機械制御
未熟練者でも高精度な位置決めを実現できる多面拘束型ピン方式による高精度位置決め技術
岐阜県
株式会社イマオコーポレーション
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 多面拘束型ピン方式による高精度位置決め技術の開発 |
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基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、自動車、農業、産業機械、工作機械 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
部品加工業においては高精度加工が求められ、工作機械業界では新機種開発が進んでいるが、加工の際、治具など加工物を保持するものが高精度に位置決めできなければ、要求に応える事ができない。このため、本研究開発では、ピン/ブッシュのはめ合い方式による高精度位置決め技術を確立し、未熟練者でも1μM以下の高精度で安定した位置決めができる高精度治具を開発して、その事業化を目指す
開発した技術のポイント
弾性変形を利用した多面拘束型ピン方式による高精度位置決め技術の確立
・位置決め精度の高精度化→位置決めの繰り返し精度:10μm以下(最終目標は1μm以下)
・長期間の繰り返し使用が可能→使用可能回数:10万回以上
(新技術)
<弾性変形を利用した多面高速型ピン方式>
・弾性変形を利用し、ピンとブッシュの密着度を高めることでガタをなくし、位置決め精度を上げる
・位置決めの繰り返し制度:10μm以下
具体的な成果
・ピンの弾性変形により、密着度を向上
‐弾性変形を利用しピンとブッシュの密着度を高めることでガタをなくし、位置決め精度を上げる技術を開発
‐ピン/ブッシュの最適なテーパ角度(円錐部分の角度)を解析
‐ピン側を弾性変形させる機構で多面拘束型ピン方式の密着度を確認
・繰り返し精度3μm、使用可能回数10万回以上を達成
‐多面拘束型ピン方式による高精度位置決め技術を確立
‐ピン/ブッシュの位置決め繰り返し精度は、当初の目標を上回る3μmを達成
‐10万回耐久試験を実施し、結果、使用する試験片の密着度に問題はなく、使用可能回数10万回以上を確認
・表面処理による耐久度向上が課題
‐「焼入れ+焼戻し」熱処理のみでは、摩擦摩耗に対する耐久性および耐疲労性の点で課題が残ることが判明
‐そこで、浸炭および窒化による表面硬化処理品を用いた疲労試験・耐摩耗試験を実施し、検討を加える必要がある
研究開発成果の利用シーン
部品加工などにおける加工物や加工治具の取り付けについて、弾性変形を利用した多面拘束型ピン方式による高精度位置決め技術を導入することにより、未熟練者でも簡単に高精度で密着度の高い位置決めが可能になる
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H24年度の実用化に向け、研究を継続中
・研究開発における試験およびデータ取り用の試作・サンプルあり
製品・サービスのPRポイント
・精度向上:工作機械へ治具を載せ替える際の繰返し精度10ミクロン以下(最終目標は1ミクロン以内)
・多品種少量生産:工作機械へ治具を載せ替える際の繰返し精度や短時間作業の実現により、多品種少量生産に対応
・納期・製作時間短縮
今後の実用化・事業化の見通し
耐久性に関する補完研究を実施し、展示会への出展を目指す
・実使用時における荷重負荷に対する耐久性に関して解決すべき課題が確認されたため、補完研究を継続中
・試作品を製作中でH23年12月には製作が完了し耐久試験に入る予定
・H24年4月ごろには研究開発を完了させ製品製作に入り、H24年11月に実施されるJImTOF(日本国際工作機械見本市)への出展にて本格的な市場展開を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社イマオコーポレーション |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター |
研究等実施機関 | 名古屋市工業研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社イマオコーポレーション |
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事業内容 | 金属工作機械用・金属加工機械用部分品・附属品製造業(機械工具、金型を除く) |
本社所在地 | 岐阜県美濃市須原大須賀605 |
ホームページ | http://www.imao.co.jp |
連絡先窓口 | 製造部一課課長 山下浩 |
メールアドレス | hiroshi_yamashita@imao.jp |
電話番号 | 0575-32-2231 |
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