複合・新機能材料
低温高容量リチウムイオン二次電池用電解液の開発
東京都
富山薬品工業株式会社
2020年4月21日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 低温高容量リチウムイオン二次電池用電解液の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、電池 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 低温、高容量、高出力、寒冷地、電解液 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成28年度~平成30年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
電気自動車に利用されるリチウムイオン2次電池は、走行距離延長のための高容量化と寒冷地仕様のための耐低温性能が求められている。高容量化のために、SEI被膜の形成および被膜の耐酸化還元性の向上を実現する電解液を開発する。また、低温下でも2次電池性能を発揮させるために、電解液に導入する新たな添加剤の開発を行う。最適な電解液の製造プロセスを適用し、高容量、耐低温の電池を目指す
開発した技術のポイント
リチウムイオン二次電池の高容量化を実現するために、リチウムイオン二次電池に使われる高容量材料表面での酸化・還元を抑制し、電解液の分解を防止する必要がある
(新技術)
・溶媒系自身の分解を抑制する
・高耐酸化還元性SEI被膜を形成して溶媒と電極材料との接触を減らす
(新技術のポイント)
異種元素導入SEI被膜によるリチウムイオンの移動度を向上させる
具体的な成果
・電解液中の環状カーボネートと鎖状カーボネートに対し特定量のフッ素化溶媒を加え、-20℃の低温環境下において、電解液のイオン伝導度が確保でき、電解液中の鎖状カーボネートの分解が抑えられ、実電池の低温出力も確認できた
・添加剤1、2は、電極材料表面へSEI被膜を形成し、高温寿命が従来添加剤と比べ大幅に改善した
・添加剤2、3、4は、低温環境下の容量出力率が大幅に改善された
・添加剤の構造改良及び電解液を作製する工程改良により量産化水準に達した
知財出願や広報活動等の状況
現在、本支援事業期間中に出願した特許が公開され、権利化に向け審査請求中。
研究開発成果の利用シーン
・電気自動車用リチウムイオン二次電池
・高容量電極材料に対応する電解液
・低温環境に対応する電解液
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
東北大学関連ベンチャー企業I・D・Fにて寒冷地向けリチウムイオン二次電池を製造販売中している。本支援事業で開発した電解液が本電池に使用中
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・溶媒の耐酸化還元性の向上
・高容量正負極材料表面へのSEI被膜形成
・SEI被膜の耐酸化還元性の向上
・電解液及びSEI被膜のイオン伝導度の向上
今後の実用化・事業化の見通し
・サンプル出荷を通じ需要家各社の電極への合わせ作業を実施
・2021年前後の電気自動車及びプラグインハイブリッド型電動自動車への実用を目指す
・2020年前後に低温環境下での小規模無調温蓄電システムの実用化を目指す
実用化・事業化にあたっての課題
電解液中添加剤の安定性向上に係わる研究開発を取込中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 富山薬品工業株式会社 技術開発部 |
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事業管理機関 | 国立大学法人東北大学未来科学技術共同研究センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人東北大学未来科学技術共同研究センター 富山薬品工業株式会社 技術開発部 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 富山薬品工業株式会社(法人番号:6340001006444) |
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事業内容 | 高純度化学薬品の開発・製造・販売 |
社員数 | 136 名 |
生産拠点 | 鹿島工場、生産技術センター |
本社所在地 | 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町1-2-6 |
ホームページ | https://www.tomypure.co.jp |
連絡先窓口 | 技術開発部 浦本昌英 |
メールアドレス | uramoto@tomypure.co.jp |
電話番号 | 0479-46-4500 |
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