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接合・実装

金属クラッド帯板の品質を保証!超音波共振法による接合界面の欠陥検出技術

東京都

株式会社特殊金属エクセル

2020年4月10日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 金属クラッド帯板の接合界面評価システムの開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)
キーワード クラッド、非破壊検査
事業化状況 研究中止または停滞中
事業実施年度 平成21年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

車載固定抵抗器の製造には、異種金属をクラッドした帯板材が使用されており、自動車部品用材としての高度の品質保証が要求される。しかし、クラッド接合界面の品質を全長にわたって保証するためには、X線や超音波探傷など、従来の非破壊検査法では設備が高価で生産性が悪い。そこで、部品探傷では研究が進んでいる超音波共振法を応用する技術開発を行い、クラッド帯板の検査ラインに組み込める品質保証システムを構築する

開発した技術のポイント

長尺の金属クラッド帯板接合界面の品質評価システムの構築
・接合不良欠陥の検出
→直径1mm以上
・検査速度
→5m/min
(新技術)
超音波共振法
・安価
・迅速、簡便
・正確な把握

具体的な成果

・共振測定装置において必要な張力制御精度を解明
‐金属クラッド帯板の超音波共振を有限要素法でシミュレーションするモデルを構築
‐材料支持方法が共振に大きな影響を及ぼすことが示され、実際の共振測定装置において必要な張力制御精度が判明
‐剥離位置と剥離有無の影響を区別するための詳細な解析が必要であることが示された
・共振測定装置を製作
‐長尺材を部分支持して、共振を測定する装置を製作
‐長尺材の共振測定は、支持条件によって共振状況が異なるため、さらに安定した最適支持方法を検討する必要がある
‐その支持条件と支持体に挟まれた部分の共振特性の関係、各共振モードの簡便な同定法を検討する必要がある
・プロトタイプ探傷機を製作し、検証実験
‐予備的に振動媒体の機能を確認した上で、プロトタイプ探傷機を設計製作し、クラッド実検査ラインでの検証を実施
‐1mmの接合欠陥を検出するためには、振動子やロールと材料との接触状態の最適化を図り安定した共振波形が得られる方法について検討が必要
‐共振モードの同定方法を検討する必要がある

知財出願や広報活動等の状況

・特許:「長尺物の非破壊検査方法及び検査装置」(特願2010-286023)
・論文:Wakako Araki a,n, Kota Uchiki a, Yoshio Arai a, Mitsuyuki Tanaka, ""Effects of interface stiffness and delamination on resonant oscillations of metal laminates"", NDT&E International 43 (2010) 297–304、内木浩太,荒木稚子,荒居善雄,「超音波共振を利用した複層金属板の界面評価」,日本機械学会M&M2009材料力学カンファレンス(H21.7)

研究開発成果の利用シーン

自動車電子機器基盤に実装される電流検出用固定抵抗器に用いられる金属クラッド帯板の接合界面品質評価と欠陥の検出を行うシステム

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H26年度の実用化に向け、補完研究を継続
・試作機なし

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

・管理能力向上(品質管理):今まで探傷できなかった長尺帯板クラッド界面の接合品質が保証できる
・安定供給化:品質が安定し、安定供給に結びつく
・新素材・新方式の実現:金属以外でも、各種の複合材料帯板に応用可能

今後の実用化・事業化の見通し

現状では検出精度に課題があり、他の検出方式についても並行して検討を進めている

実用化・事業化にあたっての課題

検出精度の向上

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社特殊金属エクセル 埼玉事業所
事業管理機関 株式会社特殊金属エクセル 埼玉事業所
研究等実施機関 国立大学法人埼玉大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社特殊金属エクセル(法人番号:4013301025421)
事業内容 冷間圧延業
社員数 223 名
本社所在地 〒171-0031 東京都豊島区目白1-4-25
ホームページ http://www.tokkin.co.jp
連絡先窓口 新機能材料開発本部 蛭田修平
メールアドレス s-hiruta@tokkin.co.jp
電話番号 0493-65-4030