精密加工
車載用パワーデバイスの高硬度材料(SiC及びGaN)の平坦化加工コストを現状の5分の1に
三重県
東邦エンジニアリング株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 車載用SiC及びGaN基板の実用化を目指すCARE法加工技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、情報通信、半導体、工作機械、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、低コスト化 |
キーワード | パワーデバイス、化合物半導体、基板平坦化、深紫外LED、5G通信 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
車載用パワー半導体材料としてSIが主流であるが、より高性能なSICやGANが注目されている。しかし、これらは高硬度で、従来の研磨法では加工時間が長く傷も発生し、コストが高い為、実用化が遅れている。大阪大学において無傷で原子レベルの平坦面が得られるCARE法が開発されたが、実用化するには、安全性と経済性に課題がある。本研究開発により、これらの課題を解決して、新材料による車載用基板を実現したい
開発した技術のポイント
SiC及びGaN基板の新たなCARE法による量産加工技術を開発
(新技術)
CARE法のHFを大幅に削減する経済的量産技術、傷の無い高品位面が得られ、デバイス性能が格段に向上する
(新技術の特徴)
加工コストを3年以内に現状の5分の1以下にして、車載用パワーデバイスとして実用化する
具体的な成果
・加工液保持方式により、HF消費量を現状の1/3以下にでき、一般のCMP装置でも有効であるため今後商品化を進める
・大阪大学において、SiCやGaN基板のステップテラス上に紫外線による小さなピットを多数設け、そこを起点に加工を進行させ、従来法の10倍以上の加工量を達成できた
・さらに小振幅加工方式により、HFの使用量を従来の1/10以下に削減することができた
・白金(\4700/g)に代わり、ニッケル(\2.5/g)が有望であり、時間当たりの加工量を20%以上向上できた
・王水に代わる新たな洗浄液を開発し、実験段階でのコストを20%削減できた
知財出願や広報活動等の状況
【特許】
名称:基板研磨装置
出願番号:2012-181568
特許:第5935168号
【展示会】
人と車のテクノロジー展、セミコンジャパン、日産自動車、ICCGE(国際結晶学会)、ICPT(国際CMP学会)、先進パワー半導体分科会
【講演】
精密工学会、砥粒学会先端加工ネットワーク、ICPT(国際CMP学会)
研究開発成果の利用シーン
車載用パワーデバイスの高硬度材料(SiC・GaN)基板の加工サービス、及び加工装置の販売
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
サンプル出荷とより高度なエピ膜の加工技術を開発中
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・CARE加工を行った高信頼性且つ経済的なSiC・GaN基板のサンプル加工を積極的に進めている。各用途においてCARE加の評価が確認されているため、本技術の標準技術化を目指してエンドユーザーとの開発体制をより強固にして行きたい。
今後の実用化・事業化の見通し
・エピ膜付き基板の平坦化加工が要請されているが、本技術が唯一対応できるものであるため、評価を受けて1年以内の事業化を目指す。
・車載用に加えて、紫外線LED光源、5G通信用基板のニーズが出てきたため、これらの分野へも積極的に進出する。
・学会や講演会等に積極的に参加して、先端技術の動向をタイムリーに把握して事業化計画を進める。
実用化・事業化にあたっての課題
技術の完成時期と市場ニーズのタイミングを合わせることが難しい
事業化に向けた提携や連携の希望
事業化を進めるため、関連企業と共同開発をしている大学との連携を希望している。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 東邦エンジニアリング株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人三重県産業支援センター |
研究等実施機関 | クリテックサービス株式会社 三重事業所 三重県工業研究所 窯業研究室 国立大学法人大阪大学 大学院工業研究科 山内和人教授 |
アドバイザー | 豊田中央研究所 デンソー基礎研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 東邦エンジニアリング株式会社(法人番号:4190001015669) |
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事業内容 | 半導体平坦化加工装置及び関連部材 |
社員数 | 9 名 |
本社所在地 | 〒512-8041 三重県四日市市山分町字川之下443 |
ホームページ | http://www.tohokoki.jp/e-top.html |
連絡先窓口 | 取締役 鈴木大介 |
メールアドレス | suzuki-d@tohokoki.jp |
電話番号 | 059-364-3811 |
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