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研究開発された技術紹介

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精密加工

金型の低コスト・短納期を目指して金型素材に樹脂を採用し、金型コスト低減、部品点数の削減を達成

石川県

株式会社北日本テクノス

2020年3月23日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 大型成形部品の多品種少量生産に適した油圧プレス用簡易金型製造技術の構築
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 自動車
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、低コスト化
キーワード 簡易金型、樹脂製金型
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成20年度~平成22年度

プロジェクトの詳細

事業概要

大型車両川下製造業者の抱える課題及び要請として、金型コストの低減、部品点数の削減、多品種少量生産への対応及び車両モデルチェンジサイクルの短縮等が挙げられる。そこで、金型の低コスト化や短納期化を可能とする新素材・新製造技術の研究開発を行う。本研究開発では、簡易金型の素材として樹脂に着目し、多品種少量生産に適し、且つ耐久性、耐摩耗性、強度に優れた樹脂製金型製造技術の確立を目指す

開発した技術のポイント

・耐久性、耐摩耗性、強度に富んだ樹脂製金型製造技術の開発
‐樹脂製金型の耐久性、耐摩耗性、強度の向上→ショット数3,000回以上に耐えうる樹脂製金型を開発
‐樹脂製金型の表面材樹脂とコアの材料開発→表面材樹脂とコアの圧縮弾性率の差異を最小限に抑え表面材樹脂とコアの剥離を防止
‐金型製作期間の短縮→金型生産方式の高度化により金型製作期間を従来の40%以上短縮
・ニーズ
‐金型の低コスト化や部品点数の削減
‐車両モデルチェンジサイクルの短縮
(新技術)
・ZASを用いないため、型コストが低減できる
・型精度が高く、成形品の外観品質も高い
(目標)
・金属製金型の型製造コストと比較して30%以上削減
・金属製金型の製造リードタイムと比較して
・40%以上削減
・プレス成形数3,000回以上

具体的な成果

・耐久性、耐摩耗性、強度に優れた樹脂製金型製造技術の構築
‐樹脂製金型のき裂発生には、表面材樹脂とコアのひずみ差に関連があることを解明
‐雰囲気温度の変化によって生じる樹脂製金型内部の応力を緩和するため、表面材樹脂部とコア部(樹脂製金型の内部を構成する部位)の間に緩衝材層を設け、樹脂製金型(SidePanel型)を開発
‐この樹脂製金型の使用により、金属製金型と比較して、30%以上のコスト削減が達成できた
・複数部品一体成形技術への対応
‐樹脂製金型による複数部品の一体成形を行った。その結果、部品点数5点の一体成形(バッテリーボックス)、14点の一体成形(メンバーアッシーフロント)、13点の一体成形(サイドパネル)を達成した
・樹脂製金型の形状変化への対応
‐各生産技術要件型の100ショット毎におけるDieR部(樹脂製金型の凹型の縦面と横面で構成された角のR)及びCornerR部(樹脂製金型の凹型の縦面2面で構成された角のR)の摩耗量を測定
‐この結果、DieR部及びCornerR部ともに目標値を満たす樹脂製金型の形状を見出した
‐開発した表面素材樹脂は耐摩耗性に優れており、実用化用の表面素材樹脂として活用が可能である
・SidePanel(バス用部品)の一体成形
~大型観光バスで用いられているSidePanelは大型であるため、本研究開発で一体成形したSidePanelは原寸大から1/3に縮小して一体成形を行った~

知財出願や広報活動等の状況

・出展:ビジネス創造フェアいしかわ2019(R1.5)
・新聞:北国新聞(H30.11.27)

研究開発成果の利用シーン

多品種少量生産用の金型として用いられ、従来の金属製金型費と比較して30%以上の削減を実現する

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・H23年度に実用化に成功
・樹脂製金型・プレス成形品サンプルあり

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造

製品・サービスのPRポイント

・低コスト化:開発した樹脂製金型により、従来の金属製金型費の30%以上削減が可能
・多品種少量生産:型費を削減することが可能であるため、多品種少量生産品に適している
・軽量化:樹脂製金型により、複数部品の一体成形が可能であるため、部品点数の削減(軽量化)が可能

今後の実用化・事業化の見通し

事業化に向け、研究開発成果のアピール・継続研究を実施
・川下企業へ研究開発成果をアピールし、見積り作成等を行っている
・樹脂製金型のき裂対策として、樹脂製金型の構造を3層構造としているが、更なるコスト削減のため、2層構造でもき裂が発生しない樹脂の開発を継続している
・機器設備の購入が終了し、共同研究者であるジェイ・バス株式会社小松工場へのプレス品の販売を予定している。さらに、県外のジェイ・バス株式会社宇都宮工場への販路拡大を図る

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社北日本テクノス
事業管理機関 公益財団法人石川県産業創出支援機構
研究等実施機関 日新レジン株式会社
ジェイ・バス株式会社
学校法人金沢工業大学 高度材料科学研究開発センター
石川県工業試験場

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社北日本テクノス(法人番号:8220001011900)
事業内容 (1)バス、建設機械等の薄板板金部品の製作からアッセンブリーまでの社内一貫製作、(2)バス、建設機械部品組み付け治具の製作、(3)建設機械部品の検査治具の設計および製作、(4)各種鋳造用樹脂製金型の製作
社員数 133 名
本社所在地 〒923-0152 石川県小松市五国寺町ホ102-2
ホームページ http://www.nj-technos.co.jp/
連絡先窓口 生産技術部 酒田謙一
メールアドレス k.sakata@nj-technos.co.jp
電話番号 0761-47-1182(代表)