測定計測
下水道、河川、ダムをはじめとする我が国の水環境インフラをモニタリングする長期運用に長けた水位計測システムの核となる技術として、センサ・伝送部に電気素子を一切使わない省電力のオール光ファイバ水位計を開発する
東京都
株式会社コアシステムジャパン
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | 水環境インフラ点検に資するIoT向け省電力オール光ファイバ水位計計測システムの開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 測定計測 |
| 対象となる産業分野 | 航空・宇宙、自動車、産業機械 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減) |
| キーワード | 光ファイバセンサ、ひずみ、水位、圧力、計測 |
| 事業化状況 | 事業化に成功 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
水環境インフラのDX向上に資する省電力光ファイバ水位計のIoTネットワークシステムの研究開発を実施した。雷害に強く長期運用に適した水位計測技術として、日本独自で開発したヘテロコア光ファイバセンサを活用し、光の強度変化のみでファイバの曲げを検出する特徴を有する技術を確立した。光源に安定かつ低電力消費の発光ダイオードを採用することで極めて安定かつ低コスト化を実現し、高感度なひずみ計測にも成功した。本研究では高感度のヘテロコア式ひずみセンサの開発、ヘテロコア型光ファイバ水位計の開発、自社製造・自社校正による計測性能の安定化の3つの研究課題に取り組み、水環境インフラの点検・監視システムの実用化を目指した。
開発した技術のポイント
・ヘテロコア光ファイバセンサ製造工程の改良
・予め位置調整した2台のファイバクリーバーによりヘテロコア長の製造ばらつきを±10μm以内に抑制
・ファイバ位置決め用ガイドとUV接着剤導入により接着固定時間を数時間から数分程度に短縮
・高感度ひずみセンサの開発
・μεオーダの微小歪みを検出する技術を確立し、感度ばらつきを±5.4%FS以内に抑制
・温度ドリフト対策
・ダイアフラム設計改良(D=4→7mm、T=0.5→0.2mm)により熱感度を±0.06%FS/℃まで低減
・真鍮製センサ部品の採用により温度安定性を向上
・自動校正システム
・PC一台で機器制御とデータ取得を行える自動校正装置と校正プログラムを開発
・計測精度±0.26%FS以内を達成
具体的な成果
・製造工程の半自動化によりヘテロコア長の加工精度±10μm以内を達成
・ひずみセンサの感度ばらつきを±5.4%FS以内に抑制し、μεオーダの微小歪み検出を実証
・ダイアフラム設計改良により熱感度を±0.06%FS/℃以下に低減
・自動校正装置の完成により計測精度±0.26%FS以内を達成
・耐環境性能試験(振動、衝撃、温度、湿度)をすべて通過
・振動試験: 1.5mmP-P、2時間、10~55Hz、3軸
・衝撃試験: 1.5mからの落下8回
・温度試験: -20~75℃、21サイクル、168時間
・湿度試験: 75℃、95%、168時間
・下水道用高感度仕様では測定レンジ2m以上、感度-0.59dB/mを実現
・河川用低感度仕様では測定レンジ20m以上、感度-0.046dB/mを実現
知財出願や広報活動等の状況
ヘテロコア光ファイバセンサの関連特許は約20件(米国、韓国特許を含む)に上る。本事業における製造体制の外部委託にあたり、技術の漏洩を防ぐことを目的として関連特許を申請中であり、関係企業とは秘密保持契約・業務委託契約を締結して交渉にあたっている。量産化の進行に伴い、生産プロセスに関わる知財化も行っている。知財のポートフォリオ作りが今後の課題として挙げられている。また、IEEE Sensors Journal誌にmeオーダの歪をヘテロコア光ファイバセンサで検出できることを世界で初めて研究フェーズで実証した論文を発表した(H. Yamazaki, et al. IEEE Sensors Journal, 20(22), pp.13387-13393 (2020))。
研究開発成果の利用シーン
・下水道管路の点検・管理
・老朽化した下水道管の破断やズレによる土砂流入や不明水侵入の早期発見
・複数の水位計を設置し隣接する水位データを比較することで管内異常を迅速に検出
・河川・ダムの水位監視
・洪水時の水位計測による氾濫予測と早期警報
・流域治水プロジェクトにおける水環境全体の監視
・農業水利施設での水位管理
・灌漑用水の効率的な管理と配水制御
・内水氾濫調査
・都市部における浸水被害の予測と対策
・その他の水環境インフラ
