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複合・新機能材料

セメントフリー耐火物で挑むカーボンニュートラルの実現

東京都

東和耐火工業株式会社

2025年1月27日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高温エネルギー関連施設における画期的な高耐久化・施工性を両立した次世代セメントフリー耐火物の開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 建築物・構造物、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、環境配慮、低コスト化
キーワード 耐火物,セメントフリー,耐酸性,耐スポーリング性,ゲルボンド
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和3年度~令和5年度

プロジェクトの詳細

事業概要

ケイ酸質の網目状結合体が得られるセメントフリー材料であるゲルボンド材による課題解決の道筋を見出した。従来技術と比較して、ゲルボンド材は水ガラス型耐酸材のような毒劇物を使用せず、さらに吹付け材の開発による工期短縮・低コスト化の可能性を有している。
ゲルボンド材の高機能化(耐酸性・耐摩耗性)のため、まず流込み施工に対応した製品の開発を行い、その後、吹付け施工に対応した製品を開発することで複雑な部位の施工および工期短縮を可能とし、環境配慮・低コスト化も実現できると考えている。

開発した技術のポイント

・低温での耐酸性発現、ケイ酸質軽量骨材による断熱性向上
・流し込み、吹付け、塗込み施工への対応
・通気率向上による乾燥時間短縮
・粒度調整による高耐摩耗性の実現
・微量添加剤の最適化と配合装置の開発

具体的な成果

・耐酸性: 60℃24時間乾燥で耐酸性を発現
・断熱性: 嵩比重1.48g/cm^3、熱伝導率0.5W/mKを達成
・硬化強度: 耐酸材2MPa、耐摩耗材4MPaを達成
・耐摩耗性: 流し込み材で摩耗量2.8cm^3、吹付け材で3.5cm^3
・施工性: 流動化時間60分以上、吹付けロス率6%
・乾燥時間: 8時間に短縮(従来48.5時間)

知財出願や広報活動等の状況

・ゲルボンドキャスタブルに関する特許4件を出願(うち2件は拒絶・却下)
・学会発表2件(耐火物技術協会、日本セラミックス協会)
・セラミックデータブックへの寄稿

研究開発成果の利用シーン

排煙脱硫装置の耐酸材 ・循環流動層ボイラー(CFB)のサイクロン部の耐摩耗材に使用される。具体的には、ゲルボンド耐酸材は排煙脱硫装置に適用しながら、国内需要を支える石炭などの火力発電設備の新設、設備更新に対しても貢献する。また、ゲルボンド耐摩耗材は、低環境負荷および地球温暖化対策の観点から注目度の高いバイオマス燃料を用いた循環流動層(CFB)ボイラーのサイクロン部へ適用が見込まれる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・令和6年2月にゲルボンド耐摩耗材の実機施工を実施

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

・従来の耐酸煉瓦、水ガラス型耐酸材の代替となる高性能ゲルボンド耐酸材
・高い耐摩耗性と耐スポーリング性を有するゲルボンド耐摩耗材
・微量添加剤の最適化と配合装置開発による安定品質
・吹付け施工による工期短縮とコスト削減
・乾燥時間短縮による工期短縮とエネルギーコスト削減

今後の実用化・事業化の見通し

・排煙脱硫装置市場(国内350億円規模)、バイオマス発電用CFBボイラー市場への展開
・海外市場としてアジアの公害対策需要への対応
・グループ会社・関連会社への拡販、新規顧客獲得、他産業への営業展開

実用化・事業化にあたっての課題

・展示会出展、学会発表による知名度向上
・実機施工結果のフィードバックによる製品改良
・他産業界への営業展開、工事受注増加に伴う人材確保

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 東和耐火工業株式会社 研究開発課
事業管理機関 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター
研究等実施機関 国立大学法人名古屋工業大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 東和耐火工業株式会社(法人番号:4010001042136)
事業内容 不定形耐火物、断熱材の製造、販売 ・耐火物、断熱材及び機械据付工事の設計、施工
社員数 170 名
生産拠点 岐阜工場
本社所在地 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町一丁目13番12号
ホームページ https://www.towa-rec.co.jp/
連絡先窓口 研究開発部 部長代理 森口 圭輔
メールアドレス moriguchi@towa-rec.co.jp
電話番号 0574-62-1156