接合・実装
溶接の良否を判定し、溶接不良低減を可能とするインライン判定システムの開発
千葉県
株式会社NISHIHARA
2020年3月23日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | レーザ溶接数値化アルゴリズムでのインライン判定システムの開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械、電池、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | レーザ、溶接、モニタリング、良否判定、フィードバック |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成21年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
レーザ溶接を用いた生産では品質及び信頼性の向上が課題である。従来技術では目視検査や抜取り破壊検査が必要であり多大な時間とコストが掛る。有限会社西原電子ではこれまでにレーザ溶接の良否を数値化したアルゴリズムを構築した。この技術が装置化できればインプロセスで溶接良否を判定でき、さらに欠陥部を再修復させる適応制御技術を構築することで、溶接不良を全く出さない画期的な新技術となり大幅なコスト削減が実現できる
開発した技術のポイント
溶接不具合品の高精度な検出アルゴリズムと、不良品を良品へと修復させる適応制御機能の開発
・溶接不具合品判定→ステンレスの薄板重ね溶接時の隙間検出
・適応制御機能→溶け込み深さ安定、アンダーフィル抑制
(新技術)
数値化アルゴリズムによるインライン判定システム+適応制御機能
特徴
・全数検査が可能で、信頼性が高い
・溶接中に欠陥を検出、また溶接時に不良品を良品に修復し、欠陥品の生産を防ぐことが可能
・インライン検査で、不具合を瞬時に解明。速やかに条件再設定などを実施可能
具体的な成果
・判定システムにより、溶接時に微小な隙間を検出可能に
‐開発したインライン判定システムで、ステンレス薄板重ね溶接時の隙間検出の可否を試験
‐重ね溶接に隙間がある場合、赤外光は上板の厚みまでレーザが到達したとき、0.1mm程度の隙間の有無で顕著に波形強度に差がでるため、微小な隙間の検出が可能であることを確認
‐重ね溶接時の隙間は、波形の時間的傾向を調べることで、隙間が大きくなるほど波形積算値が増加していく傾向であることを確認し、隙間の大きさを定量的に測定可能に
・波形処理装置に適応機能を搭載し、不良品を修復するシステムを開発
‐適応制御機能を波形処理装置内に追加。実稼動加工ラインに近い環境での動作を確認
‐メガネフレーム製造用チタン材突合せ溶接時に100µmの隙間があるとき、適応制御により安定した溶込み深さを得ることが可能に
‐アンダーフィル深さは、適応制御により半分程度の深さに低減できることを確認
‐他社製品との適応制御機能比較実験の結果、他社製品と同等の機能を有しながらも、専門知識が不要で使い勝手の良いシステムであることを実証
知財出願や広報活動等の状況
・新聞:日刊工業新聞(H24.9.24)、西日本新聞(H24.9.30)など
・受賞:千葉県庁「千葉ものづくり認定製品」(H24)
・特許:「欠陥電極検出装置」(特開2012-6036)
研究開発成果の利用シーン
元来目視検査や抜き取り検査によるレーザ溶接品質検査を全数数値的に検査できるようにしたことにより、加工品質が安定し、川下ラインへの不良品流出を未然に防ぐことが可能となる。また、フィードバック機能により、欠陥自体を未然に防ぐ加工方法を構築することができるようになった。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年度に事業化に成功
・実用の可否を評価するためのデモ機あり
・顧客の要望に応じた後継機を開発済み、生産ラインにも導入実績(年間数十台程度の販売規模)
・事業時の派生技術も製品化している
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、試験・分析・評価
製品・サービスのPRポイント
・精度向上→本装置の適応制御機能により、レーザ溶接時の溶込深さのばらつきが従来の1/2程度に低減
・強度:剛性向上→溶接部の熱放射光から接合強度を推測でき、一定強度以下の接合強度不良品の市場流出を防止
・納期・製作時間短縮→溶接不具合を全点自動検知するため、従来の事後検査が不要になり、生産時間を短縮
今後の実用化・事業化の見通し
すでに製品出荷を実施している一方、機能追加のための継続研究を実施中
・可視光での溶接不具合検出について、現在ユーザと共同で実用の可否を見極めるための継続研究を実施中
・溶接欠陥のモニタリング技術を蓄積し、また近赤外線2波長での測定を利用した温度換算機能の追加も検討し、より定量的に溶接現象を解明できる装置開発を目指す
・数社に本事業で開発した製品の出荷が完了し、実用化達成。ユーザ社内でデモ等によるさらなる事業化が進行中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 有限会社西原電子 東葛テクノプラザ開発室 |
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事業管理機関 | 公益財団法人千葉県産業振興センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人大阪大学 株式会社シャルマン |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社NISHIHARA(法人番号:6040002095995 ) |
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事業内容 | 電気機械器具製造業 |
社員数 | 10 名 |
生産拠点 | 千葉県柏市柏の葉5-4-19 東大柏ベンチャープラザ102号室 |
本社所在地 | 〒277-0885 千葉県柏市西原6-8-30 |
ホームページ | https://nishihara2017.co.jp/ |
連絡先窓口 | 代表取締役 中山孝良 |
メールアドレス | nakayama-taka@msv.nishi-den.co.jp |
電話番号 | 04-7192-7827 |
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