文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 多種多様なアルミ材料への適応や環境に配慮した陽極酸化処理技術かつ低コスト化につながる生産技術

表面処理

多種多様なアルミ材料への適応や環境に配慮した陽極酸化処理技術かつ低コスト化につながる生産技術

鳥取県

株式会社アサヒメッキ

2020年4月12日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 あらゆるアルミ系素材に適応し、かつ毒物を使用しない表面処理技術の開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 自動車、ロボット、産業機械
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード 陽極酸化、スマット、アルミニウムエッチング、鋳物、dm2
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成25年度~平成27年度

プロジェクトの詳細

事業概要

AL鋳物等は加工しやすく、様々な産業の用途として使用され、その表面処理も広く活用されているが、材料には高ケイ素AL合金が多く、陽極酸化が困難とされてきた。現在処理法は一般に活用されるが、AL合金の処理工程に比べ、煩雑、高コスト化の要因となっている。また、一部工程での使用薬品は毒物を用い、環境負荷が高い。これら課題を克服し、多様な材料に適応、環境に配慮し、低コスト化につながる表面処理技術を開発する

開発した技術のポイント

多種多様なアルミ材料に適応、環境に配慮し、低コスト化につながる表面処理技術を開発
(新技術)
アルミ鋳物を含めた全てのアルミ素材へ適応できる新たな表面処理手法を開発する
(新技術の特徴)
多種多様なアルミ材料に適応、環境に配慮し、低コスト化プロセスを実現する

具体的な成果

・アルミ鋳物の陽極酸化処理における活性化工程での毒物薬品を使用しない新国内標準手法の実現
‐新活性化工程で使用する薬品を設計し、スマット除去及び陽極酸化性が良好な結果を得た
‐マイクロバブル発生装置及び散気プロセスを併用することでスマット除去効果が向上した
・アルミ鋳物を含めた全てのアルミ素材へ適応できる新たな表面処理手法の実現
‐前処理工程、陽極酸化工程、後処理工程は、5~20%の範囲条件で工程設計できることを確認し、従来アルミ鋳物陽極酸化工程12工程に比べ、9工程にまで削減し、20%以上の工程数を削減し、活性化工程を含めたアルミ鋳物工程との工程共用化が可能であることを確認した
‐試作製品の皮膜厚は、8~15ミクロンを確保し、平均皮膜厚6ミクロン以上を満足させ、皮膜表面及び断面は、均一で正常な陽極酸化皮膜を形成でき、耐食性、耐摩耗性、皮膜硬度は、満足できる結果であった
・量産化技術の確立:各量産工程条件、ランニング処理安定性、排水処理安定性を確立し、量産試作製品の評価を行い、満足できる結果を得た

知財出願や広報活動等の状況

・知財関連:特許第5998314号【発明の名称】アルミニウム合金の表面処理方法
・広報活動:山陰中央新報2017年5月19日掲載、日本海新聞2017年5月19日掲載、日本海新聞2017年5月22日掲載、読売新聞2017年9月12日掲載、カロス出版アルミニウム総合雑誌「アルトピア」掲載、2017年日刊工業新聞掲載、日刊工業新聞掲載2018年6月14日
・学会発表:2017年10月30~31日第34回金属のアノード酸化部会(ARS)松島コンファレンス
・受賞:2018年2月15日第7回ものづくり日本大賞 「中国経済産業局長賞(製造・生産プロセス部門)」

研究開発成果の利用シーン

高ケイ素アルミ合金が多く、皮膜生成が悪いなど陽極酸化が困難なアルミ鋳物やアルミダイカスト材料など多種多様なアルミ鋳物に適応できる陽極酸化処理技術

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

当初から目標にしていた半導体関連のロボット搬送機に使用されるアルミ鋳物の部品のアルミ陽極酸化処理量産化を達成できた。継続的な受注が現在も続いている。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・陽極酸化性が良く、また着色仕上げも均一な色合いに仕上げられる
・多種多様なアルミ材料への適応や環境に配慮した陽極酸化処理技術かつ低コスト化につながる生産技術
・フッ素含有排水基準をクリアーできる環境調和型技術

今後の実用化・事業化の見通し

・アルミ鋳物の陽極酸化処理においてフッ化水素酸使用をゼロとするプロセスを確立し、アルミ鋳物陽極酸化工程を従来の20%以上削減し、アルミ鋳物を含めた全てのアルミ素材の工程共用化も可能となった
・量産化を想定した連続試験において活性化工程での薬液劣化の状況や排水処理への影響についての調査し、安定した処理が可能であることを確認した
・以上の成果(環境配慮、低コスト化、品質安定)を踏まえ、現状の対応材料以外の製品の幅の拡大とコスト競争力強化につなげ、さらなる事業拡大につなげていく予定である

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社アサヒメッキ
事業管理機関 公益財団法人鳥取県産業振興機構
研究等実施機関 奥野製薬工業株式会社
地方独立行政法人鳥取県産業技術センター
アドバイザー ムラテックメカトロニクス株式会社 大分工場 調達課 繁成良和様

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社アサヒメッキ(法人番号:5270001000034)
事業内容 メッキ(表面加工)処理加工
社員数 59 名
生産拠点 鳥取市
本社所在地 〒689-1121 鳥取県鳥取市南栄町1番地
ホームページ http://www.asahimekki.jp/
連絡先窓口 川見和嘉
メールアドレス kawami@asahimekki.jp
電話番号 0857-53-4561