表面処理
Amo-MgCa膜の基礎研究
大阪府
株式会社丸ヱム製作所
2026年2月5日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | 不純物を極限まで減らしたMgとCaによる超高機能生体吸収膜によるハイブリッドインプラントの開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 表面処理 |
| 対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
| キーワード | 医療機器、歯科インプラント、表面処理、薄膜 |
| 事業化状況 | 研究実施中 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本事業では、不純物を極限まで減らしたマグネシウムとカルシウムによる超高機能生体吸収膜によるハイブリッドインプラントの開発を行った。従来のマグネシウム製スクリューは全体が溶解することで強度低下が問題であったが、新概念では実績のあるチタン基材をそのまま構造体として用い、表面に骨形成を促進するマグネシウム膜を付与することで機能性を発揮させる。マグネシウムとカルシウムによるアモルファス構造の膜を形成し、信頼性向上、抗菌性向上、生体親和性向上の3つの高度化目標達成を目指した。
開発した技術のポイント
・高純度素材製造技術: 不純物を0.1%以下に抑制
・アモルファス成膜技術: 膜厚15μm以上のアモルファス構造を実現
・溶解制御技術: バーストリリース後の水素発生量を0.01ml/cm2以下に制御
・抗菌機能向上技術: 貴金属下地との複合化により長期抗菌性を実現
・骨形成促進技術: 膜溶解によるカルサイト析出と骨芽細胞増殖促進
・膜仕様最適化: 事業化に向けた膜仕様を決定
具体的な成果
サブテーマで目標達成率92~100%を実現した。素材製造では不純物0.1%以下を達成、成膜技術では15.4μmのアモルファス膜形成と膜厚バラつき±0.55μmを実現した。水素発生制御では目標値0.01ml/cm2以下を達成し、3種類の菌(大腸菌、黄色ブドウ球菌、ミュータンス菌)に対する抗菌性を確認した。細胞実験では未処理材比で有意な細胞接着率とアルカリホスファターゼ活性向上を示し、動物実験では未処理材と比較して骨接触率向上および有意な石灰化骨量増加を確認した。
知財出願や広報活動等の状況
特許取得として2023年11月に特許第7388770号、2023年10月に特許第7370078号の2件が査定された。学術論文では2024年にACS Applied Bio Materials誌に掲載された。国際会議発表では2024年から2025年にかけてEuropean Association for Osseointegration(イタリア)、Biomaterials International(タイ)、International Association of Oral and Maxillofacial Surgeons(シンガポール)、World Magnesium Conference(オーストリア)での発表を実施した。これらの知財・広報活動により技術の独自性と学術的価値を国内外に発信している。
研究開発成果の利用シーン
歯科インプラント分野では、従来の親水化処理製品の保護層として付与することで、特殊容器不要の大気中保管を実現し、埋入時の表面構造破壊防止と埋入後の薬理・抗菌作用を発揮する。特に咬合開始までの待機期間の短縮、感染予防効果が期待される。大気中保管により特殊容器コスト削減と作業性向上を実現し、医療現場での利便性を大幅に改善する。さらに、整形外科分野への展開も期待される。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
基礎研究フェーズが完了し、次の製品開発フェーズに移行中である。医療機器製造販売業1種の取得準備とPMDA相談を通した薬機申請の下準備を実施している。製造販売業者へのサンプル出荷による協業検討を進めている。インプラント形状基材への成膜試作品を完成させ、事業化に向けたサンプル供給体制を整備した。事業化に向けて、今後は素材製造から成膜までの一貫した高品質管理技術開発と量産技術の開発を進める予定である。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
従来製品の性能に加えて3つの付加価値を実現する革新的技術である。第一に信頼性向上として膜が壊れにくく大気中で劣化しない特性、第二に薬理・抗菌性として短期から中期にわたる広範囲抗菌効果、第三に生体親和性として安定した機能発揮を提供する。特殊容器コスト削減、歯周病患者への成功率向上、待期期間短縮という具体的メリットを実現する。アモルファス構造形成という独自の製造技術により、生体内溶解性と機能性を両立させた世界初の表面処理技術として差別化を図る。
今後の実用化・事業化の見通し
2025年から2027年にかけて製品開発フェーズを推進し、量産技術開発と具体的製品仕様を確定する。大学との連携により動物実験などの研究開発を継続し、学術論文投稿と国際学会発表を実施してエビデンス構築を図る。企業側では医療機器事業体制構築、薬事申請準備、量産技術開発を並行して進める。製造販売業者との協業により、既存製品ラインナップへの追加として市場導入を目指す。戦略的特許網構築により技術的優位性を確保し、国内外市場での競争力強化を図る。資金調達では医療機器助成金活用と自己資金投入を計画している。
実用化・事業化にあたっての課題
技術面では医療機器として求められる素材製造から成膜までの一貫した高品質管理技術の確立、安定した量産体制構築のための量産技術開発が必要である。臨床面ではインプラント下地に対するアモルファスマグネシウムカルシウム膜の効果立証のための動物実験実施が課題である。事業面では付加価値の高い製品の適切な価格設定、販売促進活動が重要である。規制面では薬機申請のための臨床試験実施とPMDA相談を通した承認取得プロセスの確立が不可欠である。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | 株式会社丸ヱム製作所 |
|---|---|
| 事業管理機関 | 株式会社丸ヱム製作所 国立大学法人東京科学大学 |
| 研究等実施機関 | 株式会社丸ヱム製作所 株式会社戸畑製作所 国立大学法人東京科学大学 |
| アドバイザー | モアナ歯科クリニック東川口医院 株式会社JM-Ortho ティーアンデム株式会社 日本マグネシウム協会 井波実弁理士 りそな銀行 |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | 株式会社丸ヱム製作所(法人番号:9120001089946) |
|---|---|
| 事業内容 | ねじ類、冷間プレス・切削部品、精密圧延・伸線、高強度樹脂製品、割りピン、工具・金型、アッセンブリー 他、あらゆる工業用ファスナー・パーツ類の取り扱い・製造販売、医療機器製造 |
| 社員数 | 184 名 |
| 本社所在地 | 〒574-0015 大阪府大阪府大東市野崎4-7-12 |
| ホームページ | https://www.maruemu.co.jp/ |
| 連絡先窓口 | 株式会社丸ヱム製作所 メディカル部 成田健吾 |
| メールアドレス | k-narita@maruemu.co.jp |
| 電話番号 | 072-863-0105 |
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