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複合・新機能材料

溶媒可溶ポリイミドを用いた有機EL用バリア構造、フレキシブルエレクトロニクスへ展開

茨城県

ソルピー工業株式会社

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 溶媒可溶ポリイミドを用いた有機EL用バリア構造の試作
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 情報通信、スマート家電、半導体
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 平成25年度~平成27年度

プロジェクトの詳細

事業概要

有機EL材料の劣化防止のバリア構造の試作を行う。バリア構造としては、耐熱性と耐プラズマ性の最も優れた有機材料であるポリイミド緩衝層と、バリア特性の最も優れている原子層堆積法によるバリア層から成る複合構造とする。ポリイミド緩衝層は、透明性と密着性を両立した溶媒可溶ポリイミドで実現する。バリア層形成に起因する熱負荷をポリイミド緩衝層で受け止め、内部の有機EL層の熱負荷低減を実現する

開発した技術のポイント

樹脂基板に有機EL用の性能を満たす有機ELディスプレイの封止技術の更なる高度化
(新技術)
樹脂基板にバリア特性を持たせる無機薄膜を含めた複合化などの複合化技術
(新技術の特徴)
有機EL用の樹脂基板の4要件を満たす封止技術(ガスバリア性)が確立できる

具体的な成果

・開発した溶媒可溶なポリイミドは、透明性と密着性を両立した材料組成であり、波長400nmで透過率90%以上を達成し、更に、組成を改良することにより、波長380nmでも透過率90%以上を達成した
・これらの溶媒可溶ポリイミドの成膜に関しては、低沸点溶剤可溶のポリイミドを見出し、透明無着色な自己支持性フィルムの試作を行い、これらのポリイミドが、有機EL素子にダメージを与えないと考えられる
・100℃以下の処理温度で、基板への塗布工程と、ALD膜との良好な密着性を示すことを明らかにし、芳香族を主成分とする溶媒可溶ポリイミドにおいても、低沸点溶剤可溶のシリーズを見出し、保護(緩衝)膜としての耐熱性、信頼性の向上を実現した強度のあるポリイミド透明フィルムを得ることが出来た
・バリア膜の試作と評価に関して、酸化膜・窒化膜・複合膜の成膜レシピを構築し、目標のバリア性能を達成した

研究開発成果の利用シーン

・有機EL関連の材料およびプロセス技術、また関連する製造プロセス
・フレキシブルエレクトロニクスにおける、高機能フィルム

実用化・事業化の状況

製品・サービスのPRポイント

・有機ELにおいて劣化防止のために必要な、最高レベルのガス・水蒸気に対するバリア性能を持つています
・有機ELディスプレイに対応可能なガスバリア構造を実現しており、併せて、ポリイミドという耐熱性と信頼性の優れたポリマー材料の高度化により、次世代の有機ELディスプレイにおける、長寿命・薄型軽量化・高性能化に貢献していきます

今後の実用化・事業化の見通し

バリア膜の評価に関しては、質量分析法による標準的な手法で評価を行いましたが、バリア膜の高性能化に伴い、評価サンプルの大型化と評価時間の長時間化が進行しており、サンプルの小型化と評価時間の短縮が今後の課題です

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 ソルピー工業株式会社
事業管理機関 株式会社つくば研究支援センター
研究等実施機関 国立研究開発法人産業技術総合研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 ソルピー工業株式会社
事業内容 化学工業
本社所在地 〒300-1252 茨城県つくば市高見原5-27-1
ホームページ http://www.solpit.com
連絡先窓口 西尾一章
メールアドレス k.nishio@solpit.com
電話番号 029-886-5381