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接合・実装

自動車等のねじ締結部の信頼性向上をもたらす緩みにくい新形状高強度ボルト

愛知県

有限会社アートスクリュー

2020年3月24日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高信頼性と緩み防止機能を併せもつ新形状ボルトの開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、スマート家電、建築物・構造物、半導体、工作機械、光学機器、物流・流通
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上
キーワード ねじ、ボルト、緩み止め、疲労強度、軸力
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成21年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車や携帯機器など振動を受ける製品の信頼性に大きく関わるねじ締結部の信頼性向上を目的とし、緩み防止効果を有する高信頼性ボルトを開発する。具体的には、ボルトねじ山を特殊な形状とすると同時に谷部にR部を設け、締め付けた際に、ねじ山部を起き上がるように変形させることにより、噛み合い全域で高い接触圧を発生させ、高い緩み防止効果を発揮させる。これとともに強度や疲労特性も向上させる

開発した技術のポイント

開発したボルト(ねじ)「モーションタイト」の優れた性能及び特長」
・ねじ山の弾性反発力による強力な緩み防止力 - ケルン大学(ドイツ)や日本メーカーのユンカー試験のデータあり
・ボルトの疲労強度1.2倍 - 引張疲労強度1.2倍、引張疲労寿命1.5倍 名古屋市工業研究所のデータあり
・軸力のバラツキ1/2 - 通常ボルトの軸力のバラツキの1/2程度に収まる
・焼き付き防止 - おねじ山頂部からの接触により摩擦熱が集中しない
・頭飛び防止 - 接触座面に応力が集中しないため座面陥没を防ぐ
・弾性相互作用による軸力低下を防止 - ねじ山の弾性変形により軸力の低下や片当たりを防ぐ
・平均化されたねじ山の荷重分担率により高い軸力を保持 - はめあい長さを増やすことで軸力の増加
・転造で製造できるので低コストでの量産が可能
・締め込み時に摩擦トルクが発生せず、作業性が良い
・通常のボルトと互換性がある
・接着剤が使用できない高温の環境でも使用できる
・大径、小径の多様なサイズに対応できる

具体的な成果

・単体で高い緩み防止効果を発揮する新型ボルトの開発
‐ボルトのねじ山の形状を工夫し、締め付け時に弾性変形させることにより、かみ合い率が向上
‐米国航空規格NAS3350に準拠した振動試験で高強度区分のボルトが17分間(3万回転)緩まないことを確認
・疲労強度の高いねじ締結技術の確立
‐引張強度については、JISB1052準拠の引張破断荷重試験で、標準ボルトと同等(約1.0倍)の強度を実現
‐疲労強度については、JISB1081準拠の引張疲労試験で、強度区分8.8、12.9ボルトともに、標準ボルト比1.2倍の強度を実現
・効率的な量産に向けた知見の導出
‐転造加工に適した成形用金型について、材料、表面処理、成形条件等について検討し、加工時間短縮につながる知見を得た
・新型ボルトのねじ山構造-ねじ山の弾性変形により、はめあい第一ねじ山にかかる最大荷重が他のねじ山にも分散され、緩みにくく折れにくい構造を実現
・派生研究
-疲労強度1.5倍のねじ山形状を開発中、完成すれば、ボルトのダウンサイジング、コンパクト設計が可能となり、製品の軽量化に大きく貢献可能

知財出願や広報活動等の状況

・メディア発表:2019.9.23 金属産業新聞  2019.9.12 雑誌ファスナーワールド(英語版、中国語版)  2018.8.27 中部経済新聞 など
・特許:[国内特許]第4806103号・第4878407号、[海外特許]9か国で取得 、「意匠]国内外で16件取得 [商標]国内で3件取得

研究開発成果の利用シーン

自動車・産業機械・建築構造物などに、低価格で緩みにくく疲労強度が向上した新形状ボルトが使用されることにより、製品の安全性を低コストで確保できる。また、ボルトの小型化が可能となるため、軽量化への寄与、小型設計の実現、頭部形状(六角ボルトから皿ねじへの変更)の変更などにより、デザイン性の向上も見込める。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

エンドユーザー:自動車関連メーカー、半導体製造装置メーカー、工具メーカー、物流倉庫メーカー、電気メーカー、設備メーカーなど多数
テスト中:航空宇宙関連メーカー、自動車メーカーなど
海外ねじメーカーと製造販売契約済み:台湾1社、ベトナム1社

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・緩み防止:ユンカー試験2,000サイクルで軸力80%以上維持、NAS式振動試験で17分間3万回転緩まず
・高強度:JIS準拠の疲労試験で標準ボルト比1.2倍の強度を達成
・低価格:転造加工のねじ山成形により同種製品中で最安値
・荷重の平均化:はめあい3山の集中荷重をはめあい全ねじ山に荷重分散、アルミダイキャスト締結に最適
・軽量化の実現:ボルトのダウンサイジングによる軽量化、コンパクト設計による軽量化

今後の実用化・事業化の見通し

・アルミ合金ボルトの疲労強度を向上させるねじ山形状の開発中、鉄製ボルトの疲労強度を1.5倍まで向上させるねじ山形状を開発中
・今後さらに、タッピングのモーションタイトを開発予定            

実用化・事業化にあたっての課題

現在、開発中の疲労強度1.5倍のねじ山形状は自動車メーカーと組みたいが、取り組み可能な部署の選定が難しい

事業化に向けた提携や連携の希望

・深く取り組みができる自動車メーカーとの提携を希望
・インプラント業界でアバットメントスクリューを製造する企業と提携希望

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 有限会社ゼンコー
事業管理機関 公益財団法人名古屋産業振興公社
研究等実施機関 有限会社アートスクリュー
株式会社八幡ねじ
株式会社岡本
名古屋市工業研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 有限会社アートスクリュー(法人番号:7180002053699)
事業内容 緩み止めボルトの開発及び製造・販売
社員数 2 名
生産拠点 愛知県小牧市  その他、製造販売の契約先が大阪に3カ所、台湾1か所、ベトナム1か所
本社所在地 〒462-0832 愛知県名古屋市北区生駒町3-67-1
ホームページ Http://www.artscrew.co.jp
連絡先窓口 代表取締役 松林興
メールアドレス info@artscrew.co.jp
電話番号 052-915-3295