精密加工
表面性状、磨耗特性及び生体安全性にも優れるMOM型人工股関節の製造を可能にするマッチング研削システムを開発!
東京都
ミズホ株式会社
2020年4月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | マッチング研削システムによるMetalonmetal型人工股関節摺動面の高精度クリアランス制御 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上) |
キーワード | 高効率切削加工、高表面品位 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
安全・安心を実現する国産初のMETALONMETAL型人工股関節の加工システムの開発を行う。具体的には、ELID研削を基盤とした表面改質加工をキーテクノロジーとし、関節摺動面のクリアランスを任意に制御可能なマッチング研削システムを構築する。これにより、高機能で長期間安全に使用可能な画期的な人工股関節を作製することが可能となり、現状の初期磨耗を低減すると同時に摺動面の生体適合性を高めた次世代MOM型人工股関節の開発を行う
開発した技術のポイント
金属製の骨頭及びライナーの表面をELID研削を用いて高能率かつ高精度に加工する技術と、長期使用時における金属イオンの溶出を抑制する表面改質技術によって、長期的・安定的に低摩擦と低摩耗を実現可能とするMOM型の人工股関節を開発・実用化する
(新技術)
加工中(Insitu)に測定を行うとともに、ELID研削を行う
(新技術の特徴)
クリアランスのコントロールが可能となり、理想的な流体潤滑の実現と、表面の改善効果による長期的・安定的な低摩擦と低摩耗が実現可能になる
具体的な成果
・骨頭、ライナー、寛骨臼カップ形状の最適化
‐人間の骨盤モデルを用い、日本人への適合性を向上させたデザインを検討し、強度面も有限要素解析と実試験を複合させることで確立した
・高効率切削加工方法の検討
‐性能試験を実施しながら最適条件を見出し、工具交換の時間削減などにより最終的に従来よりも4倍の効率化を図ることが可能となった
・骨頭及びライナーのマッチング研削システムの構築
‐骨頭、ライナーの高品位、高機能、クリアランスコントロールの付与を可能とする専用加工機を作製すると同時に生産性を考慮した加工プロセスを確立した
・試作品の性能評価
‐専用加工機で作製した開発品の性能を調査し、磨耗特性及び生体への安全性の確認を行った
研究開発成果の利用シーン
・マッチング研削システムを活用して作製するMOM型人工股関節用の骨頭及びライナー
・マッチング研削システムを活用したOEM製造受託サービス
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・表面性状、磨耗特性及び生体安全性にも優れるMOM型人工股関節の製造が可能となった
・研削プロセスの確立により、低摩耗の実現に必要な骨頭・ライナー間のクリアランスコントロールが可能となった
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
安全な人工股関節の提供が可能
‐従来のMOM人工股関節で発生している、摩耗に起因する諸問題の解決が期待される製品および製造技術の提供が可能になった
・患者のQOL向上に貢献する製品及び製造技術の提供が可能
‐その他のMOM摺動部材の製造にも応用可能な製造技術を開発した
‐生産性を考慮した加工プロセスの検討により低コスト化を実現した
‐MOM製摺動部材の製造受託の可能性も模索中である
今後の実用化・事業化の見通し
・医療機器として販売するために必要な医療機器製造販売承認を得るにあたり要求される性能・安全性データを取得していく予定である
・その他のMOM摺動部材へ展開するための検討を行う予定である
・販売価格に見合う製造コストを目指して更なるコストの削減を行う予定である
実用化・事業化にあたっての課題
他社先行品が起こしたの市場でのトラブルにより,現時点で市場性が低い
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ミズホ株式会社 五泉工場 |
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事業管理機関 | ミズホ株式会社 |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 学校法人慶應義塾 国立大学法人宮崎大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ミズホ株式会社(法人番号:1010001007612) |
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事業内容 | 国内外へ向けた医療機器の製造及び販売 |
社員数 | 582 名 |
生産拠点 | 五泉工場(新潟県五泉市) 千葉工場(千葉県佐倉市) |
本社所在地 | 〒113-0033 東京都文京区本郷三丁目30番13号 |
ホームページ | http://www.mizuho.co.jp/ |
連絡先窓口 | 開発マーケティング部 整形外科G 和佐宗樹 |
メールアドレス | m.wasa@mizuho.co.jp |
電話番号 | 03-3815-3194 |
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