研究開発された技術紹介

一般のプリント基板に加え、航空機や自動車用のCFRP素材、SICウエハチャック、半導体プローブ、燃料電池、バイオ機器用超硬製微細金型等では、高能率・高精度微小穴開けの要求が高まっているが、従来のCO2レーザや超硬製ドリルでは不十分である。そこで、単結晶ダイヤモンド製マイクロドリルの超精密研削・研磨技術、微細形状の非接触オンマシン測定技術の開発を行い、単結晶マイクロドリルの試作評価を行い、実用化を図る

高精度、長寿命が実現できる単結晶ダイヤモンド製マイクロドリル及びそれを開発するために必要な技術や装置を開発する
(新技術)
微小な穴をあけるために、単結晶ダイヤモンドにねじれ溝を施したドリルを用いる
(新技術の特徴)
・微細工具でも、高い接合強度を確保できる
・切りくずの排出を良好にし、高切り込み加工が可能になる
・工具の振れが低減でき、破損しにくくなる

・単結晶ダイヤモンド製マイクロドリル研磨装置の開発
‐機上計測付6軸制御超精密研磨装置を完成させたうえで、その使用および運動性能を確認した
・単結晶ダイヤモンド製マイクロドリルの超精密研磨技術の開発
‐単結晶ダイヤモンドにおいて鋭利な刃先を成形する研削条件・研磨条件を導き出した
・マイクロドリルの非接触機上測定装置の開発
‐単結晶ダイヤモンド製マイクロドリルの研磨精度を検証するための非接触式計測プローブの開発のために必要な確認・測定を行った
・単結晶ダイヤモンド製マイクロドリルの試作と評価

・高精度・長寿命な単結晶ダイヤモンド製マイクロドリル
・マイクロドリルの研磨精度を高い精度で検証する非接触機上測定装置

・サポイン事業期間中の研究開発では、目標値以上の成果をあげることができた
・各分野から様々な単結晶ダイヤモンド工具の要望があった

・穴あけ精度の向上により、精度を必要とする新規用途への適用が可能
‐機上計測付6軸制御超精密研磨装置の開発・利用等により、マイクロドリルの穴あけ精度が向上した
‐精度が上がったことにより、従来は精度が足りずにマイクロドリルを利用できなかった加工に利用できるようになり、用途が拡大し、新規市場の開拓へと貢献する
・マイクロドリルの買い替えコスト削減に貢献
‐超硬合金材に1,250個の穴をあけた後でもマイクロドリルの折損がなく、また摩耗もごく僅かに抑えられた
‐同一のマイクロドリルを長期間使うことができるようになったことで、機器のメンテナンス・買い替え等のコスト削減が期待できる
・用途に応じたマイクロドリルの製品ラインアップ増加に貢献
‐従来困難であった、単結晶ダイヤモンド製マイクロドリルの研削・研磨を高精度でかつ容易に行えるようになった
‐同技術を製品開発に用いることで、単結晶ダイヤモンド製マイクロドリルの製品ラインアップが増え、用途に応じた製品の提供が可能になる

・工具については半導体関連メーカ、自動車メーカ、電機メーカ、レンズメーカ、金型メーカとのコンタクトをより一層拡大し、試作テストを受けながら各業界にマッチした工具形状の開発と加工技術の研究開発を行う予定である
・展示会への積極的な出展や客先への営業活動を通じ、製品のPRを推進する予定である
・複雑な工具形状や金型の計測器の販売を進めるため、計測装置についても工具と同様にテスト測定と展示会出展を進めていくことを目指す