測定計測
あと施工アンカーの施工品質確認技術/装置(完全非破壊)
神奈川県
株式会社アミック
2020年4月14日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 完全非破壊による、あと施工アンカーボルト定着部の健全度評価システムの開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 建築物・構造物、鉄道設備 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | あと施工アンカー、品質確認、品質確保、非破壊、客観的評価 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成27年度~平成29年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
高速道路や鉄道会社などでは、多くの付属設備を固定する「あと施工アンカー」の施工品質を高く確保し構造物全体として経済的に維持管理する責務があるが、現状の品質確認検査(抜取り引張試験や打音検査)では十分とはいえない。そこで、電磁力で再現良く金属を加振できる電磁パルス法をアンカー専用の評価技術として高度化し、施工からその後の維持管理まで可能な新しい『あと施工アンカーの施工品質確認技術/装置』を確立した。この技術は、建築分野におけるあと施工アンカーの施工品質確認においても適用可能なもので、大きな期待を寄せられている。
開発した技術のポイント
・バッテリーで4時間以上動作し、完全非破壊で測定後5秒以内に判定可能な検査装置を開発する
・総重量6kg以下の操作性に優れた装置とし、IP55規格相当の防水防塵設計で点検員の安全を確保する
・特殊な知識がなくても講習会の実施により検査可能な、客観的な解析評価手法の確立と装置を開発する
(新技術)
・電源回路の過渡現象解析、動磁場解析、衝撃応答解析を併用して、非破壊検査である電磁パルス法の励磁コイルや電源を最適設計
・施工不良を客観的に判別する6種類の評価指標と評価ソフトウェアを開発
(新技術のポイント)
・バッテリ駆動約4時間、総重量約5.4kgの、完全非破壊検査が可能な装置を実現
・簡単なユーザインターフェースで動作し、判定結果の表示1秒以下、検査能力は4分/本程度
具体的な成果
・電磁パルス法による「あと施工アンカーボルト」点検装置の開発
‐3次元立体モデルを使った数値解析(磁場解析、衝撃応答解析)
‐解析結果に基づく励磁コイルや電源など装置設計
・あと施工アンカーボルト評価システムの確立
‐想定される施箴ッ不良を再現して、336本の試験体による評価検証
‐客観的な評価指標の考案と、数値解析による妥当性確認
・試験体において、設計耐力を下回る施工不良アンカーの検出率100%を実現
・試験体において、現行の引張試験では検出できない施工不良にも高い検出率を確認
(接着系アンカー:91.3%、金属系アンカー:100%)
・直感的に操作できるユーザーインターフェース
知財出願や広報活動等の状況
【メディア掲載】
”特集「壊さない」が正義!”、日経コンストラクション、12号、pp.30-35(2018.3)
【査読論文】
加賀敏明・三輪秀雄・高鍋雅則・和高修三・長岡康之・濱崎仁:”電磁パルス法によるあと施工アンカー定着部の定量的非破壊評価”、日本建築学会技術報告集、第25巻、第60号、pp.603-608(2019.6)
(特許)
名称:アンカーボルトとコンクリートとの固着状態を診断する方法
特許番号:第5896242号
名称:コンクリート構造物の診断方法
特許番号:第6241927号
その他出願中4件(省略)
研究開発成果の利用シーン
・土木分野における、道路やトンネルの付属物(トンネルジェットファンや照明など)を固定するアンカーの品質確認検査が可能
・鉄道分野における、各種設備(支線や照明など)を固定するアンカーの品質確認検査が可能
・建築分野において、ベランダ等の手すりを交換する際に施工する手摺り支柱固定アンカーの品質確認検査が可能
・建築分野における、長期加重を受ける部材(床スラブなど)を固定するアンカーの品質確認検査が可能
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・鉄道分野:既設アンカーの健全性評価に向けて、現場での実証試験中(鉄道会社)
・建築分野:ベランダ手摺り支柱固定用アンカーの施工品質確認に向けて、各種試験体で実証試験中(住宅ストック管理会社)
・土木分野:トンネルジェットファン固定アンカーの健全性評価に向けて、試験体での実証試験中(高速道路会社)
提携可能な製品・サービス内容
試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・国土交通省の新技術活用システム(NETIS)に登録
-技術名称:アンカーパルステスター、登録番号:KT-180120-A
・鉄道:実現場での既設アンカーの健全性評価実証試験において、設計耐力以下の施工不良アンカーを検出
・住宅ストック:ベランダ手摺り支柱固定用アンカーの施工品質確認実証試験において、躯体欠陥部に施工されたアンカーが弁別できることを確認
今後の実用化・事業化の見通し
・国土交通省が整備している建築基準法の中で、長期荷重をうける部位に使用されるあと施工アンカーの品質確認検査方法の一つに本開発技術を加える形で事業化する
・鉄道会社、高速道路会社、住宅ストック管理会社からの引き合いに対応中
・新たに、電力会社(原子力)からの引き合いに対応中
実用化・事業化にあたっての課題
・教師データのない、既設アンカーへの対応-評価指標の最適化とそれに伴うソフトウェアの製作
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社アミック |
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事業管理機関 | 国立大学法人大阪大学 工学研究科 研究協力室 研究支援係 |
研究等実施機関 | 株式会社アミック 本社 研究開発部 国立大学法人大阪大学 大学院工学研究科 地球総合工学専攻 鎌田研究室 |
アドバイザー | 岩波光保(東京工業大学) 内田慎哉(立命館大学) 大垣正之(一般社団法人日本建築あと施工アンカー協会) 長田光司(中日本高速道路株式会社) 川嶋紘一郎(一般社団法人日本非破壊検査工業会) 竹田宣典(株式会社大林組→H29より広島工業大学) 中野克彦(千葉工業大学) 濱崎仁(芝浦工業大学) 宮田弘和(西日本高速道路株式会社) 渡辺健(公益財団法人鉄道総合研究所) |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社アミック(法人番号:6020001036969) |
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事業内容 | 建築物・インフラ構造物の調査、耐震診断、各種非破壊検査 |
社員数 | 55 名 |
本社所在地 | 〒230-0051 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央4-36-1ナイス第2 ビル5F |
ホームページ | http://www.amic-pro.co.jp/ |
連絡先窓口 | 専務取締役 三輪秀雄 |
メールアドレス | h_miwa@amic-pro.co.jp |
電話番号 | 045-510-4317 |
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