複合・新機能材料
静電霧化法によって発生させた微細ミストを活用してVOCの排出を低減させ、広く環境負荷の低減に貢献
徳島県
ナノミストテクノロジーズ株式会社
2020年4月8日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 織染加工工程において排出される新規なVOC低減・回収技術の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 環境、電気、分離、濃縮、回収 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
織染工程で排出される工場排ガス内及び排水中VOCの対策装置、回収装置を開発する。本装置は、電気のみで稼働し、従来の熱的な方法よりも高効率に作動し、環境へのVOC排出阻止と廃液中のVOC回収分離およびリサイクルを一連の動作で行う。特に新規な静電方式による微細ミスト噴霧手段を有し、省電力量で稼働するだけでなく、装置導入コスト及びランニングコストも安価であり、使用VOC量の総量を低減することができる
開発した技術のポイント
低コストで様々な企業が導入可能なVOC対策装置・回収装置を実現
・VOC対策装置
-トルエン除去後濃度:100ppm以下
-酢酸エチル除去後濃度:150ppm以下
-IPA除去後濃度:200ppm以下
-年間ランニングコスト:20,000円/m3以下
-イニシャルコスト:450,000円/m3以下
・VOC回収装置
-VOC回収到達濃度:99.5%超
-配水中VOC除去率(下限値):200ppm未満
-VOC含有廃水霧化所要電力量(ランニングコスト):800kcal/kg未満
(新技術)
微細ミス都によるVOCの吸着及び回収
(新技術の特徴)
・イニシャルコストが低い
・ランニングコストが低い
・VOC吸着効果が高い
・二酸化炭素の排出に繋がらない
・疎水性溶剤からのVOC回収が可能
・装置規模が比較的小さく、省スペースで設置が可能
具体的な成果
・霧化により生成した微細ミストによってVOCを吸収
-超音波霧化法により生成した微細なミスト(発生条件を整えることにより、粒径をナノサイズとすることが可能)により、通常のスクラバーやマイクロバブルを用いた方式を超える吸収効果を発揮
-静電霧化法によって発生させるミストについても超音波霧化法の場合と同様、水ではマイクロオーダー、エタノールではナノオーダーのミスト粒径となることを確認。エネルギー効率は超音波霧化法に比べて10~200倍以上優れており、効率のよい微細ミストの生成が可能に
・霧化ユニットを高密度に組み込んだVOC回収装置の開発
-霧化ユニットを複数装着した霧化槽を設計・製作し、これを脱臭装置としてVOCの除去効果を確認
-適切な界面活性剤を微小液滴とすることで、小規模試験においてはトルエンの除去効率90%以上を達成
-VOCを吸着した微細ミストを捕集する独自の技術を開発し、高い脱臭効果を実現
-下水処理場において脱臭機能を試験し、硫化水素の脱臭効率90%以上を達成
・様々な企業が導入可能な、低コストのVOC対策・回収装置
-ランニングコスト、イニシャルコストを低減し、安価に導入を可能とするVOC対策・回収装置を実現した
-霧化ユニットの生産コストを抑えることで、ランニングコストやイニシャルコストは更に低減可能である
知財出願や広報活動等の状況
特許:「静電霧化装置霧の発生方法」(特願2012-844)、「分離装置、分離方法」(特願2012-845)
研究開発成果の利用シーン
工場で使用されるVOCガスを吸収、リサイクルすることを可能とし、工場内の環境改善、排出ガスの浄化を実現
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功し、H24年の事業化を目標に取り組む
・卓上型の実験設備と、現場レベルの小型実証機(有償)あり
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
・ロス削減:織染加工工程で使用されるVOCの総使用量の低減につながる
・省スペース化:装置の小型化を通じて、スペース有効利用に貢献する
・環境負荷削減:使用ユーティリティを節約しつつ、ランニングコストを削減し、環境負荷を低減する
今後の実用化・事業化の見通し
量産化に向け、製作コストの低減とともに、高効率の実用機の開発を目指す
・実用機の量産を視野に、装置の製作コスト低減
・実用機の展開に向けて、事業パートナーの選定や導入先の交渉などを具体的に推進
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社本家松浦酒造場 |
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事業管理機関 | 公益財団法人とくしま産業振興機構 |
研究等実施機関 | 徳島県立工業技術センター 国立研究開発法人産業技術総合研究所 国立大学法人名古屋大学 学校法人同志社 同志社大学 学校法人立命館 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ナノミストテクノロジーズ株式会社(法人番号:9480001006551) |
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事業内容 | 霧化分離装置-霧化ガス吸収装置(脱臭装置)の設計・製造・販売 |
社員数 | 7 名 |
本社所在地 | 〒772-0004 徳島県鳴門市撫養町木津字西小沖635番地1 |
ホームページ | http://www.nanomisttechnologies.com/ |
連絡先窓口 | 代表取締役 松浦一雄 |
メールアドレス | info@nanomisttechnologies.com |
電話番号 | 088-684-3399 |
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