精密加工
世界初の横型プリズムの量産技術を確立し超薄型一体化精密フィルムの量産技術
大阪府
サンテックオプト株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | スマートフォン向けバックライト用超薄型一体化精密フィルムの量産技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | スマート家電、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 薄型、複合、輝度向上、モバイル性、無溶剤 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
超薄型一体化フィルムは、薄膜フィルムを複合一体化させることで薄型化と軽量化を実現したものである。縦型プリズムは量産化されているが、横型プリズムは切削繋ぎ目やスジ、線傷が近くで見るスマートフォンなどの高精細ディスプレイ用途では視認される。本事業にて精密加工技術を駆使して、近くで見ても視認されない世界初の切削繋ぎ目、線状スジ、帯状スジの無い横引きプリズム用ロール金型の切削技術と量産化技術を開発する。
開発した技術のポイント
従来構造のフィルムの厚さに比べて1/2の薄さの複合一体化フィルムが提供できる。かつ、その薄さでもワーピング(波うち)のない一体化フィルムの開発に成功した。さらに従来の切削技術では不可能であった、繋ぎ目、線キズ、帯状ムラなどのない精密な横引き金型ロールの切削を可能とした。
具体的な成果
・精密・微細な切削加工技術の開発
-繋ぎ目や帯状スジ、線状スジ発生のない切削方法の検討を実施し、切削順序の変更、及びインポジションチェックを調整しつつ温度を管理することにより、目標であった金型の歩留まり90%以上を達成した。
・エア噛み発生のない成型方法の検討
-成型温度や速度、塗布厚みや精度より適切なダイの形状を設定することで、厚み精度0.5μm以内に制御した。さらにシム厚みを調整し、かつ塗液ポンプの周波数を調整することにより、成型速度10m/min.を達成。エア噛み発生のない成型方法を確立した。
知財出願や広報活動等の状況
超薄型一体化精密フィルムに要求される防眩や拡散パターンの形状や構造、プリズムパターン、およびプリズムシートとの一体化のための形状や構造に関する基本的な技術について、特許出願をし て 順次権利化させている。また、該製品の量産化技術についての包括的な権利を取得すべく特許出願をおこなっている。
研究開発成果の利用シーン
スマートフォンなど、小型化が付加価値となりうるディスプレイ分野。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
ハイエンドスマートフォン向け240億円市場がターゲットとなる。その為、製品メーカー、液晶パネルメーカーからの各種承認が必要。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
従来構造のフィルムの厚さに比べて1/2の薄さの複合一体化フィルムとなることで、ハイエンド端末等への付加価値付与が期待できる。
今後の実用化・事業化の見通し
・量産供給のための認定作業について
-当該製品を量産供給するためには、液晶パネルメーカーにおいて、当該製品の材料認定、製品認定が必要となる。材料承認とは、当該製品が液晶パネルに 使用する材料として信頼性スペックに適合しているかの評価試験であり。製品承認とは、当該製品を組み込んだ液晶モジュールで の信頼性評価試験となる。
・材料承認
-バックライトに当該開発した製品を装着し、加熱、加湿、加熱加湿の信頼性試験を実施し、初期状態と比較し有意差がないことを確認する。
・製品承認
-実際に量産するモデルでのバックライトに当該開発した製品を装着したあとに液晶パネルとモジュール化し、加熱、加湿、加熱加湿の信頼性試験を実施し、初期状態と比較し有意差がないことを確認する。
・試量産
-量産モデルでの製品承認を取得後、販売価格、納入スペックと締結後に試量産供給を開始する。 3ロット納入後問題なければ量産供給に移行する。
・承認手続きのスケジュール
-すでに、一部のモデルにおいて、材料承認・製品承認を取り付けているが、該製品の量産化における目処がたったことにより、モデル拡充をおこなうべき、メーカーにサンプルを配布する。新規のメーカーにおいては材料承認のための信頼性評価を依頼する。材料承認取得後は、モデル拡充するための製品承認試験を依頼する。
実用化・事業化にあたっての課題
当該製品の採用モデルを拡充する
材料承認・製品承認を取り付けるための評価用サンプルや試量産品の製造準備
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | サンテックオプト株式会社 |
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事業管理機関 | サンテックオプト株式会社 |
研究等実施機関 | サンテックオプト株式会社 有限会社サンライズマシン |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | サンテックオプト株式会社(法人番号:7150001004862) |
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事業内容 | 製造業 |
社員数 | 50 名 |
生産拠点 | 滋賀工場(滋賀県)、洲本工場(兵庫県)、池州工場(中国) |
本社所在地 | 〒542-0062 大阪府大阪市中央区上本町西5丁目3番5号 |
連絡先窓口 | サンテックオプト株式会社光学フィルム統括課 酒井潔 |
電話番号 | 0748-48-8088 |
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