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バイオ

「無塩味噌」の醸造技術開発に成功~味噌の概念を超えた全く新しい発酵食材としての可能性~

新潟県

石山味噌醤油株式会社

2020年3月22日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 無塩味噌醸造技術及び新規穀類発酵食材の製造技術の開発ならびに発酵物の利用特性の把握
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 食品
産業分野でのニーズ対応 高性能化(健康向上)
キーワード 無塩、高血圧、食塩摂取制限
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成22年度~平成24年度

プロジェクトの詳細

事業概要

食品業界では、伝統的な米を中心とした粒食から小麦を中心とした粉食への消費者の嗜好変化への対応が求められている。本事業では、多様な酵母等の優先繁殖条件を特定、その活用ライブラリーを構築し、優先繁殖を利用した無塩の味噌醸造技術と味噌のカテゴリーを超えた発酵物製造技術を開発することで、新商品開発に取り組む川下製造業者に製品調整が容易で、多様な発酵特性と用途に応じた物性を持つ新規食品素材を提供する

開発した技術のポイント

味噌醸造過程での品質劣化微生物等の繁殖を、食塩を使用せずに抑制する技術を確立する
(新技術)
・食塩を使用せずに抑制する
・従来とは異なる原料配合比や麹菌を使用する
(新技術の特徴)
従来の味噌のカテゴリーを超えた新しい発酵食品が製造でき、川下での用途拡大や新製品開発が進む

具体的な成果

・無塩味噌醸造技術の確立
‐工場規模において安定的に製造可能な無塩化技術を確立した
・新規穀類発酵食材製造技術の確立
‐当無塩化技術が、有塩下では使用できなかった多様な発酵微生物にも適用可能であること及び無塩化における旺盛な発酵により、従来味噌と比較し大量の呈味成分や機能性成分を生成可能であることを明らかにした
・発酵物の利用特性の把握
‐味覚データを取得し、無塩味噌がバラエティーに富む味を表現する新規食材となる可能性を見出した
‐無塩味噌を食材として米粉生地に練りこむ技術を確立し、米加工品の物性改善効果を確認した

無塩みその特性を活かした商品開発①
無塩みその特性を活かした商品開発②
無塩みその特性を活かした商品開発③
知財出願や広報活動等の状況

特許第5919457号 「大豆発酵食品及びその製造方法」 特許権者:新潟県、石山味噌醤油株式会社

特許第6051808号 「無塩発酵味噌を含む米加工食品の製造方法」 特許権者:国立大学法人新潟大学、石山味噌醤油株式会社

研究開発成果の利用シーン
塩分0%味噌風調味料

・無塩味噌醸造技術
・いわゆる「無塩みそ」(一般小売用500gカップ、業務用)
・無塩大豆発酵食品(加工用)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・特許を2件出願した
・事業化の詳細は「今後の実用化、事業化の見通し」の通りである

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

・従来の味噌とは異なり、無塩で発酵させるアプローチ
‐本来味噌は、雑菌の繁殖を抑えるため食塩を必要とするが、本開発品は、仕込みの段階から食塩を全く使わずに発酵させるというこれまでにないアプローチである
・バリエーションが豊富
‐米と大豆の配合比を違えたり、これまで使えなかった味噌酵母以外の多様な酵母の使用が可能で、風味の強化やバラエティー化に対応できる
・アミノ酸が豊富
‐無塩下で旺盛に発酵が進み、様々なアミノ酸が大量に生成される食品の物性改善効果がある
‐パン生地に練り込めば良く膨化し、麺製品であればしなやかになる
・量産化に対応可能
‐工場規模においても安定した製造が可能な技術で、事業化が容易である
・汎用性があり、新発酵食材としての可能性
‐単なる一つの調味料としてだけでなく、これまでになかった全く新しい発酵食材としての可能性を秘めている

今後の実用化・事業化の見通し

一般小売は平成26年1月に開始し、業務用についても順次対応する予定である。また、無塩味噌を素材として使った新商品も、新潟地域の各食品メーカーから生まれる予定である
<見込まれる用途>
・従来の味噌の代替として/無塩であるため、減塩食生活を求める方におススメである
・健康志向の高い米・大豆発酵食品として/塩分を気にせず、発酵食品の効果を取り入れられる
・業務用加工食品全般に/加工調整が容易で、新しい風味や機能を付加する素材として新製品開発に活用できる

実用化・事業化にあたっての課題

実際に塩分0%味噌風味調味料を取り入れた食事を続けた場合の人による効果試験を行いたい。

事業化に向けた提携や連携の希望

3.3に挙げた人試験を新潟大学医学部と共同研究を検討中である。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 石山味噌醤油株式会社 月潟工場
事業管理機関 公益財団法人新潟市産業振興財団
研究等実施機関 石山味噌驢ャ油株式会社
株式会社タケショー
新潟県農業総合研究所食品研究センター
国立大学法人新潟大学
アドバイザー 江川技術士事務所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 石山味噌醤油株式会社(法人番号:7110001001269)
事業内容 食品製造業
社員数 18 名
生産拠点 月潟工場:新潟市南区西萱場478
本社所在地 〒950-1303 新潟県新潟市南区西萱場478
ホームページ http://www.ishiyama-miso.co.jp
連絡先窓口 本社:新潟市南区西萱場478
メールアドレス takero@ishiyama-miso.co.jp
電話番号 025-375-4799