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研究開発された技術紹介

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材料製造プロセス

従来の噴霧乾燥造粒法では中空の乾燥造粒体が生成されることに起因した製品の品質低下が問題であるが、中空の造粒体の発生を抑制しかつ量産が可能な造粒装置を開発した

東京都

株式会社プリス

2025年1月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高機能ファインセラミックス用噴霧凍結造粒乾燥装置の研究開発
基盤技術分野 材料製造プロセス
対象となる産業分野 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、産業機械、食品、電池、半導体、光学機器、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)
キーワード ファインセラミックス、噴霧乾燥、粉体、スプレードライ、造粒
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 令和2年度~令和4年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本事業では、SFGD法を用いた高品質なファインセラミックス製品の製造プロセスの確立を目指した。遠心噴霧機構を採用し、粒度分布の均一化と液体窒素フリーの温度制御を実現する装置を開発した。(写真1)この装置により、透明度80%以上のSiO2焼成体(写真2)や、SD法と比較して25%以上の高強度Al2O3焼成体の製造に成功した。

写真1:開発噴霧凍結造粒装置 CS220
写真2:左SD,右SFGDから調製したSiO2焼成
開発した技術のポイント

・遠心噴霧機構による粒度分布の均一化
・液体窒素フリーの電気制御による低コストかつ安定運転
・SFGD法による高透明度および高強度セラミックス製造技術
・長時間安定稼働が可能な工業生産向け装置

具体的な成果

・SFGD法によるSiO2焼成体の透明度80%以上の達成
・SFGD顆粒を用いたAl2O3焼成体の強度がSD法と比較して25%以上向上
・SFGD装置を用いた粒度分布の均一化と量産技術の確立
・液体窒素使用の既存装置と比較して最大1/100以下のランニングコスト

知財出願や広報活動等の状況

・特許出願: 「顆粒体の製造方法及び生菌含有顆粒体の製造方法」
特願2021-167329 、 特開 2023-057704
・論文提出6件既公開下記4件
-Comparison of alumina granules prepared by spray freeze granulation drying and spray drying
-Selecting an appropriate binder to prepare alumina granules via spray freeze granulation drying
-Compactability and sinterability of alumina granules made by spray freeze granulation drying and spray drying
-Lowering compaction pressure and sintering temperature of alumina using spray freeze granulation dried granules
・他学会、シンポジウム、講演会多数

研究開発成果の利用シーン

本成果は、自動車、航空、宇宙などの高付加価値工業製品に加え、医薬品、化粧品、機能性食品などにも応用可能である。特に、透明性や強度が求められるセラミックス部品の製造において大きな貢献が期待される。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

開発したSFGD装置を用いた製造テストが進行中であり、セラミックス業界を中心に実証試験が行われている。複数の企業が導入に向けた検討を進めており、事業化に向けた準備が整いつつある。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、素材・部品製造、試験・分析・評価

製品・サービスのPRポイント

・SFGD法による高精度な粒度制御と透明度80%以上を実現するセラミックス製造技術を提供。これにより、従来のSD法に比べて大幅な性能向上が期待できる。
・低温乾燥プロセスのため、熱に弱い物性の粉体化が可能。バイオ、医薬用途の粉体製造に適している。
・乾燥による内部の偏析、収縮が極めて少ない低密度の顆粒が製造できる。溶媒への分散、溶解が容易となるため、機能性食品、バイオ、医薬用途の粉体製造に適している。

今後の実用化・事業化の見通し

SFGD法のさらなる技術改良とともに、産業界への導入が進むと予想されている。サポイン事業終了直後から、開発装置を使用した有償テストの要請が多く、様々な業種の粉体化を実施しており、他業界への市場拡大が期待されている。

実用化・事業化にあたっての課題

・SFGD装置のコストダウンと量産化プロセスの確立

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社プリス
事業管理機関 よこはまティーエルオー株式会社
研究等実施機関 よこはまティーエルオー株式会社
国立大学法人横浜国立大学
国立研究開発法人産業技術総合研究所
アドバイザー セラミックスメーカー2社
食品メーカー
製紙メーカー

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社プリス(法人番号:4010501023957)
事業内容 粉体プロセス装置、バイオプロセス装置、医療機器、精密洗浄プロセス装置メーカー
社員数 30 名
本社所在地 〒110-0016 東京都台東区東2-11-6
ホームページ http://www.preci.co.jp/
連絡先窓口 株式会社プリス パウダーテクニカルセンター 川口晋也
メールアドレス kawaguchi@preci.co.jp
電話番号 044-328-7665