精密加工
高いサポート力とトルク追従性を持ち、手技のストレスを低減するNi-Tiガイドワイヤーの開発
福井県
株式会社ジャロック
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 眼鏡枠微細加工技術を用いた医療デバイス及び細線加工装置の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | ガイドワイヤー、TiNi合金、トルク追従、テーパー加工、細線 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
三大生活習慣病の血管形成術に用いるガイドワイヤーの需要は増大している。製品には高い機能性・安全性を必要とするものの、従来の加工法では先端のテーパー部に再現性が乏しく、改善が求められている。そこで、眼鏡枠製造技術で培われた金属微細加工技術を活用し、安全性は基より高機能・再現性あるカテーテル用ガイドワイヤーを開発するとともに、細線高強度化加工およびテーパ加工が行える一連の生産ライン装置を開発する
開発した技術のポイント
スウェージング加工技術を適用し、安全性とともに直進性などの機能性を併せ持つガイドワイヤーを開発
・直進性→長さ1800mmに対し、曲がり量8mm以下
・スウェージング加工条件→先端部径0.1mm(新技術)
<基部及びテーパー部:スウェージング加工>
特徴
・剛性を高める調整が可能
・表面が滑らか
・トルク性を高められる
具体的な成果
・直進性と安全性を持つガイドワイヤーを製作
-直線加工装置を用いてスウェージング加工ガイドワイヤーを作製
-折り曲げ試験の結果、全長に渡り脆性破断を生じないことを確認
-長さ1,800mmのガイドワイヤーに対し曲がり量8mm以下をクリア
-引張試験の結果、十分な剛性を持ち、安全性が高いことを確認
・スウェージング加工によって、ガイドワイヤー先端部φ0.1mmを達成
-ガイドワイヤーの基部φ0.34mmから先端部φ0.1mmへのテーパー形状の成型を、スウェージング加工で実施
-スウェージング加工率を工程ごとに評価し、工程を分けることで、先端部の目標線径φ0.1mmを達成
・開発品とベンチマーク品との特性評価を行い、高い機能を確認
-市販の材料をガイドワイヤーの形態まで仕上げたものと、現行販売品の特性評価を実施
-剛性測定(3点曲げ)の結果、製作したガイドワイヤーは、現行販売品と比較して約20%の剛性向
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「ガイドワイヤ用芯線及びその製造方法」(特願2011-502759)
研究開発成果の利用シーン
高いサポート力とトルク追従性を持つNi-Tiガイドワイヤーによるカテーテル治療での手技のストレス低減
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功、H26年度の事業化見込み
・臨床試用サンプルではなく、モデル評価やタッチ評価可能なサンプル有り
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・強度・剛性向上→開発したNi-Tiガイドワイヤーは、現存のNi-Ti合金製のガイドワイヤーよりも20%以上高い剛性を持つ
・その他→本ガイドワイヤーはNi-Ti合金製でありながら、ステンレス製のものと遜色ないトルク追従性を保持
・耐久性向上→本ガイドワイヤーには強加工が加えられているが、硬さと柔軟性の勾配を持たせ、脆さを抑制
今後の実用化・事業化の見通し
H26年8月の事業化に向け、量産時の実用研究と製品設計・試作・評価試験を実施中
・サポイン事業において積み残した量産時における実用研究を引き続き継続。それに並行して製品設計・試作を実施中
・現在、量産時における品質の安定性、安全性について、最終形状まで製品化し、評価試験を実施中。また製品剛性が一部現行品よりも上回る値となったため、その要因研究を継続中
・H26年8月の事業化を目指す。製造販売元は株式会社パイオラックスメディカルデバイスとなり、全国の医療機関などに供給される予定
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ジャロック |
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事業管理機関 | 公益財団法人ふくい産業支援センター |
研究等実施機関 | 株式会社パイオラックスメディカルデバイス 国立大学法人東北大学 福井県工業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ジャロック(法人番号:9210001001562) |
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事業内容 | CNCスウェージングマシンの設計・製造・販売、スウェージング加工の試作、スウェージング金型製造・販売、各種塑性加工部品製造・販売 |
社員数 | 42 名 |
本社所在地 | 〒919-0321 福井県福井市下河北町22-1 |
ホームページ | http://www.jaroc.co.jp |
連絡先窓口 | 製造2課 山本将弘 |
メールアドレス | yamamoto@jaroc.co.jp |
電話番号 | 0776-38-6500 |
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