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精密加工

高強度チタン合金を使用した大型航空機の着陸装置部品の高精度・高効率加工

兵庫県

株式会社きしろ

2020年4月21日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高強度チタン合金の精密加工の研究
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 航空・宇宙
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード 機械加工、チタン合金加工、Ti-10V-2Fe-3Al、難削材
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成26年度~平成27年度

プロジェクトの詳細

事業概要

川下製造者は、航空機用大形チタン製鍛造品の受注活動を行っており、高強度チタン合金を使用した大形航空機の着陸装置部品を受注した。本研究開発は、国内で経験のない高強度チタン合金の加工に関するものであり、対象部品は加工難度の高い中空で複雑な形状を持つ。川下製造者の要請を受け加工を担当する当社が、川下製造者の開発日程に合わせて、加工方法等の開発研究を行う

開発した技術のポイント

川下企業着陸装置部品の納入スケジュールと整合をとって、高強度チタン合金の切削条件等のデータ収集・分析をもとに、各加工(深孔・フライス・旋削)に求められる高精度かつ高効率目標を実現する加工方法を確立する
(新技術)
難削材である高強度チタン合金(Ti-10V-2Fe-3Al)に対する新加工技術を開発する
(新技術の特徴)
高強度チタン合金に対する各種加工法が確立できる

具体的な成果

・深孔加工技術では、「ガイドパッド回転フリー方式」工具の実用化、「2軸リバース回転方式」への設備改造を行い、予想以上の成果を得た
・フライス加工技術では、多くの種類の工具・治具に対する切削条件の確立を行うと共に、「推力カッター」の実用化、「軸心高圧給油方式」により有効な刃先冷却等の技術開発により、15%程度の加工能率向上を達成した
・旋削加工技術では、「薄切粉加工法」技術により、当初目標の加工時間の確保と工具寿命の飛躍的な長寿命化を達成した

研究開発成果の利用シーン

大型航空機の着陸部品のような複雑な形状を含んだ高強度チタン合金部品の加工(種々のチタン合金にも対応)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

対象部品の量産化を実現し、順調に納入されている

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

・中空で複雑な形状を含んだ高強度チタン合金製部品に対し、高精度かつ高効率の加工(深孔加工、フライス加工、旋削加工)が可能
・各加工法では、工具の長寿命化、加工時間の短縮、切削時の高温抑制などを種々の工夫により実現

今後の実用化・事業化の見通し

・一部の研究領域では、供試材の量的な問題で十分検証ができていない部分もあったが、当初予定していた項目に対して、ほぼ期待通りの成果を得たことから、本研究成果を活用することにより、川下企業における航空機用の着陸装置部品の納入スケジュールの確保が可能となり、順調に量産の移行できた
・結果、川下企業である顧客からの信用につながり、更なる航空機用チタン製品の新規引き合い、受注に結び付いている

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社きしろ 播磨工場
事業管理機関 公益財団法人新産業創造研究機構
アドバイザー 兵庫県立大学工学研究科教授 奥田孝一
株式会社神戸製鋼所技術開発本部

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社きしろ(法人番号:6140001034762)
事業内容 各種機械加工、輸送機械器具製造業
社員数 254 名
生産拠点 播磨工場 (兵庫県加古郡播磨町)土山工場 (兵庫県加古川市平岡町)高砂工場 (兵庫県高砂市荒井町)
本社所在地 〒673-0881 兵庫県明石市天文町2-3-20
ホームページ http://www.kishiro-g.co.jp/
連絡先窓口 大西一実
メールアドレス onishi.kazumi@kobelco.com
電話番号 079-445-7758