複合・新機能材料
新プロセスを導入した成膜装置により、安定的に入手可能な材料を用いた付加価値の高い透明導電膜の提供が可能に!
神奈川県
株式会社昭和真空
2023年2月4日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ITO代替透明導電膜のフレキシブル基板成膜プロセスの開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 産業機械、スマート家電、半導体、エレクトロニクス、印刷・情報記録、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | ITO膜、高透過率透明導電膜、フレキシブル基板、MG(OH)2-C透明導電性フィルム、基板表面処理 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
従来の希少元素からなるITO膜に替わる新しい高透過率透明導電膜を、フレキシブル基板上に形成する技術の開発である。スパッタおよび真空処理技術を利用したMG(OH)2-C透明導電性フィルムのガラス基板上への付着はすでに開発されているが、今回はこの膜をフレキシブル基板上に連続成膜するプロセス開発である。開発のポイントは基板表面処理、成膜条件設定であり、低コスト連続成膜の産業上の効果は大きい
開発した技術のポイント
フレキシブル基板に対応した、資源の枯渇のみならず安全性(発がん性)が懸念されるインジウムの使用を排除した透明導電膜の透明性、解像性の向上を主目的として、比抵抗1.0×10-4Ωcm以下、透過率90%以上のタッチパネル用ディスプレイ用透明導電性新素材によるフレキシブル基板成膜プロセスを開発する
(新技術)
従来の金属酸化化合物ではなく、水酸化マグネシウムMg(OH)2からなる金属水酸化化合物を透明導電材料の主成分とする
(新技術の特徴)
・枯渇によるインジウム価格高騰の影響を受けずに成膜することが可能になり、材料費の削減に貢献する
・高透過の透明導電膜が実現でき、より高性能な膜の提供が可能になる
具体的な成果
・Mg-C膜の長寿命化プロセスを実現する試験装置の開発
‐成膜条件と膜特性の安定供給技術を確立するプロセス開発を行った
‐フレキシブル基板上にMg(OH)2-C透明導電膜を連続成膜するための巻取式真空成膜装置を開発した
・フレキシブル基板の選択とMg(OH)2-Cとの密着性に関する要素技術の開発
‐寸法安定性が良いポリエステルやポリアミド基板を主体としたフレキシブル基板の選択や、成膜条件並びに成膜後の水酸化処理条件の最適化によるMg(OH)2-C膜の高機能化等を行った
知財出願や広報活動等の状況
特許出願なし。
研究開発成果の利用シーン
・フレキシブル基板上にMg(OH)2-C膜と保護膜を連続成膜することが可能な装置
・透明導電膜の成膜の受託サービス
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・フレキシブル基板上にMg(OH)2-C膜と保護膜を連続成膜する装置の開発は進んだが、Mg(OH)2-C透明導電
・今後も更なる装置改良と研究を継続して行う予定である膜の安定的な成膜条件の確立が課題となっており、現段階では事業化の見通しは立っていない
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・希少金属を用いない形での透明導電薄膜の成膜が可能になり、材料費の削減に貢献
‐水酸化マグネシウムMg(OH)2からなる金属水酸化化合物が主成分であるような透明導電膜及びその保護膜を、タッチパネル方式の端末などに生成できる装置を開発した
‐資源枯渇の観点から懸念されているインジウムの膜主成分としての利用を避けているため、インジウムの枯渇や枯渇によるインジウム価格の高騰の心配をすることなく、透明導電膜を安定的に供給できるようになる
・高性能な透明導電薄膜の長期間にわたる成膜が可能になり、用途拡大による売上増加に貢献
‐成膜される膜は、十分な透明性・導電性・寿命・密着性を有しており、長期間にわたり高い性質を維持できる非常に高い利用価値を有している膜であると言える
‐これまで透明性・導電性・寿命・密着性が足らないがために透明導電薄膜を利用できなかった用途にも透明導電薄膜を用いることができるようになる
今後の実用化・事業化の見通し
・太陽電池、タッチパネル用透明導電膜の事業化については、投資会社も含めた外部資金調達を行うことを計画している
・Mg(OH)2-C透明導電膜の安定な成膜条件が課題となっており、現段階では事業化の見通しは立っておらず、また当該研究開発で製造した装置は半量産設備としての規模であるため、当該設備を使って今後も更なる装置改良と研究を継続して行う予定である
実用化・事業化にあたっての課題
技術力。
事業化に向けた提携や連携の希望
共同研究を実施した大学に、引き続きご指導いただく。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社昭和真空 本社・相模原工場 |
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事業管理機関 | タマティーエルオー株式会社 |
研究等実施機関 | 学校法人東海大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社昭和真空(法人番号:9021001012619) |
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事業内容 | 「水晶デバイス装置」、「光学装置」、「電子部品・その他の装置」に向けた真空技術応用装置の製造・販売 |
社員数 | 190 名 |
生産拠点 | 神奈川県相模原市中央区田名3062-10 |
本社所在地 | 〒252-0244 神奈川県相模原市中央区田名3062-10 |
ホームページ | http://www.showashinku.co.jp/ |
連絡先窓口 | 技術本部技術開発部 布施 豊 |
メールアドレス | fuse@showashinku.co.jp |
電話番号 | 042-764-0332 |
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