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精密加工

切削速度の向上および低水圧を実現!超音波振動を付加した高効率WJシステムの確立

愛知県

株式会社ROSECC

2020年3月21日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 超音波振動を付加したウォータージェット切削システムの開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 自動車、半導体、工作機械
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)
キーワード WJによる切断加工
事業化状況 研究中止または停滞中
事業実施年度 平成21年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

ウォータージェット(WJ)は、自動車部品等の切削に多用され、更なる活用が期待される一方、超高圧水発生に要するエネルギー消費や部品消耗によるコスト高などの課題を抱えている。本研究開発は、WJの超高圧水に超音波振動を付加する事で切削能力を飛躍的に向上させ、それにより上記課題を解決する。また、従来回転刃を使用してきた電子基板の切削にWJを応用し、切削時の熱による加工不良の低減と電子基板の曲線加工を実現する

開発した技術のポイント

超音波振動式WJシステムの開発により、切削能力向上を目指す
・切削速度向上:(複合材切削:1,000mm/秒→1,300mm/秒)
・低水圧切削の実現:(300mPa→220mPa)
・オリフィス径の細小化:(0.203mm→0.152mm=8/1,000inch→6/1,000inch)
(新技術)
<超音波振動を付加したWJ切削技術>
・ノズル中間部の超音波振動体による振動で切削部に繰り返し衝撃力が加わる
(特徴)
・切削速度の向上→生産性向上
・低水圧切削により、様々な負荷低減
・オリフィス径の細小化で、高精度切削を実現

具体的な成果

・切削速度の技術目標1,300mm/秒を上回る1,400mm/秒を達成
‐複合材の切削において、WJノズルを超音波で加振させることにより切削能力が向上し、切削速度を高めても切削が可能と判明
‐245mpa、オリフィス径8/1,000inch、送り速度1,000mm/秒の条件下において、28kHzおよび
・40kHzの分離タイプによる加振で切削可能となることを実証
‐技術的目標値の送り速度1,300mm/秒の達成とそれを上回る1,400mm/秒での切削を実現
・280mpaまでの水圧低下における切削性の維持を達成
‐オリフィス径6/1,000inch、送り速度2,000mm/秒の時、40kHz分離タイプにおいて加振させた場合、圧力を280mpaまで低下させても切削可能
・加振により最小オリフィス径での切削能力向上も可能
‐同一オリフィス径(6/1,000inch)での切削能力比較において、40kHz分離タイプで加振すると、加振なしの場合に対して、送り速度を300mm/秒から600mm/秒に速めることができた
‐6/1,000inchオリフィスを加振させると切削能力は8/1,000inchオリフィスレベルに近づくことが判明
・加振有無での切削能力比較(条件:245mpa、8/1,000inch)
~加振なしの場合(b)の最速送り速度1,000mm/秒に対し、
・40kHz分離タイプにより加振させた場合(a)の最速送り速度は1,400mm/秒と切削速度が向上~
・AWJの基板切削試験による280mpa時の切削可能な最低条件の導出
~研磨材を混入するAWJ切削試験において、(a)は切削速度140mm/秒、(b)は100mm/秒で基板上に銅箔剥離が発生したため、ポンプ吐出圧力280mpa時の切削最低条件を導出~

知財出願や広報活動等の状況

・特許:「振動ウォータージェット加工装置」(特願2009-154577)
・出展:中部ものづくり基盤技術展(H23.12)

研究開発成果の利用シーン

自動車や電子機器等の電子基板の加工に有効であり、切削速度の向上および切削水圧の低減により電気料、水道料等を含めたランニングコストを低減する

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・実用化に成功
・サンプルなし

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理

製品・サービスのPRポイント

・省エネルギー化:光熱費5%低減
・耐久性向上:ポンプ能力低下に伴う消耗品の耐久性向上
・開発中止停滞中

今後の実用化・事業化の見通し

補完研究によりコスト低減等の課題を解決し、商品化・市場投入を急ぐ・判明した未達成点や課題解決のための補完研究を今後も継続し、WJシステムのより一層の最適化を図っていく・研究開発において効果自体を確認できているものもあるが、フィールドテストやランニングテスト等によるコストと改良を継続し、将来的な商品化、市場投入を目指す・開発中止停滞中

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ROSECC 本社ラボ
事業管理機関 公益財団法人名古屋産業科学研究所
研究等実施機関 株式会社シロック
学校法人名古屋電気学園愛知工業大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ROSECC(法人番号:8180001003191)
事業内容 産業用ロボットを駆使したFAシステム、ウォータージェット・ルーター等を使用したカッティングシステムの企画、設計、製作、販売
社員数 20 名
本社所在地 〒465-0025 愛知県名古屋市名東区上社5-406
ホームページ http://www.rosecc.jp
連絡先窓口 システム部 坂本正樹
メールアドレス m-sakamoto@rosecc.co.jp
電話番号 052-704-3800