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表面処理

重金属・リンフリー塗装前処理剤の開発とDXの取り組み

大阪府

貴和化学薬品株式会社

2026年1月26日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 SDGs対応型、産業廃棄物等を大幅に削減できる塗装前処理工法の開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 航空・宇宙、自動車、産業機械、建築物・構造物、工作機械
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード 塗装前処理、表面処理、省エネ、省工程、低温化
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

SDGsに対応した省資源化と省エネルギー化、産業廃棄物の大幅な低減を実現する革新的な塗装前処理工法の研究開発を行った。具体的には、主成分と添加剤を工夫することで塗料と金属との密着性を確保し、耐食性が高い塗装前処理剤を開発した。さらに、連続操業を実現するための基盤技術を確立し、生産設備と前処理剤を組み合わせた工法を開発することを目的とした。従来のリン酸塩処理の5工程から3工程への削減、スラッジの95%以上削減、常温での処理を可能とし、密着性と耐食性の性能を達成した。

開発した技術のポイント

・皮膜形成技術
-主成分と添加剤を工夫することで、塗料との密着性および耐食性の性能を確保

・工程削減技術
-表面調整工程と最後の水洗工程を削減し、従来の5工程から3工程への簡素化を実現
-常温での処理により加温設備が不要

・連続操業管理技術
-中和滴定によるアルカリ度測定で処理液の濃度管理
-自動濃度管理装置(スマートコントローラー)との連携によってDXに貢献、現場での自動濃度測定が可能

・スラッジレス技術
-スラッジを発生させる成分を全く使用せず95%以上の削減を達成

具体的な成果

・密着性と耐食性の達成
-添加剤を工夫することで、皮膜と素地との密着性を向上させ、耐食性を向上させた

・工程削減の実現
-従来技術であるリン酸塩処理の5工程から3工程へ削減し、表面調整工程と水洗工程を不要とした

・スラッジ削減
-スラッジを発生させる成分を全く使用せず95%以上削減を達成

・分析評価手法の確立
-蛍光X線分析、X線光電子分光分析、グロー放電発光分光分析により皮膜の形成確認と厚さ評価手法を確立
-走査型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、X線反射率測定により皮膜の緻密性評価手法を確立

・連続操業技術の確立
-6か月間の連続操業を実施し、薬品濃度管理と皮膜液更新時期の評価技術を確立

研究開発成果の利用シーン

・自動車業界
-自動車部品の塗装前処理における環境負荷低減とコスト削減

・家電業界
-家電製品の金属部品への塗装前処理での工程簡素化

・鋼製家具業界
-家具の金属フレームや部品の塗装前処理における省エネルギー化

・建材業界
-建築構造材の塗装前処理での廃棄物削減

・小規模塗装加工業者
-設備投資の削減と簡易な排水設備での対応が可能

・海外展開
-環境規制の厳しいEU、アメリカでの採用促進
-中国における所定開発区以外でのリン酸塩処理剤使用禁止への対応

これらの業界において、従来のリン酸塩処理から既存設備をそのまま利用して置き換えが可能なプロセスとして活用される。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

金属表面の処理剤に洗浄剤や防錆剤を含めた前処理剤市場規模は年間600億円で、そのうちリン酸塩処理剤の市場規模は年間300億円と推定される。世界市場は自動車生産台数から推定すると約2,000億円、新製品のターゲットは1,500億円と見込まれる。既に株式会社朝陽、株式会社やぶうち商会、キタハラ工業株式会社がアドバイザーとして参画し、速やかな商品化への協力体制が構築されている。自動車、家電、鋼製家具などの金属製品について、現商流を最大限活用した市場投入が可能である。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

・環境対応型技術
-スラッジ発生量を95%以上削減し、重金属やリンなどの高環境負荷物質を使用しない

・省エネルギー化
-常温での処理により従来必要だった加温が不要、大幅な省エネルギーを実現

・工程簡素化
-従来の5工程から3工程への削減により生産効率を向上

・コスト削減
-従来技術と比較し、50%程度のランニングコスト低減

・設備投資削減
-新たな生産設備導入が不要で既存設備での処理剤置き換えが可能
-新設の場合は従来の1/3の設置スペースで済み、排水設備も簡便なもので対応可能

・高性能皮膜
-リン酸鉄皮膜、リン酸亜鉛皮膜等の密着性と耐食性を達成

今後の実用化・事業化の見通し

開発の目標はクリアしており、今後は顧客ごとの生産設備、処理する材質、塗膜性能の要求スペックに合わせた具体的な検討を進めていく。既に商品化されている自動濃度管理装置(スマートコントローラー)や簡易排水処理設備(ろ過太郎)についても、開発する薬品に合わせて改良することを検討している。環境意識の高いEU、アメリカを中心として、環境負荷の高い従来技術からの代替が進む可能性が高く、中国においても新たに塗装加工を行う企業が行政から許可を受ける前提として所定開発区以外でのリン酸塩処理剤使用を原則禁止する等の規制があり、日系企業もその対応に苦慮している状況から、グローバルな需要が見込まれる。JETRO等各機関の協力を得つつ拡販機会を失しないスピードでの展開を計画している。

実用化・事業化にあたっての課題

・顧客対応の個別化
-顧客ごとの生産設備、処理する材質、塗膜性能の要求スペックに合わせた具体的な検討が必要

・技術的課題の解決
-電着への対応や高温塗料への対応などの技術的問題の解決
-処理液の更新コストに関する有効な方法の開発

・設備改造への対応
-既存設備の改造ニーズに対するパッケージ化が困難で、設備ごとに様々な対応が必要
-温度を上げなくて良い場合の熱設備を外す必要性など順次対応が必要

事業化に向けた提携や連携の希望

現在の塗装前処理薬品や設備の改善を目指すメーカーとの連携を希望します。具体的には、産業廃棄物削減、低温化による省エネ、短時間処理による生産性向上、さらにDX推進などの取り組みを積極的に進めていきたいと考えています。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 貴和化学薬品株式会社
事業管理機関 一般財団法人大阪科学技術センター 技術振興部
研究等実施機関 貴和化学薬品株式会社 フェロナイズ事業部
地方独立行政法人大阪産業技術研究所 電子材料研究部
アドバイザー 株式会社朝陽
株式会社やぶうち商会
キタハラ工業株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 貴和化学薬品株式会社(法人番号:2120901023531)
事業内容 金属表面処理剤の開発・製造・販売、各種工業薬品の販売、活性炭の販売、活性炭入替作業一式、燐酸を始めとする化学品の輸入販売
社員数 70 名
生産拠点 東京・名古屋・滋賀・大阪
本社所在地 〒564-0062 大阪府吹田市垂水町2丁目20番25号
ホームページ https://www.kiwachem.co.jp/
連絡先窓口 貴和化学薬品株式会社 フェロナイズ事業部 技術部 部長 竹山 和宏
メールアドレス k.takeyama@kiwachem.co.jp
電話番号 06-6170-6320