精密加工
常時補正制御型マイクロNC旋盤による微細長尺加工技術により、複雑形状に対応した加工の提供が可能に!
茨城県
株式会社エムテック
2020年3月27日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 常時補正制御型マイクロNC旋盤による微細長尺加工技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、航空・宇宙、産業機械、情報通信、半導体、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮) |
キーワード | 微細加工、一体加工、切削条件開発 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
カプセル内視鏡のカメラ回転軸部品を例とする長尺複雑形状部品のNC旋盤での加工の場合、被削材の熱変形や弾性変形が要因となり、制御値と実切削値に差異が発生し、高精度化や更なる微細化への技術的課題となっている。そこで本開発では、微細長尺加工に適した切削工具及び切削条件の確立と、CCDカメラを用いたリアルタイムによる補正技術を開発することで、NC旋盤による微細長尺複雑形状加工の実現を目指すものである
開発した技術のポイント
切削工具の開発と補正制御システムの二段構えでの加工を用意することによる、複雑形状加工品の弾性変形を抑制した加工技術を開発する(64チタン・C3604・SUS303においてΦ0.5×10.0mmが目標値)
(新技術)
・常時補正制御型マイクロNC旋盤による微細長尺加工技術を開発する
・弾性変形の解決として、切削工具の開発と補正制御システムの二段構えを用意する
(新技術の特徴)
・部品の小型化と低コスト化が可能になる
・高い加工精度と生産性が、共に実現される
具体的な成果
・微細加工用マイクロNC旋盤による高精度な切削加工技術の開発
‐マイクロNC旋盤を使用し、微細加工に特化した切削条件と切削工具を開発した
・微細長尺複雑形状加工サンプルの量産切削加工技術の開発により、量産切削加工技術の開発と試作品を評価
・半導体装置用極小ニードルの試作実施
・次世代型高精度マイクロモーターの試作実施による加工条件の抽出
・光学レンズ製造装置のニードル試作
研究開発成果の利用シーン
・小型化かつ高精度が要求される医療系デバイス、部品
・チタン材による手術鉗子用微細加工、純金材による電気メス、医療用分析装置のニードル等
・マイクロモーター用の軸、特殊プローブ等
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・微細加工に特化した加工条件と工具開発は、最適な条件下で加工することで、弾性変形率を最小に抑制することができ、基礎研究の目標は達成した
・ただし、補正制御の出力は、電圧誤差による微小な誤作動が確認されたため、サポイン事業終了後は、出力の仕方を原理的に見直すことにより実用化を目指す
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
‐精度不足や曲がりといった不良品の頻発を回避することで、コストを抑えた製品の製造が可能である
‐サイズは素材径6mm以下で下記の加工が可能である64チタンΦ0.08×0.8mm(アスペクト比10倍)C3604Φ0.1×2.5mm(アスペクト比25倍)SUS303Φ0.2×12.0mm(アスペクト比60倍)
・加工技術の応用可能性の拡大
‐NC旋盤にて完結できるので、多種多様な形状に対応可能である
・部品・製品劣化の防止による付加価値の提供
‐本補正制御システムには画像処理を用いて機上測定も行なっており、手に触れることなく検査が可能で、製品劣化を防げる
‐また、全ての製品において測定データの添付が可能でトレーサビリティーも容易である
今後の実用化・事業化の見通し
・次世代型マイクロニードルなどの極小部品において、量産前の加工条件抽出に活用
・設備がきっかけで国内大手企業の開発部門やドイツ企業からも受注している
・医療機器系展示会でのPRにより、ドイツ企業から継続して受注できていることと、それが縁で医療機器(術具)の開発も行われ、現在は早々の上市を目指している
実用化・事業化にあたっての課題
・タイアップしたNC旋盤メーカーの技術者の退職
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社エムテック |
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事業管理機関 | 公益財団法人日立地区産業支援センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人茨城大学 茨城県産業技術イノベーションセンター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社エムテック(法人番号:3050001006625) |
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事業内容 | NC旋盤による精密切削部品加工 |
社員数 | 16 名 |
本社所在地 | 〒312-0036 茨城県ひたちなか市津田東2-1-3 |
ホームページ | http://www.m-tech61.com/ |
連絡先窓口 | 代表取締役 松木徹 |
メールアドレス | toru.m.tech61@mocha.ocn.ne.jp |
電話番号 | 029-272-4310 |
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