複合・新機能材料
使用済みNa-S二次電池からからのナトリウムの電解精製プロセス技術開発により、ナトリウムの安定調達に貢献
北海道
野村興産株式会社
2020年4月14日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 使用済みナトリウム-硫黄二次電池からのナトリウムの電解精製プロセス技術開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、産業機械、半導体 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | 金属ナトリウム、高純度金属ナトリウム、ナトリウム精製、ナトリウム電解 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
変動の大きな自然エネルギーの電力貯蔵用として利用が拡大しているナトリウム-硫黄二次電池の使用済み電池から回収される金属ナトリウムは不純物を含み再利用できていない現状にある。この金属ナトリウムを電解精製することで不純物を取り除き、再利用可能な高純度金属ナトリウムとして工業的に回収できる電解設備の構築と電解プロセスを開発する
開発した技術のポイント
使用済みNa-S二次電池からの金属ナトリウムおよび多硫化ナトリウムの再利用技術の開発を行う
(新技術)
紫外光を可視光に変換できる波長変換機能を既存の系に付与することで、紫外光を活用する
(新技術の特徴)
・より多くの光を太陽電池に取り入れることができ、光電変換効率が向上
・紫外光を太陽電池に取り入れないため、材料の紫外光による劣化がない
具体的な成果
・金属ナトリウム電解装置の大型化
・金属ナトリウム供給及び高純度金属ナトリウム回収装置開発
・金属ナトリウムの濾過方法の開発および装置の開発
・電解槽内の電解液の入れ替え装置の開発
・電解液の再生技術
・高純度金属ナトリウムの生産
知財出願や広報活動等の状況
ナトリウムの製造方法(特開2018-9225(P2018-9225A))
研究開発成果の利用シーン
・使用済み金属ナトリウムの精製技術および精製製品
・電解精製により生産した高純度金属ナトリウム
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・使用済み金属ナトリウムのろ過精製技術を開発した
・金属ナトリウムを工業的に電解精製する大型の電解槽を製作し、高純度金属ナトリウムを電解精製することができた
・電解精製するにあたり、金属ナトリウムの電解槽への供給・回収装置、及び電解液の電解槽への供給・回収装置の開発を行った
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・金属Naの安定調達に寄与
‐これまで金属Naは、塩化ナトリウムから製造されており、また国内における生産が無いため、全てを輸入に依存していた
‐開発した金属ナトリウムの再利用技術により、金属ナトリウムのリサイクルが可能となり、さらに電解精製により高純度化を達成した
・使用済みNa-S二次電池の廃棄コスト削減に貢献
‐使用済みNa-S二次電池から発生する金属ナトリウムの再利用技術が増えることで、安定したリサイクルが可能となり廃棄量が削減できる
‐金属ナトリウムがリサイクルされることで、廃棄コストの削減が可能となる
今後の実用化・事業化の見通し
・今後の補完研究として、電解精製による製造量を増やしリサイクルコストを削減できるように電解精製技術を開発する予定である
・具体的には電極、金属ナトリウム、電解液間の電気抵抗の低減や電流密度の向上方法を検討する
・高純度の金属ナトリウムについて半導体分野での利用があり、更なる高純度化により供給の可能性を探っていく
・また安定生産により既存利用分野への供給も進めて行きたい
実用化・事業化にあたっての課題
販路開拓
事業化に向けた提携や連携の希望
高純度金属ナトリウムを使用した半導体製造を行う企業およびその技術開発を行っている大学にサンプル品を提供している。
高純度金属ナトリウムの利用が製造する半導体の品質に与える影響を調査中である。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 野村興産株式会社 イトムカ鉱業所 |
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事業管理機関 | 一般社団法人北見工業技術センター運営協会 |
研究等実施機関 | 国立大学法人北海道大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 野村興産株式会社(法人番号:8010001054020) |
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事業内容 | 廃棄物処理業 |
社員数 | 200 名 |
生産拠点 | イトムカ鉱業所 |
本社所在地 | 〒091-0162 北海道北見市留辺蘂町富士見217番地1 |
ホームページ | http://www.nomurakohsan.co.jp/ |
連絡先窓口 | イトムカ鉱業所環境技術課 表義仁 |
メールアドレス | omote@nomurakohsan.co.jp |
電話番号 | 0157-45-2911 |
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