精密加工
ターンキーで稼働可能な加速器型中性子発生システムの製品化に向けて技術課題を解決する
広島県
タイム株式会社
2026年1月30日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | ターンキーで稼働可能な加速器型中性子発生システムの開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 精密加工 |
| 対象となる産業分野 | 中性子発生システム |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
| キーワード | ターンキー |
| 事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
中性子は我が国が推し進めるカーボンニュートラル政策において重要なキー技術としてニーズが高まっている。中性子利用は研究用原子炉を中心に長年進められていた。しかし、我が国の研究用原子炉は廃炉が続いており、これは世界的にみても同じ状況である。タイム株式会社は、これまで培ってきた加速器製造技術を駆使することで、新技術としてターンキーで稼働可能な加速器型中性子発生システムを上市することを計画しており、この成長型中小企業等研究開発支援事業に応募することで、その製品化に必要な以下の3つの技術課題を解決する。
開発した技術のポイント
・高性能イオン源の実現
-イオン源の基本設計・製作を完了し、陽子ビーム41.3mAの抽出に成功した。25mA以上の出力目標を満たし、連続24時間無停止のビーム引き出しを実現した点が技術的到達点である。
・RFQ接続最適化の発明
-RFQ加速空洞端面を彫り込み、入射・出射ポートに内部組込型ゲートバルブ機構を実装した。イオン源との距離を最短化し、ビーム入射の効率と保守性を両立した。
・堅牢・高信頼制御システム
-制御システムを設計・実装し、4段階ボタン操作で起動するGUIを構築した。8時間連続運転試験でエラーなく稼働し、ターンキー運用の実効性を示した。
具体的な成果
・イオン源の開発
-イオン源の基本設計と製作 100%達成
-イオン源とRFQ加速器の接続構造の最適化 100%達成
・堅牢・高信頼制御システムの開発
-制御システムの設計・製作100%達成
-制御システムの試験と改良 100%達成
・システム統合試験
-24時間連側運転試験 100%達成
-8時間の制御システム連続運転試験100%達成
-出力陽子ビーム強度25mA以上100%達成
知財出願や広報活動等の状況
・広報・マーケ活動の状況
-積極的なマーケティング活動が行われ、得られた情報を事業化計画へ体系化している。加速器紹介ビデオを自社HPやYouTubeで公開する計画が示され、デモ機見学や照射試験を通じた商談化が期待されている。
・アライアンス・販売網の構築
-ハンガリーのミルトロン社とNDA・業務提携を締結し、海外販売網を構築中である。国内研究所へは継続して営業活動を実施している。理研や関連ベンチャー等との契約・連携によるネットワーク強化が提案されている。
研究開発成果の利用シーン
・原子力分野での活用
-福島第一の燃料デブリ分別技術への提案候補として注目されうる装置であり、原子力分野での活用が見込まれるものである。
・核融合研究での活用
-国家的に推進される核融合研究において利用拡大が期待され、将来的需要が見込まれる装置である。
・社会インフラ検査での活用
-理研のRANSプロジェクトにおける橋梁検査用中性子源として採用されれば、多台数需要が期待されるものである。
・産業品質管理での活用
-タービンブレード等の中性子非破壊検査に必須であり、撮像機器と組み合わせた提供により検査会社向け導入が現実的である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本事業の事業化は、国内研究所向けの継続的な営業活動を進めつつ、NDA・業務提携を結んだハンガリーのミルトロン社と連携して海外販売網を構築中である。市場面では、原子力・核融合・社会インフラ検査に加え、民生では半導体業界での需要可能性を確認した。一方、製品版への改良と性能試験、ビームテスト施設の確保やRF電源の手当てが必要であり、用途別要件を踏まえた標準化・カスタム化と販売戦略の具体化が今後の課題である。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・ターンキー運用性
-4段階ボタンのGUIにより、スタンバイからビーム出力まで順次起動できる設計で、加速器非専門の現場でも扱いやすいターンキー運用を実現しているので導入障壁が低い装置である。
・実証済みの高性能
-最大41.3mAの陽子ビーム抽出と24時間連続無停止運転を達成し、25mA以上という目標を上回る性能を実証した装置である。
・堅牢・高信頼制御
-8時間連続の制御システム試験でエラー停止がなく、遠隔監視・操作を含む堅牢性を確認したシステムである。
・接続機構の発明
-RFQ加速空洞端面への内部組込型ゲートバルブ機構を発明し、イオン源との距離最短化と保守性向上を両立した構造である。
今後の実用化・事業化の見通し
・実用化に向けた技術整備
-プロトタイプを製品版へ改良し、コスト・動作安定性・保守容易性を高める必要がある。例として可変電流ソレノイドを永久磁石へ置換し、メンテナンスフリー化とコスト低減を図る方針である。加速器のDuty条件や信頼性要件を整理し、製品へ造り込むことが求められる。
・試験環境と供給体制
-中性子発生システムとしての総合試験を実施できるビームテスト施設の検討と、加速器用RF電源の確保が必要である。
・市場展開の見通し
-国内研究所向け営業を継続し、NDA・業務提携済みのハンガリーのミルトロン社と連携して海外販売網を構築する計画である。民生では半導体分野で需要可能性が判明しており、エネルギー可変型への改良と併せ需要開拓を進める見通しである。
実用化・事業化にあたっての課題
・技術面の課題
-プロトタイプを製品版へ改良し、コスト・動作安定性・保守容易性を高める必要がある。可変電流ソレノイドの永久磁石への置換など具体的改良が求められる。用途に応じたDuty条件や信頼性・操作性要件を整理し製品へ造り込むことが必要である。
・試験・設備の課題
-総合性能試験を実施できるビームテスト施設の検討と、加速器本体用RF電源の確保が未了であり、評価環境の整備が課題である。
・組織・人材の課題
-小規模組織ゆえの人材確保の困難、計画変更への機動的なリソース配分の難しさ、学術的ディスカッション機会の不足が障害である。
・事業化・市場戦略の課題
-ニーズを製品仕様のゴールへ結び付ける時間、標準化/カスタム化の整理、国内外・産学別のターゲティングと市場参入手順の最適化が必要である。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | タイム株式会社 |
|---|---|
| 事業管理機関 | 公益財団法人ひろしま産業振興機構 |
| 研究等実施機関 | 国立大学法人東京工業大学 |
参考情報
- タイム株式会社 トップページ
- https://time-merit.co.jp/
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | タイム株式会社(法人番号:2240001037296) |
|---|---|
| 事業内容 | 金属製品製造業 |
| 社員数 | 55 名 |
| 本社所在地 | 〒729-0473 広島県三原市沼田西町小原73番48 |
| 連絡先窓口 | タイム株式会社 製造部 舛岡 優史 |
| メールアドレス | masuoka@time-merit.co.jp |
| 電話番号 | 0848-85-0666 |
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