研究開発された技術紹介

自動車業界の2015年の自動車の快適・安全・環境・信頼のための電子化率は、製造コストの40％との予測である。次世代自動車の国際競争力・低価格化のため、電子部品の高効率化による低コスト化が求められている。本事業では、従来技術の銅コア基板を世界初の新技術であるアルミ導体化・平滑表面金属/樹脂密着の高度化及びパラジウムフリー・省化学銅メッキの研究開発成果を事業化し、川下製造業者のニーズに応える

次世代自動車に用いるプリント配線板において銅材料をアルミ化することにより、軽量化、省エネルギー化、製造プロセスの省工程化、低コスト化を実現する
(新技術)
プリント配線板の導電材にアルミを用いる
(新技術の特徴)
軽量化、省エネルギー化、製造プロセスの省工程化、低コスト化が可能になる

今年度から、クロムフリーによるエンプラめっき技術の可能性検証を開始した。

・平滑表面アルミと樹脂の密着性の再現
・絶縁層の高熱伝導化
‐高熱伝導樹脂組成の高度化、穴埋め装置及び穴埋め樹脂組成の最適化を達成できた

本研究成果の特許は1件が権利化できているが、周辺技術の特許出願を来年度には行う予定である。

これまで
・アルミを導体としたプリント配線板
・銅部材・銅部品をアルミ化した製品
新たな用途
・エンプラへの機能めっき
・5G、ミリ波部品
・低弾性放熱基板

　これまで、本開発は放熱基板に限って実施してきたが、最近、プラめっき業界でクロムフリー技術が注目を浴びている。従来のABS樹脂へのめっきでは、B(ブタジエンゴム)を六価クロムでエッチングして凹穴を創り、この凹穴にめっき膜を食い込ませて密着強度を確保してきた。本開発に用いた分子接合技術をエンプラめっきに適用することにより、ABS及び他のエンプラに対してもエッチングレス・クロムフリーでのめっきが可能になることから、実用化に向けた開発の実施段階である。

軽量・短納期生産可能・安価という優れた特徴を兼ね備える部品により、用途・販路の拡大が実現
・プリント配線板の導体にアルミを用いることで、プリント配線板の軽量化及び製造プロセスの省工程化・低コスト化が実現する
・このプリント配線板は、自動車業界等の高いニーズである軽量化に貢献可能な各種部品が生産できる
・また、各種部品を短納期、且つ、安価に製造できるため、販売における機会損失発生の抑制や価格競争力強化が実現できる
・高品質と低価格の両立が期待される分野への用途・販路の拡大が実現する

・補完研究を行うとともに、量産化に向けた生産技術及び設備検討を行う予定である
・引き続き、企業訪問、インターネットサイト、展示会出展等によるPR活動を行う計画である
・ユーザーへのサンプル出荷、材料メーカーへの協力要請、及び製品製造のための協力会社の発掘・教育・連携を進める予定である

新たにエンプラへのクロムフリーめっき製品の実用化を進めている

専任研究者の不足、新販路の開拓などである

他企業からの事業連携の申し入れがあれば前向きに検討し事業化に結びつけたい。