研究開発された技術紹介

工作機械に搭載されている重要機関装置であるスピンドル装置は、ツールホルダ、クランプ装置等海外の規格部品の制約を受け、進化の足かせとなっている。日本オリジナルの軽量で、回転イナーシャを最小限に抑えた独自規格の新機構によるツールホルダ、クランプ装置により高回転制御可能な、高加速で高トルク、高性能軽量スピンドルシステムを開発し、高精度な制御システムと合わせて、低コストと2倍の生産性を持つ省エネ高効率スピンドルを実現する

小型、低出力、軽量でも高トルク、高回転制御可能な高生産性スピンドルシステム
(新技術)
規格、特許に制約されないスピンドル構造、低出力モータでも高トルク化を達成できる技術を開発する
(新技術の特徴)
加工プロセスが短縮され、工作機械を使った製造物、部品のコストダウンに貢献できる

・本システムの性能向上、安定化には、構成部品の精度の向上を図るため部品の高精度加工、高精度組立調整が必要であり、高精度な寸法計測、幾何公差(形状、姿勢、位置など)測定が必須となる、そのため高精度計測設備の導入及び精密測定を行うための精密空調を可能とした検査室(室温20℃±0.5℃で管理)を整えた
・開発したシステムでの切削加工実験を行うための加工機も調達し、本開発システムを加工機に搭載しユーザー要求の加工条件での切削加工実験も実施した
・本研究開発での各サブテーマに対する目標値は、達成できない項目もあったが、それらの項目は、最大の目標である24,000min-1までの加速時間0.6秒以下を達成するための目標値であり実用上問題ないものと捉える(ユーザー要望は達成した)
・ユーザー立会のもと実施した加工試験により、切削性能においてもユーザー満足を得られる結果であった
・本研究開発での工場環境整備、測定機器類の設備、加工技能の向上により従来以上の高精度加工が、可能になった。

・軽量高生産性の工作機械のスピンドル
・高回転制御可能なスピンドルの増速機構
・精密加工

予定していた川下ユーザの事業計画の変更により、試験など停滞している。他の川下ユーザへの展開PRなどの活動も行っているが、実質効果が出ていない。

・工作機械の性能を向上
　0-24000min-1までの加速時間0.6秒(減速も同じ)低出力、高トルクで低電力消費軽量化により工作機械の高速送り時の負荷軽減
・自社製ツールクランプユニットによる、短納期化、部品、ユニットコストの削減

・市販化、事業展開に向け研究を継続中でありオイルミスト仕様の増速機構部の分解評価など未実施の項目もあるが、今後もユーザーと更なる試験など実施予定であるが、現状停滞感あり。
・その他本研究開発のサブテーマにより得られた技術は、それぞれを部分的に使用することも可能であり、本システムに搭載した増速機構は、工作機以外の風、水力発電など他の用途や、減速機構としても使用可能であることから多方面への応用展開が可能と考えられるが、具体的な仕向け先などは、決まっていない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

・開発装置は、商品的完成度を向上させる必要がある。

・開発装置を応用し機能向上などを共同研究的に進める連携を希望