精密加工
超均一組織研削砥石による次世代パワーデバイス用ウエハ加工におけるコスト削減、加工時間短縮、機械研磨以上の表面品質の実現
愛知県
株式会社ニートレックス
2024年12月5日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 次世代パワーデバイス用ウエハ加工工程を簡略化する超均一組織研削砥石の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
キーワード | SiC、砥石、研削、ダイヤモンド、ウエハ |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
次世代自動車で電池に蓄えられた電力を有効に利用するためにはパワーデバイスの高性能化が急務である。このパワーデバイス用ウエハは、高硬度な脆性材料故、加工による品質低下と加工コストが用途拡大の障害になっている。高速で低ダメージ・超平滑面を得る研削砥石の開発を目標とし、機械研磨レスで厚み精度が高く、コストの低いウエハ加工工程を実現する。砥粒・結合剤・気孔が均一に分散した超均一組織砥石製造法を確立する
開発した技術のポイント
高速で低ダメージ・超平滑面を得る研削砥石を開発し、機械研磨レスで厚み精度が高く、コストの低いウエハ加工工程、砥粒・結合剤・気孔が均一に分散した超均一組織砥石製造法を確立する_x000D_
(新技術)
高速で低ダメージ・超平滑面を得る研削砥石を開発する_x000D_
(新技術の特徴)
精度が高く、コストの低いウエハ加工工程を実現する
具体的な成果
・砥粒と結合剤が均一分散した二次粒子を製造し、二次粒子を原料として砥石を製造し、砥粒・結合剤・気孔が均一に分散した砥石構造の製造に成功した
・研削速度は4inchウエハで6.4μm/min(目標値5μm/min以上)、6inchウエハで3.7μm/min(目標値1μm/min以上)、表面粗さはRa0.5nm(目標値<1nm)、Rz3.2nm(目標値<5nm)となり目標値を達成した
・TTV(total thick nessvariation)はトワイマン効果もあり19.7μm(目標値<2μm)と目標値に達していないが、5μm以下が望ましいとのアドバイザーコメントを得たため、5μm以下を目標に今後検討を続ける
・加工変質層厚は1μm以下(目標値<0.2μm)であったが、市場調査の結果、1μm以下で十分なことがわかった
・開発砥石で研削した面は、一般的な機械研磨面よりもCMPで研磨した後の表面平坦性に優れており、機械研磨を代替する性能を有していると考えられた
研究開発成果の利用シーン
・研削砥石
‐次世代自動車パワーデバイス用高硬度・脆性材料(SiC、GaN、ダイヤモンド等)に適応
‐ウエハ大口径化(6inchウエハ)へ適用可能
・ラッピング・ポリッシングといった遊離砥粒加工の代替加工方法
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
対抗する新しい技術が生まれてきており、業界の中でも製法が固まらず、業界全体の進捗が不透明な状況まため、ユーザーテストは多く実施しているが、継続的な取引につながっていない。
製品・サービスのPRポイント
・機械研磨工程を省略した3工程による加工コストの30%以上低減を実現(CMP(Chemical Mechanical Polishing)を含めた加工時間40%短縮が可能)
・機械研磨以上の表面品質を実現(表面平滑性:Ra0.5nm、Rz3.2nm(#50000砥石))
今後の実用化・事業化の見通し
・パワーデバイス向けウエハのCMP前の表面平坦化加工を必要とするユーザーへのサンプル加工・サンプル出荷を継続し、開発砥石採用へ向けて、砥石構造性能の調整を継続する
・要求性能が厳しい高硬度脆性材料全般(サファイヤ、超硬、硬質ガラス、セラミックス)の加工用として開発砥石を横展開する
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ニートレックス |
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事業管理機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究等実施機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ニートレックス(法人番号:7180001092260) |
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事業内容 | 研削砥石の製造・販売 |
社員数 | 255 名 |
本社所在地 | 〒470-2343 愛知県知多郡武豊町小迎184 |
ホームページ | http://www.nitolex.co.jp/ |
連絡先窓口 | 株式会社ニートレックス 武田幸久 |
メールアドレス | takeda@nitolex.co.jp |
電話番号 | 052-872-0551 |
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