接合・実装
鉛含有高温はんだ代替のハイブリッド金属ナノ粒子ペーストによる環境調和型接合技術の開発
大阪府
大研化学工業株式会社
2020年3月17日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 耐環境性・高信頼性車載用電子実装に資するハイブリッド金属ナノ粒子ペーストの開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 自動車、半導体、エレクトロニクス、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、環境配慮 |
キーワード | 鉛フリー、ナノ粒子ペースト |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車等に使用される電子機器では鉛の使用が制限されているが、現状では高温用鉛はんだを代替する技術はなく鉛フリーの高耐熱性実装技術が求められている。本研究開発では、耐高温環境性および高信頼性を有する実装接合部を鉛フリーで実現することを目的として、粒子径の異なる銀ナノ粒子と銅ナノ粒子からなるハイブリッド金属ナノ粒子ペーストを新たに開発し、当該ペーストを用いた無加圧接合が可能な低温接合プロセスを確立する。
開発した技術のポイント
銀ナノ粒子と銅ナノ粒子の粒子径及び混合比を最適化し、無加圧接合が可能なハイブリッド金属ナノ粒子ペーストを開発する。当該ペーストを鉛含有高温はんだの代替材として用いることで、耐環境性と信頼性を兼ね備えた環境調和型接合プロセスを確立する
(新技術)
鉛フリーのハイブリッド金属ナノ粒子ペーストを代替材料に用いる
(新技術の特徴)
車載用電子機器に耐環境性と信頼性を兼ね備えた環境調和型接合プロセスが適用できる
具体的な成果
・ハイブリッド金属ナノ粒子ペーストの機能設計
-金属ナノ粒子の粒子径及び配合比、ペースト成分、接合プロセスの最適化を行った
・ハイブリッド金属ナノ粒子ペーストによる接合部の信頼性の向上
-接合部の耐イオンマイグレーション性、耐高温高湿性、耐熱疲労性を評価した
・ハイブリッド金属ナノ粒子ペーストのデバイスへの適用
-チップ接合部の強度特性を評価した
研究開発成果の利用シーン
・耐熱実装用ハイブリッド金属ナノ粒子ペースト製品
・ハイブリッド金属ナノ粒子ペーストを用いる電子部品実装技術
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・無加圧条件下で実用強度を確保するための基本的な接合技術については確立できた
・今後は実用化を想定した各種環境条件下での接合部(部品実装部)の信頼性評価に関して、更なる研究開発が必要となった
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・車載電子機器の完全鉛フリー化を実現、自動車のリサイクル性が向上
-鉛含有高温はんだの代替材として使用することで、従来は困難であった車載用電子機器のオール鉛フリー化を実現した
・部品数削減に貢献、低コスト化を実現
-デバイスの高温動作が可能になることから、エンジンルーム内における冷却用機器の小型化や部品数の削減が可能である
・パワーデバイスの高効率化・小型化による自動車の燃費向上
-従来よりも耐熱性に優れた高密度実装が可能になることから、Sic系パワーデバイスの高効率化・小型化が進展する
-ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)の燃費向上に貢献する
今後の実用化・事業化の見通し
・接合部の長期信頼性の評価に関する研究開発を進める
・電子部品の実装試験等により、ハイブリッド金属ナノ粒子ペーストを用いる実装技術を確立する
・車載電子機器以外の用途として、LEDのダイアタッチ接着剤などの耐熱性が必要な用途での利用が期待できる
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 大研化学工業株式会社 |
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事業管理機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究等実施機関 | 株式会社巴製作所 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 大研化学工業株式会社(法人番号:5120001015402) |
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事業内容 | 各種金属粉末、金属ペースト、導電塗料、導電性接着剤等の製造販売 |
社員数 | 51 名 |
本社所在地 | 〒536-0011 大阪府大阪市城東区放出西2-7-19 |
ホームページ | http://www.daiken-chem.co.jp |
連絡先窓口 | 先端技術研究部 垣内宏之 |
メールアドレス | kakiuchi@daiken-chem.co.jp |
電話番号 | 06-6961-6533 |
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