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精密加工

シリンジ一体型樹脂製注射針で、医療従事者の安全確保と医療サービスの質向上が実現!

群馬県

株式会社一倉製作所

2020年5月11日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 微細加工技術を用いたシリンジ一体型樹脂製注射針の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 医療・健康・介護、自動車、産業機械、スマート家電、光学機器、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、環境配慮、低コスト化
キーワード 微細射出成形、金属の樹脂化、スーパーエンプラ
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成23年度~平成26年度

プロジェクトの詳細

事業概要

世界的に流行している新型インフルエンザなどの感染症に対して、予防対策としてワクチン接種の需要が増大している。川下企業からは高機能で低コストの医療器具の開発が強く求められている。本研究は安価なオール樹脂製の注射器一体型注射針を開発するものである。従来技術では金型加工・成形加工ともに微細化が追いつかず、製品化できていない。本研究では主に微細化技術(金型)を高度化させて世界初の医療器具の開発を目指す

開発した技術のポイント

従来針先部が金属製の注射針を樹脂化し、さらにシリンジ部分を一体化することで、より安全で利便性の高い世界初の医療器具を開発する
(新技術)
・注射針の針先が樹脂製であるある
・注射針がシリンジと一体となっている
(新技術の特徴)
・医療従事者の誤刺事故が発生しなくなる
・注射針のシリンジへの取付を行うことなく、そのまま使用することが可能になる
・使用済注射針を一般医療廃棄物として焼却処分することが可能になる

具体的な成果

・高精度微細形状金型の設計・製作
‐針先部分の金型温度をコントロールできる金型の構造・材料の選定等を行った
・針先形状を成形するための成形技術の確立
‐成形機の高速射出と速度応答性能の高性能化、針先部分まで樹脂が充填することを阻害するガスを抑制ための技術の確立等を行った
・製品の性能と機能の検証
‐金属製注射針と同等の吐出性能と穿刺抵抗の実現が出来た

知財出願や広報活動等の状況

特許第5879599号
特許第6119020号
特許第6524392号
特開2018-078978 (特願2016-222097)

研究開発成果の利用シーン

針が樹脂製でかつシリンジと一体となった「シリンジ一体型樹脂製注射針」

シリンジ一体型樹脂製注射針の試作品

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・目標とする金属製注射針と同じ吐出性能と穿刺性能を持つ「シリンジ一体型樹脂製注射針」の試作品を完成することができた
・展示会出展によって、注射針の樹脂化による様々なニーズの発掘と、現状の金属針での課題や金属では難しい形状についての知識など、多くの情報を得ることが出来た
・注射針以外の医療機器や工業用途など、他分野への技術展開が可能であることが分かった

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・医療従事者の安全確保に貢献
‐注射針とシリンジを分別する際に医療従事者が誤って注射針を自分に刺してしまう事故(誤刺事故)の発生を防ぐことができる
‐誤刺事故による医療従事者へのウイルス(肝炎、エイズ等)の感染を防げるため、医療従事者の安全を確保できる
・注射針の廃棄処理における省力化を通じた医療サービスの質向上に寄与
‐シリンジと注射針を分別すること無く、かつ一般医療廃棄物としてそのまま焼却処理を行うことが可能であり、廃棄コストの大幅な低減が期待できる
‐使用後の廃棄処理時間を削減することで医療従事者がより付加価値の高い業務に注力でき、医療サービスの質向上につながる

今後の実用化・事業化の見通し

・穿刺抵抗をより低下させることによる無痛化を目指す
・早期事業化に向けてこれまでの研究体制を維持して補完研究を引き続き進めていく
・本研究開発で得られた「微細中空構造を持つ樹脂部品の製造技術」を他の業種・分野に展開し、プラスチック成形業界の発展に寄与しつつ世界に向けた情報発信を行っていきた

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社一倉製作所
事業管理機関 公益財団法人群馬県産業支援機構
研究等実施機関 群馬県立群馬産業技術センター 生産システム係 独立研究員 黒岩 広樹、生産システム係長 福島 祥夫、生産システム係 技師 岩沢 智之
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構物質科学研究センター 量子ビーム応用研究センター 研究副主幹 廣木 章博、量子ビーム応用研究センター 研究副主幹 長澤 尚胤、量子ビーム応用研究センター グループリーダー 田口 光正
株式会社一倉製作所 専務取締役 一倉 史人、製造部長 吉岡 洋一、技術課長 相川 宣久、技術部技術課 大場 篤、製造部製造課長 伊与久 広治、製造部製造課リーダー 小林 正
アドバイザー テルモ株式会社、学校法人日本工業大学、群馬大学医学部付属病院、長岡技術科学大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社一倉製作所(法人番号:6070001018070)
事業内容 プラスチック製品の成形および2次加工・組み立て、金型設計製作
社員数 45 名
生産拠点 群馬県
本社所在地 〒370-3504 群馬県北群馬郡榛東村広馬場1527
ホームページ http://www.ichikura-ss.jp/
連絡先窓口 代表取締役 一倉史人
メールアドレス soumu@ichikura-ss.jp
電話番号 0279-54-2222