複合・新機能材料
鉛フリーの無着色・低光弾性の高屈折率レンズが高輝度・高精細プロジェクタの製造を可能にし、売上拡大に貢献
長野県
株式会社コシナ
2020年3月21日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 鉛フリーの無着色・低光弾性の高屈折率レンズの開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮 |
キーワード | レンズガラス、無着色、低光弾性、鉛フリー |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
高屈折率レンズガラスの材料は、環境問題から鉛に変わり酸化チタン(TIO2)が導入されてきたが、黄色く着色し、かつ光弾性も大きく、結果、市場が限られているのが現状である。本開発は、ゾルゲル法により酸化チタン(TIO2)材料の極小化とガラス内の酸化チタン(TIO2)のドメインを小さく、かつ不規則性を少なくするためのガラス溶融条件の確立を図り、無着色、低光弾性のガラスを開発する
開発した技術のポイント
酸化チタンを低次元成長の酸化チタンに置き換え、新たに開発する溶融加熱装置により最適の溶融条件を探索して無着色・低光弾性の高屈折率レンズを開発し、得られたレンズガラスをプリズム成形加工して低光弾性のプリズム製品を作製する
(新技術)
低次元酸化チタンにより散乱がなく無色透明なガラスを実現し、誘導加熱方式を採用してガラス溶融時に温度コントロールの最適化を図る
(新技術の特徴)
鉛フリーの無着色・低光弾性の高屈折率ガラスが実現する
具体的な成果
・溶解加熱装置の開発・改良
‐急速加熱ができ、電熱加熱と比較して消費電力を1/5に抑える誘導加熱方式を採用した溶融加熱装置を開発した
・低次元成長の酸化チタンの合成
・ガラス溶融条件の最適化
・検証評価
・プリズムの成形と評価
研究開発成果の利用シーン
・鉛フリーの無着色・低光弾性の高屈折率レンズガラス
・リアルタイムな温度制御が可能な高周波誘導加熱方式を採用した溶融加熱装置
・低次元成長の酸化チタンを安定的に供給できる量産技術を活用したサービス
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・無着色・低光弾性のレンズガラスを、鉛を添加材としたレンズガラスと同等の特性にすることを目標としたが、着色は一部の中・長波長域に吸収があり、鉛ガラスの特性に達成しなかった
・今後の課題として、(1)誘導加熱方式によるガラス溶融量のアップ、(2)光弾性メカニズムの解明と光弾性目標値の達成、(3)3角柱状プリズムの成型条件の確立、がある
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・鉛フリーの無着色・低光弾性の高屈折率レンズにより、プロジェクタの高輝度が達成され、売上拡大に寄与
‐無着色の高屈折率レンズの開発によりレンズガラスの透過率アップが可能になり、プロジェクタの高輝度が達成される
‐他社製品と差別化された高性能なプロジェクタが売上拡大に貢献する
・誘導加熱方式を採用した溶融加熱装置が製造コスト削減に寄与
‐電熱加熱と比較して消費電力を1/5に抑える誘導加熱方式を採用した溶融加熱装置により、ガラス溶融の温度への到達が早まり、省エネ効果とガラスの低コスト化から製造コスト削減が期待される
今後の実用化・事業化の見通し
・「鉛フリーで、着色がなく、低コストの高屈折率ガラス」とセットメーカーに訴求する予定である
・光弾性特性は、メカニズム解明と並行して、ドメインの均一性に注力して早期に鉛ガラスに近いガラスを作る予定である
・事業化に向けて、本開発ガラスのプリズムの試作品をセットメーカーに早急に提供する
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社コシナ |
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事業管理機関 | 公益財団法人長野県テクノ財団 |
研究等実施機関 | ナビオ株式会社 国立大学法人信州大学 繊維学部 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社コシナ(法人番号:2100001012040) |
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事業内容 | 光学機械器具・レンズ製造業 |
社員数 | 454 名 |
生産拠点 | 長野県北信地方に4つ事業所を保有(中野事業所、飯山事業所、七瀬事業所、小布施事業所) |
本社所在地 | 〒383-8555 長野県中野市大字吉田1081 |
ホームページ | http://www.cosina.co.jp/ |
連絡先窓口 | 営業開発本部 第3設計グループ 長澤 圭祐 |
メールアドレス | k-nagasawa@cosina.co.jp |
電話番号 | 0269-26-1110 |
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