・海洋分野、自動車産業における応用展開も見込まれており、歪、圧力、変位、温度など他の測定計への展開も可能
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
製造体制については外部委託方針を採用し、本事業で得た知見をもとに作業書及び工程表を作成してテクノサンショウ・菊池製作所への試作外注依頼を令和6年度から進めている。販路拡大体制では、技術協力を行っている奥村組の協力のもと下水道管路分野における不明水調査・内水氾濫調査を目的とした水位計の販路拡大を目指している。すでに自治体からのニーズが高いことが判明しており、事業申請段階の推定出荷台数を上方修正した。下水道管路分野を主軸として、河川・水路における水位観測、海洋分野、自動車産業における市場展開も見込まれ、関連企業の協力で試作評価を実施している。少量での実績づくりから販売台数の拡大という流れで販路拡大を目指している。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・雷害に対する高い耐性
・センサ・伝送部に電気素子を一切使用しないオール光ファイバ構造により雷による破損リスクを根本的に解決
・省電力設計
・発光ダイオード光源採用により極めて安定かつ低電力消費を実現
・高精度・高安定性
・計測精度±0.3%FS以下、センサ温度安定性±0.1%FS/℃以下を実現
・自動校正システムにより再現性の高い校正プロセスを確立
・長期耐久性
・厳しい耐環境性能試験をクリアし、インフラの耐久年数に見合う長期運用が可能
・幅広い測定レンジ対応
・下水道用(2m以上)から河川用(20m以上)まで用途に応じた仕様を提供
・IoTネットワーク対応
・最大30kmの光ファイバ伝送が可能でリモート監視システムに適用可能
今後の実用化・事業化の見通し
令和7年度にCSJで自社製造(100台程度)、令和8年度から製造委託を開始し、令和11年度には出荷台数1,500台を目標とする事業化計画を策定している。下水道管路分野では奥村組との連携により0台から1,500台への段階的拡大を計画し、河川・水路分野では恒電商事・奥村組と連携して200台、海洋分野では100台、自動車産業では100台の出荷を目指している。売上見込みは令和6年度の79,920千円から令和11年度には1,368,000千円への成長を予定している。製品の標準化についても標準化が知財戦略の一つとして位置づけられており、今後議論を進める方針である。福島県における生産体制の構築は順調に進展し、福島高専と連携した地域防災事業構築の流れも見えてきている。
実用化・事業化にあたっての課題
量産にどう移行するかが最大の課題であり、そのための社内体制や組織作りが必要とされている。出荷台数が増えると生産体制や品質の安定が担保されることが必須となるため、製造工程の標準化と品質管理体制の確立が急務である。知財のポートフォリオ作りも今後の重要な課題として挙げられ、これまで出願した特許の棚卸を行い開発の方向性について一定の成果を得たものの、さらなる知財戦略の構築が求められている。校正については、ルール化、標準化、その仕組みづくりも含めて進める必要がある。市場と規模感の把握が重要であり、光ファイバの特徴・差別化のブラッシュアップと4P(Product、Price、Place、Promotion)を切り口とした戦略策定が必要とされている。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | 株式会社コアシステムジャパン |
|---|---|
| 事業管理機関 | 一般社団法人首都圏産業活性化協会 |
| 研究等実施機関 | 株式会社コアシステムジャパン 学校法人創価大学 |
| アドバイザー | 創成知財解析研究所 株式奥村組 株式会社リッチコミュニケーションズ |
参考情報
- 弊社ホームページ
- https://core-system.jp/
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | 株式会社コアシステムジャパン(法人番号:3010101008335) |
|---|---|
| 事業内容 | 製造業 |
| 社員数 | 7 名 |
| 生産拠点 | 東京都八王子市、福島県いわき市 |
| 本社所在地 | 〒192-0066 東京都八王子市本町24-8 |
| ホームページ | https://core-system.jp |
| 連絡先窓口 | 株式会社コアシステムジャパン 開発部 佐々木博幸 |
| メールアドレス | sasaki@core-system.jp |
| 電話番号 | 042-696-3411 |
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