製造環境
自然空気(GWP=1)を冷媒使用する環境負荷低減型の極低温冷凍空調機
山形県
Zメカニズム技研株式会社
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 自然空気(GWP=1)を冷媒として用いる極低温冷凍空調機の開発 |
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基盤技術分野 | 製造環境 |
対象となる産業分野 | 産業機械、食品、電池、半導体、物流・流通 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(完全ノンフロンで極低温(-60℃)の冷凍空気を膨張機単段で生成)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 完全ノンフロン、極低温、回生発電 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
冷凍空調機器業界では、地球温暖化係数の低い冷媒開発や電力料金高騰による省エネルギー性能の向上が大きな問題となっている。そこで、自社特許技術であるXY分離クランク機構を備えた駆動技術を応用し、自然空気を直接操作することで冷凍空気を生成する極低温冷凍空調機(GWP=1)の実用化を目指す。また、空気の内部エネルギーを電力変換し回生することで消費電力低減を図り、環境負荷が極端に少ない冷凍空調機器開発を行う
開発した技術のポイント
『XY分離クランク機構およびこれを備えた駆動装置(特許第5393907号、平成25年10月成立)』を応用した自然空気を冷媒とする極低温冷凍空調機器を開発する
(新技術)
容積型膨張機にサイドスラストロスを解消したXY分離クランク機構を用いることで、ピストンが発熱しないようにした
(新技術の特徴)
・自然空気を用いた完全ノンフロン極低温冷凍空調機器
・エネルギー使用効率の向上、省エネルギー性能の向上
具体的な成果
・システムとして生成する流量については、当初予定していた600~1000L/minの目標値を上回る2000L/minを生成することに成功した
・冷凍温度は、事業完了直前の実験において-50℃~-60℃(2分程度で生成)の冷凍空気の生成を確認した
・膨張機とコンプレッサは、内部機構を鏡像(ミラー)配置することで回転方向のモーメントもバランスすることに成功し、振動の原因となる低次振動を大きく改善することができた
・流量では目標値を上回る値を確認し、メカニズムとしては当初の目標達成に大きく寄与した
・冷凍システムとしての本体サイズは、最終的に各種要素を集約する50%程度の小型化とすることが出来、実際に流通している冷凍コンテナへ搭載することができる大きさになった
知財出願や広報活動等の状況
本研究で製作した空気冷凍機は日本、米国、中国、シンガポールで特許化が完了
日本冷凍空調学会でも発表し、建設機械関係の技術誌でも発表
研究開発成果の利用シーン
極低温冷凍空調機器:化学冷媒や熱交換器が不要で、直接的な空気温度の操作によって単段で極低温冷気が生成可能であることから、以下の製品に活用可能
・冷凍食品製造関連機器
・冷凍機を使用している市場
・冷凍機コンテナ
・極低温条件を必要とする医療機器など
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
空気冷凍システムを応用したスポットクーラーなどの機器に対する検討依頼などに対応中
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
川下ニーズへの対応
・冷凍空調温度範囲の向上
・冷媒コスト削減
・冷凍空調機電気使用量削減、メンテナンスコスト削減
・絶乾空気を用いた陽圧冷凍/空調に使用可能(密閉空間の圧力確保)
今後の実用化・事業化の見通し
・川下企業へは研究開発中から展開してきており、海外企業とリーファコンテナ用の冷凍機を検討している
・補完研究にて、二重偏心揺動直線運動機構を開発し、本事業で開発したコンプレッサを小型化し、同時に膨張機の小型化も可能となり、空気冷凍機を家庭用および車載用エアコン、スポットクーラーなどの空調機械へ展開する
・名刺サイズの小型コンプレッサや可搬型医療器械用空気冷凍機などの医療分野への展開を行う
・陽圧条件が必要な場所での冷却案件に対応
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 有限会社タックリサーチ 株式会社ナカシン冷食 |
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事業管理機関 | 公益財団法人山形県産業技術振興機構 |
研究等実施機関 | Zメカニズム技研株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | Zメカニズム技研株式会社(法人番号:3900-01-013475) |
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事業内容 | 機械設計製作 |
社員数 | 5 名 |
生産拠点 | 山形県米沢市ほか |
本社所在地 | 〒992-0033 山形県米沢市福田町1-2-67 |
ホームページ | http://www.zmechanism.jp/ |
連絡先窓口 | 吉澤匠 |
メールアドレス | takumi.yoshizawa@zmechanism.jp |
電話番号 | 0238-26-0060 |
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