接合・実装
自動車のエンジン制御両面実装基板を高精度に検査するX線検査装置
大阪府
ポニー工業株式会社
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 実装基板検査に資する高度画像処理技術並びに検査装置の開発と最適化 |
---|---|
基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 自動車、光学機器 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車業界での高度電子実装基板の信頼性を検査するX線検査手法が確立されていない。特に両面実装した基板を高精度に検査する手法並びにX線検査装置は無く、自動車業界の強い要求である。本研究は独自開発のCDTEX線センサーと新しいCNX冷陰極X線源技術を利用し、透視画像の空間的配置関係を割り出す特徴量抽出法の開発、センサーやX線源空間的配置も含めた技術開発を行い、両面実装基板に対する適切な検査手法と装置の開発を行う
開発した技術のポイント
両面実装基板の表面実装部品の画像のみを抽出する検査技術の確立・高度検査に対応させるため独自技術であるCdTeX線センサーを改造・最適な光源(X線源)の選定と適正化・階調混在画像における特定部位抽出アルゴリズムの開発・検査装置のプロトタイプの開発(新技術)表面実装部品の画像のみを抽出(特徴)・空間位置情報を基にした画像処理技術による表裏各面の濃淡特徴量をとらえる・ラインセンサー方式で画像を取得するため、時間的にも全数検査に対応可能・装置の小型化、軽量化、低価格化
具体的な成果
・基板の画像取得に成功
‐X線TDIカメラの最適空間配置条件と画像読み出し速度の関係を把握
‐CdTeパネルは、直接変換方式を用いているため繊細な部分のX線透過画像を取得可能な一方、輝度補正を実施する必要がある
‐ソフトウェアの諸改良によってカメラの諸特性が改善され、基板画像の取得に成功
・CNX冷陰極を用いたマイクロフォーカスX線管を試作
‐最適な光源の選定について検討
‐直径60μmのスポットサイズを持つ反射型マイクロフォーカスX線管の試作に成功
‐透過型ターゲット、CNXカソード電極の高絶縁化、集束レンズの改良など、焦点径を小さくするための改良を行い、CNX冷陰極を用いた透過型マイクロフォーカスX線管の試作に成功
・裏面ハンダ画像の除去に成功
‐X線透過画像をもとに、両面実装基板の片面を撮影する方法について研究し、複数方向からの投影画像を用いたラミノグラフィによって、裏面ハンダ画像の除去に成功
‐機材の空間配置、センサー改良並びに透視画像における立体的配置を割り出す特徴量抽出法を統合し、アプリケーションソフトウェアを構築
知財出願や広報活動等の状況
出展:第28回エレクトロテスト・ジャパン(H23.1)、第13回実装プロセステクノロジー展(H23.6)
研究開発成果の利用シーン
X線透視画像を利用した電子回路のインライン検査機器であり、自動車エンジン等の電子回路基板(両面実装基板)作成時に生じるハンダや電極の欠陥をリアルタイムで計測
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H22年度に事業化に成功
・検査対象の電子回路等を提供いただければ実際に検査したデータを提供(有償)今後の見通し
製品・サービスのPRポイント
・管理能力向上(品質管理):欠陥品を確実に検出し、出荷不良品率を0%とする
・低コスト化:インラインでの検査をリアルタイムで行い、後工程での部品検査を省略可能
今後の実用化・事業化の見通し
既に工場の検査工程での利用が進む
・現在、電子回路実装を行っている工場の検査工程で利用が進んでおり、H23年度の発注に対応中
・また、X線透視画像を得るための軽量小型のX線源開発(冷陰極型)が別プロジェクトにより進行中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ポニー工業株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 一般社団法人研究産業・産業技術振興協会 |
研究等実施機関 | 株式会社ライフ技術研究所 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ポニー工業株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 〒541-0057 大阪府大阪市中央区北久宝寺町2丁目3番6号 |
研究開発された技術を探す