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情報処理

もうもうサポートシステム

茨城県

株式会社ヒューマンサポートテクノロジー

2026年2月12日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 カメラ映像から牛の異常な状態(発情、下痢等)を推定する牛状態管理システムの開発
基盤技術分野 情報処理
対象となる産業分野 農業
産業分野でのニーズ対応 高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード 発情検出、健康管理、安全管理、動線分析、画像認識
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

国内の畜産農家の数が減少する中、一農家あたりの畜産牛頭数は増加しており、経営の大規模化が進んでいる。本事業では、ベテランスタッフの目の代わりを目指し、牛に負担をかけず、カメラ映像をコンピューターで解析し、牛の個体識別と牛の行動及び牛と牛の位置関係から牛の状態(発情、下痢など)を推定し、牧場スタッフに通知するシステムを開発した。これらを実現するための新技術として、AIによる牛の個体を識別する技術と牛の行動から状態を推定する技術の高度化を行った。

開発した技術のポイント

・カメラ映像による牛群の個体識別技術
-水や飼料を食べる場所に専用のカメラを設置し、顔の形、耳標で識別
-牛房(一区画)ごとに識別でき、最大20頭の識別が可能

・牛のトラッキング技術
-1台のカメラ映像内で90%以上のトラッキング精度を実現
-3台のカメラ映像内で98%のトラッキング精度を達成

・牛の部位識別技術
-尻と頭の認識率70%以上を達成

・牛の状態推定技術
-発情の特徴的な動作である「乗駕(マウンティング)」を検出するアルゴリズムを開発
-牛の検出+動作推定により高速処理が可能な状態推定方法を実現
-発情検出の誤検出を5%以下、下痢の牛を100%検出することを達成

・防塵・温度対策が可能なエッジコンピューター筐体の開発

具体的な成果

・個体識別技術: 牛の個体を90%以上の精度で識別することを達成(目標98%の識別が可能)
・トラッキング技術: 1台のカメラ映像内で90%以上、3台のカメラ映像内で98%のトラッキング精度を達成
・部位識別技術: 尻と頭を70%以上の精度で認識
・状態推定技術: 発情と検出した牛のうち発情ではなかった牛(誤検出)の割合を5%以下、発情していたのに発情と検出できなかった牛の割合5%以下を達成、下痢の牛を100%検出
・牛管理システム: データの蓄積、検索システム及び牛の状態をビューワーに通知するシステムが正常に動作することを確認
・実証試験:牧場にて個体識別、状態推定を行い、寒冷地の釧路市営牧場でも動作することを確認

個体識別技術
トラッキング技術
部位識別技術
状態推定技術
牛管理システム
実証試験
知財出願や広報活動等の状況

特許出願を行った。査定されると牛を含めた動体に対する状態判定方法を権利化することが可能となる。
・出願特許
発明の名称: 動体の状態管理システム
出願番号: 特願2025-011110
出願日: 2025年1月27日

この特許は、牛の状態を推定するAIアルゴリズムに関するもので、牛のトラッキング結果から所定時間内の牛の一連の動作を入力として牛の状態を推定する技術を権利化する内容である。本技術により、牛以外の動体(豚、鶏、魚、人、車両など)の状態推定にも活用可能な技術となっている。

研究開発成果の利用シーン

畜産農家において、少人数で多数の牛を管理するためのベテランスタッフの目を補完するシステムとして利用される。具体的には、牛房にカメラを設置し、24時間体制で牛の状態を監視し、発情や病気(下痢など)の兆候を自動的に検出してスタッフに通知する。これにより、スタッフは通知された牛のみを観察すればよく、人手不足に直面する畜産業の解消手法として活用される。また、映像を視聴できるため、スタッフによる分析が容易で、スタッフの分析力向上も期待できる。さらに、本技術は牛以外の動体(豚、鶏、魚、人、車両など)の状態推定にも応用可能であり、様々な分野での活用が見込まれる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

アドバイザーの華川牧場から高い評価を受けており、華川牧場で事業化に向けた本格導入試験を行っている。対象の牛房にカメラも追加した。北海道では、釧路市の牧場でも補本格導入に向けて試験を開始した。新たに札幌市の牧場に導入した。成果が上がれば事業に向けて取り組む予定である。市場の大きい「茨城、栃木地区」、「北海道釧路地区」から事業化を開始したい。現在、牛農家以外の様々な企業からも声をかけられており、まずは本システムの事業化を優先して進めている。

提携可能な製品・サービス内容

共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

既存のセンサー型システムと比較して以下の優位性を持つ。1頭ごとに機器を取り付ける必要がなく、牛に機器やマーカーなどを取り付ける必要がない。検出率が高く、誤検出が少ない牛の映像を解析することにより、発情行動である乗駕動作、尻の匂いを嗅ぐ動作を正確に検出できるため、行動量のみで検出することがない。カメラ1台で複数頭を管理できるため競合よりも安価である。スタッフに分かりやすい可視化ができ、映像を視聴できるため、スタッフによる分析が容易で、スタッフの分析力向上も期待できる。

今後の実用化・事業化の見通し

現在、華川牧場、釧路市営牧場にて事業化に向け本格導入に取り組んでいる。本システムによって発情検出率を向上させ、本年度中に事業化したい。本技術は、牛以外にも活用が可能である。豚、鶏、魚、人、車両など多くの移動物体の状態を推定することが可能となる。現在、牛農家以外の様々な企業から声をかけていただいており、まずは本システムの事業化を優先して進めていく。

実用化・事業化にあたっての課題

販路を拡大するためには、以下の課題を解決する必要がある。
・学習モデルの汎用化: 個々の牧場毎に牛検出やトラッキング精度向上のため、学習させる必要がある
・停電対策: 停電が発生するとカメラで撮影できなくなるため検出できなくなってしまう
・個体識別の学習: 牛の顔を学習するまでに時間と手間がかかる
・蜘蛛の巣: カメラに蜘蛛の巣が張られると、夜間に牛を撮影できなくなる
これらの課題を解決するため、まずは事業化を行い、その資金等で継続的に開発していきたい。

事業化に向けた提携や連携の希望

国内の事業化ができたのち、海外への展開も検討したい。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ヒューマンサポートテクノロジー
事業管理機関 株式会社ひたちなかテクノセンター
研究等実施機関 国立大学法人信州大学 工学部
国立大学法人茨城大学 農学部
茨城県産業技術イノベーションセンター
アドバイザー 有限会社瑞穂農場
株式会社華川牧場
株式会社常陽銀行
トリニティ工業株式会社
日本橋東京法律事務所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ヒューマンサポートテクノロジー(法人番号:4050001037264)
事業内容 ソフトウェア開発/画像認識システム開発/ホームページ管理
社員数 4 名
本社所在地 〒319-1106 茨城県那珂郡東海村白方1752-16 シャルム東海店舗B号室
ホームページ http://hstec.jp/aboutus#about
連絡先窓口 企画支援部 林 智章
メールアドレス hayashi@htc.co.jp
電話番号 029-264-2200