開発(幼若ホルモン含有飼料、桑葉を使用しない飼料)

飼料の殺菌
5齢室①
5齢室②
具体的な成果
上蔟

・人工餌の滅菌:蒸庫の条件を98℃75分に変更することによって蚕病は発生しなかった
・人工餌製造方法:5齢期に桑葉を0にした飼料にて試験を行い、従来の飼料に近い出来高を得ることができた。幼若ホルモンを飼料に添加し、繭重の大きい繭(通常の1.3倍の大きさ)を得るとこができた
・本技術で得られる繭は、通常カイコの繭に比べ可視領域(400~800nm)のスペクトルの中で、青紫(400nm)、青(450nm)、緑(500nm)の透過率が低い(反射率が高い)特性を有することが明らかになった
・生きた蛹を利用した冬虫夏草の試験生産に成功した

知財出願や広報活動等の状況

・2020年1月国際化粧品展に出展
・2020年関西テレビ「真夜中市場」への出品

研究開発成果の利用シーン

・養蚕農家での繭の通年生産
・製糸工業での絹製品の生産
・繭成分を使用した石けん・化粧品の製造
・糸、繭成分を使用したファブリックの製造
・健康食品としてのサプリメントの製造
・生きた蛹を利用した冬虫夏草の生産

絹生活研究所コスメティック
絹生活研究所ファブリック
絹生活研究所タオル

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

自社ブランドである「絹生活研究所」を立ち上げ、呉服店や自社ECサイトで化粧品・ファブリックの販売を開始した。

みどり繭
自社ギャラリー①
自社ギャラリー②
提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、共同研究・共同開発、蚕、蛹、繭の提供

製品・サービスのPRポイント

・上蔟方法の開発により、作業時間の大幅な時間短縮ができる(従来の1/3に短縮)
・飼料作成時間が大幅短縮できる(従来の1/5に短縮)
・高コストの要因である桑葉の使用量を減らすことで、大幅なコストダウンとなる
・「みどり繭」の人工飼料育方法の確立
・通常カイコの繭に比べ可視領域のスペクトルの中で、青紫、青、緑の透過率が低く繭が白く見える
・幼若ホルモンを利用することにより蚕1頭当たりの生産量が1.3倍になる

今後の実用化・事業化の見通し

・2018年8月より当社ブランドである「絹生活研究所」での商品展開(石けん・化粧品・ファブリック)をスタートした。絹生活研究所は「美しくなること・健康になること」という「こと売り」をする機能性シルクショップである。呉服店の店舗内店舗として展開し、店舗数増を目指す
・2018年10月より自社ECサイトによる絹生活研究所商品の販売を開始した
・2020年よりTVショッピング、楽天市場、大手通販サイトでの展開が決定
・蛹から冬虫夏草を生産し、原料販売や化粧品・サプリメントに利用する等、様々な商品開発に注力

実用化・事業化にあたっての課題

マーケティング シルク入り化粧品市場の新たな創造

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社きものブレイン 企画商品部
事業管理機関 公益財団法人にいがた産業創造機構 産業創造グループ 産学連携チーム
研究等実施機関 学校法人東京農業大学 農学部 農学科 教授 長島孝行
アドバイザー 京都工芸繊維大学 名誉教授 松原藤好

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社きものブレイン(法人番号:2110001020959)
事業内容 きものの総合加工業
社員数 288 名
生産拠点 上島工場
本社所在地 〒948-0056 新潟県十日町市沢口丑510-1
ホームページ http://www.kimono-brain.com/
連絡先窓口 企画商品部 小林照幸
メールアドレス kobayashi.teru@kimono-brain.com
電話番号 025-752-0720