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表面処理

電解クロムめっき皮膜中のクロムイオンを除去!環境規制に対応しためっきプロセスの開発

東京都

株式会社ワイピーシステム

2020年4月10日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 環境規制に対応した電解クロムめっき法の開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、産業機械、工作機械、エレクトロニクス、光学機器
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード 電解クロムめっき、3価クロムめっき、電解抽出、カーボンナノチューブ、低温黒色クロム(CBC)
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成22年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

ROHS等の環境規制に従い、電解クロムめっきは6価から3価クロムに代替が進んでいる。しかし、3価は皮膜特性が劣り、経時に伴い6価イオンに価数変化すると言う問題もある。本開発では、電解抽出法で電解クロムめっき皮膜中に残留するクロムイオンを除去し安全で皮膜特性に優れる金属クロム化するプロセスを確立する。これにより、電解クロムめっき部品を多用する各種業界での環境対応及び国際競争力などの向上に貢献する

開発した技術のポイント

電解抽出法を用いてクロムイオンを除去し、安全かつ皮膜特性に優れた金属クロム化プロセスを開発
・めっき皮膜に残留しているクロムイオンを完全除去
・廃液処理→洗浄工程を省略
・皮膜機能→従来品と同等
(新技術)
<電界抽出によるめっき工程>
(特徴)
・めっき後の水洗工程段階で抽出機能を付加することにより、クロムイオンを除去

・めっき皮膜は金属クロムまたは金属クロムとクロム酸化物。RoHSに対応可能

製品化に向けての取組
具体的な成果

・環境規制に対応可能な電解クロムメッキ膜生成装置を製作
‐被めっき物電解のための整流器、抽出性能をアップする超音波装置および電極を搭載したRoHS対応電解クロムめっき膜生成装置を設計・製作
・六価クロムイオンが残留せずに金属クロム化できる電解プロセス条件を確定
‐電解抽出条件を検討し、装置を用いて除去試験を実施
‐電流密度1A/dm2で2分以上、電流密度2A/dm2以上で1分以上電解抽出を実施することで、素材には関係なく、クロムめっき皮膜中の残留六価クロムイオンを除去できることを確認
‐電解抽出システムの導入で水洗段数を低減。めっき作業時間の短縮を実現
・電解抽出後も正常なめっき皮膜を形成できることを確認
‐抽出層の液温度、電解条件、超音波条件、時間経過による、抽出効率や表面状態の変化を検討
‐鉄、ステンレス、銅材それぞれについて試験を行い、電解抽出によって正常なめっき皮膜への顕著な影響は確認できず、めっき表面は正常な成膜が可能であることを確認

知財出願や広報活動等の状況

・論文:鍍金の世界「環境規制に対応した電解クロムめっき法の開発」(H24.5)
・出展:表面処理要素技術展2012(H24.2)
・受賞:経済産業書「元気なものづくり中小企業300社」(H21)

研究開発成果の利用シーン

・カーボンナノチューブ活用技術への展開
・電機、自動車部品関係での3価クロムめっきの応用拡大
・電解抽出技術のめっき分野以外への展開

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H24年度に事業化に成功
・試験版に開発した処理を行い、顧客へ提出したサンプル作成経験あり(無償で対応)

事業概要
提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、素材・部品製造、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・省エネルギー化、環境負荷削減→開発したクロムめっき法は被膜中の六価クロムイオンを抽出・除去することによって、RoHS規制値をした部品として提供できる
・低コスト化→3価クロムを使っためっき液と比較して40倍以上のコスト低減
・耐久性向上→酸化物クロムの析出比率を従来よりも向上させたことによって、耐候性が従来皮膜よりも50%以上向上

今後の実用化・事業化の見通し

半導体製造装置関連の受注が決定、量産体制確立を目指す
・川下企業へ試作品を提供し、評価を実施中
・川下企業から高硬度の黒色被膜の希望が出ており、耐候性、耐食性に優れ、かつ高硬度の黒色被膜の研究開発を行い、評価を実施する予定
・事業終了後、耐候性、耐食性の向上によって、半導体製造装置関係の受注が決まり、生産が開始されている。今後、生産体制の増強を行い、量産体制を確立する

実用化・事業化にあたっての課題

新規設備投資による生産性向上。販路拡大(商談会やマッチングの活用)

事業化に向けた提携や連携の希望

埼玉県産業振興公社の研究会参加。カーボンナノチューブ研究会、航空産業研究会など

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ワイピーシステム 本社事業所(埼玉県所沢市)
事業管理機関 一般社団法人首都圏産業活性化協会
研究等実施機関 有限会社テック 代表取締役岩永
国立大学法人秋田大学 資源工学部寺境教授
アドバイザー 高橋 武秀(日本自動車部品工業会、専務理事)、松浦 哲也(中小企業診断士)、萩野 賢司(東京農工大学 教授)、千明 武(千明特許事務所)

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ワイピーシステム(法人番号:1012701001984)
事業内容 ・電気めっきやアルマイトを主体とした表面処理加工・受託研究開発・研究開発した商品の製造・販売(環境関連装置・二酸化炭素消火具などの防災関連製品など)
社員数 33 名
生産拠点 本社事業所(埼玉県所沢市)
本社所在地 〒189-0003 東京都東村山市久米川町5-33-4
ホームページ http://www.yp-system.co.jp
連絡先窓口 代表取締役 吉田 英夫
メールアドレス maail@yp-system.co.jp
電話番号 04-2968-5700