立体造形
「かしめ接合」による、部品点数、加工工程数が少なく、かつ軽量化が可能な自動車用部品の複合化
北海道
佐藤鋳工株式会社
2020年4月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 鋳鉄の延性を利用した自動車用鋳造部品の複合化技術 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、低コスト化 |
キーワード | 自動車用鋳鉄部品、材質制御、部品点数削減、工程数削減、かしめ結合 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
国内自動車産業の国際競争力を高めるため、自動車部品には自動車の性能を高める軽量化、原材料の高騰などの要因を打ち消す低コスト化、市場機会の逸失を防ぐ短納期化が求められている。そこで本研究では、世界的に市場の拡大が続く小型車向けの機能部品を対象に、鋳造部品と機械加工部品の接合に塑性加工技術を応用し、部品点数削減と工程数削減により軽量化、低コスト化、短納期化を実現する複合化技術の開発を行う
開発した技術のポイント
「かしめ接合」に関する研究・開発により、従来品に比べて部品点数、加工工程数が少なく、かつ軽量化が可能な自動車用部品の複合化技術を開発
(新技術)
球状黒鉛鋳鉄品の延性を制御したかしめ接合による複合化技術を開発する
(新技術の特徴)
鋳造品の材質制御、塑性加工プロセスの最適化、評価技術を連動させる
具体的な成果
・量産化に向けた品質安定化の指標として、同じ化学組成に対して金属組織におけるフェライト面積率および引張強度、伸び、ブリネル硬さのばらつきの幅を一定値以内に収めた
・実スケールモデルのかしめ加工による複合化プロセスにおいて、FCD450相当の材質における最適な加工条件を明らかにし、圧入加工およびかしめ加工を行う複合加工のサイクルタイムを大きく短縮した
・動力循環式トルク負荷試験装置を開発し、スリップトルクによるかしめ接合強度の再現性の高い測定評価(しめ接合部の静トルク強度および疲労強度)技術が確立された
・かしめ接合部の強度評価において、数値のばらつきの範囲は一定値以内に収まった
・従来工法による現行部品に対する寸法差を考慮した比較において、強度・品質においては同等以上、製造コストにおいては大きな削減の可能性を得た
知財出願や広報活動等の状況
展示商談会での展示や所内報告書、雑誌などに掲載。
研究開発成果の利用シーン
鋳鉄鋳造品と機械加工品の「かしめ接合」による自動車用部品の複合化プロセスおよびその複合化製品
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
延性を重視しFCD450相当の試作開発を行ったが、市場では高強度の材質でのかしめ接合が望まれており、これに対応するためには新たに広範なかしめ加工の最適化や長時間を要する締結強度の評価試験を行っている。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
・安定な「かしめ接合」品質
・部品点数、加工工程数が少なく、かつ軽量化が可能な自動車用鋳造部品の複合化技術
・川下企業の短納期化への要求に対応
今後の実用化・事業化の見通し
・自動車部品のデフケースを対象に、FCD450相当の鋳鉄製デフケースと鋼製リングギアとのかしめ締結を実現するために、鋳鉄の延性の品質を制御できる技術、最適条件でかしめ加工できる塑性加工技術、かしめ加工にも新たな加工法を採用することができた
・かしめ締結部品の疲労強度を評価できる動力循環式トルク負荷試験装置の開発を行うことができた
・今後、自動車業界を中心に、ボルト結合に替わり、かしめ結合が自動車部品として、あるいは個別に延性を有した鋳造部品として、また技術自体として、個々の実用化を図り、商品化、ビジネス化からの事業化を目指していく
実用化・事業化にあたっての課題
延性を重視しFCD450相当の試作開発を行ったが、市場では高強度の材質でのかしめ接合が望まれており、これに対応するためには新たに広範なかしめ加工の最適化や長時間を要する締結強度の評価試験を行う必要がある。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 佐藤鋳工株式会社 |
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事業管理機関 | 一般社団法人北海道機械工業会 長尾 信一 |
研究等実施機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 産業技術研究本部 工業試験場 製品技術部 戸羽 篤也 国立大学法人室蘭工業大学 大学院工学研究科 もの創造系領域機械航空創造系学科 淸水 一道 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 佐藤鋳工株式会社(法人番号:6450001004809) |
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事業内容 | 金属製品製造業、自動車駆動系排気系鋳鉄部品、産業車両・産業機械用鋳鉄部品の製造 |
社員数 | 111 名 |
生産拠点 | 本社所在地に同じ |
本社所在地 | 〒079-0502 北海道雨竜郡妹背牛町356番地 |
ホームページ | https://satochuko.co.jp/ |
連絡先窓口 | 佐藤鋳工株式会社 総務部 佐橋信明 |
メールアドレス | n_sahashi@satochuko.co.jp |
電話番号 | 0164-32-2130 |
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