精密加工
プレス用パンチの製造・ランニングコストを大幅に低減
宮城県
キョーユー株式会社
2020年3月16日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 安価でメンテナンス性に優れたプレス用金型(パンチ)の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 環境配慮、低コスト化 |
キーワード | プレス金型、分割パンチ、低コスト化、短納期、エコ |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成18年度~平成19年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車部品のプレス加工で使用される金型において、高寿命化とメンテナンス性の向上が両立でき、ランニングコストを大幅に削減可能な、新しい構造を持つ抜き及び曲げパンチの設計・製造技術の開発となる。さらに曲げパンチの3次元形状の創成において、高コスト化の要因である従来の機械加工とは異なる、全く新しい手法を開発して製造コストの大幅な低減を実現する。
開発した技術のポイント
地域企業群の持つ精密プレス金型の製造技術を活用し、ランニングコストを低減させる、抜きパンチの設計・製造技術の開発を実施。
製造やメンテナンスのコストが高い三次元形状を持つ曲げパンチにおいて、低コスト化と短納期化を同時に実現する製造技術を開発。
具体的な目標値は以下のとおり。
《抜きパンチ》
1. パンチの製造費が従来品と同等。
2. 刃先寿命が従来品の4倍以上で、年間のランニングコストが従来品の25%以下。
3. 刃先のメンテナンスが容易で現場の作業員が行えること。またメンテナンス作業時間が従来の1/12以内で完了できること。
4. パンチの寿命が3500万ショット以上。
《曲げパンチ》
5. 三次元刃先形状の作製費がパンチ全体の費用の20%以下。
6. 刃先寿命が従来品と同等。
7. 従来品の1/5以下の納期で三次元刃先形状が作製できること。
具体的な成果
《抜きパンチ》
1.パンチの製造費が従来品と同等。
→4種類の抜きパンチを試作し、従来品の76.4%~99.4%の製造費を実現。
2.刃先寿命が従来品の4倍以上で、年間のランニングコストが従来品の25%以下。
→刃先寿命は従来品と同等程度に留まった。
3.刃先のメンテナンスが容易で現場の作業員が行えること。またメンテナンス作業時間が従来の1/12以内で完了できること。
→パンチの構造を新たに設計することにより容易なメンテナンス性を実現。ただし目標値を達成するには順送型全体の設計変更が必要とな り、本開発では50%の時間削減に留まった。
4.パンチの寿命が3500万ショット以上。
→機械的特性評価試験機により繰り返し荷重試験を行い、1種の抜きパンチについて1200万サイクルまで問題なく耐えることを確認。
《曲げパンチ》
5.三次元刃先形状の作製費がパンチ全体の費用の20%以下。
→製造コストは非常に安価であるものの、高額な素材を使う必要があるなどの問題があり目標は未達であった。
6.刃先寿命が従来品と同等。
→機械的特性評価試験機を使った簡易的な試験を行ったところ、パンチの一部に変形が生じたが、従来品と同等の使用に耐え目標を達成した。
7.従来品の1/5以下の納期で三次元刃先形状が作製できること。
→新しい三次元形状創成技術により粗形状で従来の1/15~1/20の時間で作製可能。仕上げや後加工を含めても1/5は達成可能と試算される。
知財出願や広報活動等の状況
・自社ホームページへの掲載・東北経済産業局
・みやぎ優れMONO発信事業 ホームページ掲載
・東北経済産業局 サポインマッチナビ東北掲載
・宮城県産業技術総合センター 実用化製品事例集掲載
研究開発成果の利用シーン
大物・薄物への応用展開が可能。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・抜きパンチについては実際に量産型として製作し、川下企業の実機による加工・耐久テストを継続して実施。実機テストは実用化のための品質保証試験の位置づけであり、長期的な使用に耐えることが証明され、事業化に至った。現在は、同様の自動車部品製造企業へパンチの売込みを図るほか、電気・電子部品プレス関連企業への販路拡大も視野に入れ、大物対応など応用展開を行っている。
・曲げパンチでは、パンチの製造過程で使用する素材が高コストのため事業化に課題を残す結果となった。そのため技術の他用途展開も視野に入れて研究開発を継続している。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作
製品・サービスのPRポイント
・使用するほど大幅なコスト低減(材料の種類・厚さ:SPC440・t1.0/加工条件:10工程順送型)
・廃棄が減るため環境にも配慮
今後の実用化・事業化の見通し
・川下企業との取引を足がかりに、同系列の自動車部品メーカーに売り込み、売り上げの向上を目指す。
・よりプレス荷重の大きいもの、より精密な加工が要求されるものなど、付加価値の高いパンチの実現を目指し、事業の拡大に結びつける。
実用化・事業化にあたっての課題
・刃先寿命の向上(プレス加工に最適な、素材及びコーティング材の選定)
・メンテナンス時間及びランニングコストを、さらに低減できる構造の開発
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | キョーユー株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人みやぎ産業振興機構 |
研究等実施機関 | 株式会社折居技研 株式会社セイワ工業 東北特殊鋼株式会社 トヨタ自動車東北株式会社(現:トヨタ自動車東日本株式会社) 宮城県産業技術総合センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | キョーユー株式会社(法人番号:2370201000124) |
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事業内容 | 省力化機械装置及び金型・治工具の設計製作 |
社員数 | 92 名 |
本社所在地 | 〒987-0006 宮城県遠田郡美里町関根字新苗代江149-1 |
ホームページ | http://www.kyoyu.jp/ |
連絡先窓口 | キョーユー株式会社 常務取締役 高橋廣行 |
メールアドレス | info@kyoyu.jp |
電話番号 | 0229-34-2329 |
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