精密加工
切削加工が不要な高精度を実現する携帯機器用導光板金型の微細加工技術
福島県
株式会社東北電子
2020年4月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | インクジェットを用いた導光板用超微細金型製造技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上) |
キーワード | マイクロレンズ、導光板、インクジェット、樹脂インク、微細金型 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成29年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
携帯機器用導光板金型の微細加工技術は、機器の薄型化により、顧客より要求される微細加工のレベルは、従来の機械加工によるものづくりの限界を超える精度を要求されている。このような微細加工を切削加工せずに、要求精度より高い加工を行うことを目的とした新金型加工技術を本研究にて構築する。加工された金型は、厚み0.2mm以下の導光板金型としても使用できる精度を持つことを目標とする
開発した技術のポイント
導光板厚み100μmに対応したマイクロレンズ形成技術を開発し、最終的には電鋳型を作成することができる技術を確立する(目標:マイクロレンズの直径15μm高さ0.85μmとし、24時間以内に100万個形成)
(新技術)
微少液滴インクジェット装置からの樹脂インク吐出により、基板上へのマイクロレンズを形成
(新技術の特徴)
吐出安定性及びUV硬化性を向上したインクを用いてマイクロレンズを高速かつ安定的に形成
具体的な成果
・マイクロレンズ成形用インクの開発
‐微少液滴インクジェット装置より吐出するインクに対して、表面調整剤の添加量を調整することなどにより、直径15μm高さ0.85μmの微細なレンズを開発し、24時間以内に100万ドットを高速かつ安定に形成できた
‐インクを吐出する樹脂版にUV硬化後に平均膜厚715nmの撥水用樹脂をコーティングできるようにし、吐出したインクにより接触角13度で真円形のレンズを形成できた
・導光板製造装置の開発
‐レーザー測長の機能を活用して、インクジェット先端からワークまでの距離は常に一定となる機構を実現した
‐インク吐出量を画像で観測しながら滴量を補正するソフトウエアを開発し、吐出液を滴量に安定化させた
‐酸素阻害の影響を受けずに、高出力UV-LED照射器で新開発インクを紫外線硬化させる環境を確認した
‐ユーザーがインク開発に活用できる、カートリッジへのインク充填システムを開発した
研究開発成果の利用シーン
・導光板製造装置
・マイクロレンズを形成した電鋳金型
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
来社されるお客様に随時製品紹介を行い、興味・関心を頂いている。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・マイクロレンズ用インクの特徴
‐UV-LED照射器で硬化可能
‐電鋳金型製造工程に耐える、密着性の高い撥水膜用の樹脂・導光板製造装置
‐24時間以内に100万ドットを形成可能
‐吐出ムラの無い、安定する印刷フロー
‐最適な窒素ノズルの方向‐角度を探り、高速かつ安定してレンズを硬化
今後の実用化・事業化の見通し
・開発した技術で形成した基板自体が導光板として使用でき、製作した電鋳型による成型も可能なことを確認した
・今後、液晶部品を開発する企業に対して導光板製造装置の販売を図る
・マイクロレンズを形成した金型マスター版の委託製造の事業化を検討する
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社東北電子 株式会社SIJテクノロジ |
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事業管理機関 | 公益財団法人福島県産業振興センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社東北電子(法人番号:5380001016606) |
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事業内容 | 医科・歯科用特殊ランプ、導光板等の製造 |
社員数 | 19 名 |
本社所在地 | 〒972-8338 福島県いわき市中部工業団地2番3 |
連絡先窓口 | 製造部 渋川達弘 |
メールアドレス | tshibukawa@mcp-hybec.co.jp |
電話番号 | 0246-72-1601 |
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