機械制御
あらゆる医療器具等を正確な位置で保持するマルチパーパスベースホルダーロボットアーム等の3つの手術ロボット
埼玉県
株式会社和幸製作所
2020年4月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 手術ロボット開発における位置決め技術の高度化(インテリジェントホルダーの開発) |
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基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、ロボット |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上) |
キーワード | 位置決め技術の高度化 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
従来、産業用ロボットは特定なエリアで作業を行うが、医療現場のニーズに基づき、生命に直結する特殊な環境である手術室において、術者のもうひとつの手としてあらゆる術具を正確な位置でホールドする手術ロボットの開発を行う。この開発においては、安全性と信頼性を最優先課題とし、特に外的な衝撃に対し、衝撃度に応じた柔軟な動きを可能とし、元の位置に戻るヒューマノイド機能及び、患者の呼吸等の僅かな動きに合わせて正確に位置をコントロールするセンサー機能を設け、位置決め技術の高度化を図る
開発した技術のポイント
あらゆる医療器具等を正確な位置で保持するマルチパーパスベースホルダーロボットアーム、ディスポーザブルマルチパーパスホルダーロボットアーム及びインテリジェントホルダーの3つの手術ロボットを開発
(新技術)
開発したインテリジェントホルダー(空中アームステーションシステム等)は、ヒューマノイド機能、センサー機能を有する。
(新技術の特徴)
高度医療など用途の多様化、また医師不足解消のためにも医師をサポートする助手に変わる多機能ロボット
具体的な成果
以下の5つのサブテーマを設け、全てについて目標に到達している
・各関節にロック機能を持つアームの開発
・定位置固定型ホルダーロボットアームの開発
・患者との距離を一定に保つ相対位置固定型ホルダーロボットアームの開発
・多関節ホルダーロボットアームの開発
・空中ステーション機構と多関節合体型の開発
知財出願や広報活動等の状況
7件特許出願し、うち6件は特許取得済み、1件は審査請求中。
●特許出願「医療用処置具把持具」(特願2015-072559)→ 取得済
●特許出願「医療用処置具保持具」(特願2015-072560)→ 取得済
●特許出願「アーム機構」(特願2015-072561)→ 取得済
●特許出願「医療用処置具把持装置」(特願2016-069937)→ 取得済
●特許出願「内視鏡ホルダー」(特願2016-251858)→ 取得済
●特許出願「内視鏡ホルダー」(特願2017-014787)→ 取得済
※特許出願「支持装置」(特願2016-069939)→ 審査請求完了
研究開発成果の利用シーン
マルチパーパスベースホルダーロボットアーム、ディスポーザブルマルチパーパスホルダーロボットアーム及びインテリジェントホルダーの3つの手術ロボット
術者の手に代わって当該機器が傷口や術具等を保持する役割を担うことで、医師の人手不足と言われている中、限られた人員体制において効率的な手術を可能とする。
また、既存製品との融合や、これまでとは異なる新たな使用方法を導入する等、医療現場の実情に即した利便性の向上や耐荷重の強化に貢献できると見込んでいる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
「多関節ホルダー」に先行して、「マウスピース型内視鏡固定具」について販売メーカーが(株)トップ殿で進めておりましたがトップ殿が販売を断念。現在ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社殿に販売メーカ-として参入して頂いた。現在ボストン社と上市に向けて、契約内容について協議を進めている。
その他のホルダーについては、製品化に至るまでの十分な仕様に至っておらず、医療現場の実情を考慮しながら、改善・改良を重ねており、事業化までの時間を要している。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・マルチパーパスベースホルダーロボットアーム:重量物を術者がワンタッチで自由に位置固定、自重で落下しない(令和3年度の製品化を見込む)
・ディスポーザブルマルチパーパスホルダーロボットアーム:ワンタッチで細径器具(鉗子等)を自由な角度ホールド、マウスピースに直接接続して内視鏡を自由な角度でホールド(令和3年度の製品化を見込む)
・インテリジェントホルダー:ワンタッチで自由な角度でホールド、一度に複数の位置固定が可能、外的衝突で移動しても復元、患者との位置を一定に保つ補正機能(令和4年度の製品化を見込む)
今後の実用化・事業化の見通し
・3つの製品化という当初の目標達成に向け、先行する2つの製品化において量産化を含めた最終仕様をしっかりと定め、令和3年度の薬事申請を確実に進め、早期の上市に繋げることとする
・これまでの技術を集約した最終目標である「インテリジェントホルダー」については、技術の融合による安全性・有用性の評価を繰り返し行い、現場のニーズに基づく機能別仕様を明確化し、令和4年度の薬事申請、事業化を実現する
・今後はこれまでの技術を活用し、介護施設との連携を図りながら、介護現場のサポート機器開発にも取り組んでいく予定である
実用化・事業化にあたっての課題
インテリジェントホルダーの開発過程にて派生したニーズのマウスピースの開発に注力しているため
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社和幸製作所 |
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事業管理機関 | さいたま商工会議所 |
研究等実施機関 | 学校法人慶應義塾 医学部 株式会社トップ |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社和幸製作所(法人番号:50300001008860) |
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事業内容 | 屋外筐体の設計・開発及び製造、事業交通信号機器の製造 |
社員数 | 70 名 |
生産拠点 | さいたま市内に、本社事業所と浦和事業所、2つの工場を保有 |
本社所在地 | 〒330-0042 埼玉県さいたま市浦和区木崎1-3-23 |
ホームページ | http://www.wako-seisakusyo.co.jp/ |
連絡先窓口 | 営業部アカウントマネージャー 佐々木 明 |
メールアドレス | akirasasaki@wakoindustries.com |
電話番号 | 048-886-8505 |
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