精密加工
難削材を高精度・低コストで加工する技術を確立し医療、航空分野での製品化を目指す
奈良県
奈良精工株式会社
2020年4月7日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 難削材の高精度加工技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、航空・宇宙 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(精度向上)、高効率化(工程短縮) |
キーワード | 精度向上、工程短縮 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本申請は難削材の高精度加工技術の確立を目的とする。航空機部品及び医療機器製品は、難削材の加工方法の確立が高精度化を保証することであり、これらを低コスト化、軽量化したものが、常に川下企業より求められている。今回この難削材の高精度加工技術を研究開発することは、信頼性(航空機分野)と生体適合性(医療分野)のニーズに応えることであり、安定した測定技術の確保と共に本テーマの課題である
開発した技術のポイント
難削材Co-Cr-Mo、Ti-6Al-4Vを用いて人工骨頭、スフェリカルベアリング等を精密切削加工する技術を開発
・Co-Cr-Mo合金製品の切削加工→潤滑Ra=0.25μm、真球度10μm
・Co-Cr-Mo合金製品の研磨加工→潤滑面Ra=0.005μm、真球度0.5μm
・Ti-6Al-4V製品の切削加工→Ra=0.5μm、真球度5μm
・Ti-6Al-4V製品の研磨加工→Ra=0.01μm、真球度15μm
(新技術)
特徴
・摩耗の減少、生体適合性向上、部品の長寿命化
・難削材加工技術の高度化
・仕上げ工程の削減と安定化
具体的な成果
・精密切削加工に向けた加工技術の開発
-Co-Cr-Mo合金の骨頭形状及びTi合金スフェリカルベアリング形状等の切削加工技術の確立を目指した
-結果、前者で真球度4μm、表面粗さ0.05μm、後者で同1μm、0.07μmと目標を達成した
・精密研磨加工に向けた研磨技術の開発
-Co-Cr-Mo合金の骨頭形状及びTi合金スフェリカルベアリング形状等の研磨加工技術の確立を目指した
-結果、前者で真球度0.4μm、表面粗さ0.003μmと目標を達成。後者は同1.6μm、0.009μmと目標を一部達成した
・生体適合性向上の流体潤滑条件の確立
-振子法を用いた生体内関節環境を模擬したシステムを構築し、Co-Cr-Mo製人工骨頭と人工臼蓋を用いて摩擦係数の計測を行い、流体潤滑条件を見直した
-結果、半径隙間が33μmで摩擦係数最良値0.0486と流体潤滑を示す値を得た
知財出願や広報活動等の状況
・受賞:「KANSAIモノ作り元気企業100社」、「なら発もの作りオンリーワン企業」(H22)
・論文:「金属同士を摩擦面とした人工股関節の潤滑特性に及ぼす形状パラメーターの影響」([J0204-2]バイオトライボロジー(2))、「硬い材料同士の摩擦面を有する人工股関節の加工精度と流体潤滑性能」(OS-2(1)人工関節のバイオエンジニアリング(2))
研究開発成果の利用シーン
工数短縮するための安定した研究成果を出すことが出来なかったが、球体を切削するためのバラツキは丸駒チップ(切削刃物)の精度で決まり、丸駒チップの切削限界を知ることが出来た。また、ガラス研磨における球体研磨の限界も知ることができた。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
令和5年度頃の実用化を目指す
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
精度向上→Co-Cr-Mo合金の切削加工精度(最良値として、真球度4μm、表面粗さRa0.05μm)、研磨加工精度(真球度0.4μm、表面粗さRa0.003μm)、流体潤滑(半径隙間33μmで摩擦係数0.0486)を確保
今後の実用化・事業化の見通し
切削・研磨加工の精度向上に向けた補完研究を継続中
・精密切削・研磨加工の安定した精度確保のため、実用研究を継続。人工股関節では流体潤滑を目指した商品化の研究、スフェリカルベアリングではチタン合金による軽量化を目指した製品化の補完研究を継続中
・切削加工精度向上に向け、丸駒チップのr精度が確保されているチップを検討中。
・新たな研磨設備を現在検討中
・スフェリカルベアリングはH32年4月の実用化を目指す。実用化後は、ベアリングメーカーへの販路開拓を狙う
実用化・事業化にあたっての課題
丸駒チップ(r精度重要)の安定した品質確保、新たな研磨設備の購入、スフェリカルベアリングの安定した品質確保
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 奈良精工株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人奈良県地域産業振興センター |
研究等実施機関 | 学校法人北里研究所北里大学 医療衛生学部医療工学科 セルテスコメディカルエンジニアリング株式会社 |
アドバイザー | 川崎重工業株式会社 各務原工場 元工場長 榊 達朗 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 奈良精工株式会社(法人番号:6150001009441) |
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事業内容 | 光学機器、OA機器、医療機器、輸送関係の部品加工及びその他精密部品加工、医療機器では、歯科用インプラント材、整形外科用インプラント等がある |
社員数 | 47 名 |
生産拠点 | 現住所 |
本社所在地 | 〒633-0101 奈良県桜井市小夫3681 |
ホームページ | http://www.nara-seiko.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役 中川博央 |
メールアドレス | hiroo.nakagawa@nara-seiko.co.jp |
電話番号 | 0744-48-8511 |
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