情報処理
塗装製品の肌質を数値化、コンピュータグラフィックス(CG)に利用し、ぶつ・へこみ欠陥の検査AIの学習データを生成する。
宮城県
バイスリープロジェクツ株式会社
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | 製品の外観検査を自動化する検査AIの学習データをデジタルツイン技術により自動生成するシステムの開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 情報処理 |
| 対象となる産業分野 | 自動車 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
| キーワード | 外観検査、AI、塗装質感、数値化 |
| 事業化状況 | 研究実施中 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本事業では、塗装製品の実物体をカメラ等のセンサーで撮影(センシング)し、撮影した実画像の質感を数値化するAI技術によってパラメーター化することで、デジタル空間内で塗装製品の有する外観・質感を再現するCGシミュレーターを開発する。
開発した技術のポイント
本研究開発では、自動車塗装表面の画像から質感パラメーターを抽出する質感数値化AIと、そのパラメーターを基にCG画像を生成するCGシミュレーターを開発した。シミュレーター評価用の実行環境を構築し、約3,000枚のCG画像生成や独自検査AIモデルの1日学習を可能とした。また、3Dモデルの任意位置に凹凸情報を転写し、塗装欠陥の見た目再現手法を確立した。さらに、従来より小型・軽量で簡便に撮影可能なタブレット端末を活用した小型センサーを開発し、塗装表面の「ゆず肌」質感を取得できることを確認した。
具体的な成果
開発技術の中心は、塗装外観を再現するCG生成と、その評価に基づくAI学習である。GPU環境により3,000枚規模のCG生成とAI学習を24時間以内で処理でき、現場適用に耐える技術基盤を構築した。また、小型センサーにより塗装表面の質感を取得し、質感数値化AIが8パラメーターを生成、そのうち反射粗さ、ゆず肌強さ、光輝材の割合の3つが人の官能評価と一致性を示した。さらに、Blenderを用いたCGシミュレーターにより多様な塗装肌質を再現、さらに3Dモデル上に塗装欠陥を転写するアルゴリズムを開発した。加えて、ロボット座標とデジタル空間を高精度に対応付ける位置合わせ技術を確立し、約0.7~1.5mm精度で現実とデジタルを同期可能とした。
知財出願や広報活動等の状況
本成果に関連し、検査システムに関する特許出願(特願2021-205439)を行っており、現時点で類似特許への抵触は指摘されていない。
研究開発成果の利用シーン
開発したCGシミュレーターおよび質感数値化AIを活用することで、塗装外観検査AIの学習用データを高精度に生成できる。これにより、従来は困難であった光沢塗装製品の外観検査を自動化し、製造ラインを停止せずにリアルタイムで欠陥判定が可能となる。川下産業である自動車メーカーや塗装工程を有する工業製品製造現場では、検査工程の省人化・効率化を実現できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
まずは自動車部品のような小型塗装製品を対象としてサービス展開し、導入実績を積み上げた上で自動車車体の検査工程への展開を目指す計画とした。
提携可能な製品・サービス内容
試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
本事業で開発した質感数値化AIとCGシミュレーターにより、塗装表面の質感を数値化し、欠陥の見た目を再現したCG画像を生成できる。これにより、従来困難であった塗装欠陥の検査・学習データ生成を効率的に実現できる点が強みである。
今後の実用化・事業化の見通し
第1に、過検知対策機能を搭載した外観検査システムを継続して研究開発中である。今後、精度向上させ生産・販売開始し、小型塗装製品を中心に展開する。第2に、2027年度からは小型センサーと組み合わせたハンディタイプの塗装質感評価システムの追加研究を進め、2028年度に一般販売を予定している。第3に、導入実績の積み上げを通じて蓄積した塗装表面画像を活用し、検査AI向け学習データ合成サービスを2027年度以降に事業化する。
実用化・事業化にあたっての課題
構築した検査AIモデルは欠陥検出において見逃し・過検知の課題が残り、性能改善が必要である。特に過検知については、推論時に過検知が出やすい質感データを事前情報として組み込む方法や、欠陥形状の増強による学習画像の改善など追加研究が必要である。
事業化に向けた提携や連携の希望
実用化・事業化へ向けた課題について、川下企業からのサンプル提供やアドバイスを受け研究開発を継続中。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | バイスリープロジェクツ株式会社 |
|---|---|
| 事業管理機関 | 公益財団法人みやぎ産業振興機構 |
| 研究等実施機関 | 宮城県産業技術総合センター |
| アドバイザー | 国立大学法人東北大学 日産自動車株式会社 株式会社豊田自動織機 |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | バイスリープロジェクツ株式会社(法人番号:1370001012023) |
|---|---|
| 事業内容 | ソフトウェア・ハードウェア受託開発、計測・試験システム開発、画像処理システム開発、組み込みシステム開発 |
| 社員数 | 41 名 |
| 生産拠点 | 本社:宮城県仙台市、古川事業所:宮城県大崎市古川中里 |
| 本社所在地 | 〒984-0002 宮城県仙台市若林区卸町東2丁目1番23号 |
| ホームページ | https://www.x3pro.co.jp/ |
| 連絡先窓口 | バイスリープロジェクツ株式会社 菅野 祐一郎 |
| メールアドレス | sales@x3pro.co.jp |
| 電話番号 | 022-290-5258 |
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