材料製造プロセス
次世代の電気自動車に適合する、高性能な全固体電池の製造プロセスと電池形成後にバインダーを熱分解除去する全く新しい全固体電池の製造プロセスの確立
奈良県
株式会社タカトリ
2025年1月24日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 全固体電池向け積層・バインダー除去装置および量産技術に関する研究開発 |
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基盤技術分野 | 材料製造プロセス |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、自動車、産業機械、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 全固体電池,バインダーレス,高精度位置合わせ,同時打抜き |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
硫化物系固体電解質を使った全固体LIBは、現行技術よりも高いイオン伝導性を持ち、小型で高容量が実現可能。これにより、電気自動車向けのバッテリーとして最適。本プロジェクトでは、全固体LIBの課題であるサイクル特性や充放電速度を改善する技術と量産装置を開発し、電気自動車の性能向上に貢献する。
開発した技術のポイント
・製品名:全固体電池向け積層・バインダー除去装置
-バインダーの熱分解除去により電池性能を向上させ、電気自動車のスペックを向上させる。
・技術的特徴
-真空チャンバー内に加熱および加圧機構を備え、バインダーの熱分解除去を行う。
-全固体リチウムイオンバッテリーの長期安定性を確保し、充電時間の短縮を実現。
-連続生産が可能であり、量産装置としての適用が可能。
具体的な成果
・真空連続搬送技術
-真空度100Paを実現・連続搬送実現
・積層・プレス技術
-積層シートの厚みバラツキ±10%以下実現
・真空加熱技術
-熱分解温度250±10℃を保持
・気泡除去技術
-プレス線圧1ton/cmを実現
・量産性実証装置開発
-硫化物対策を確立する装置完成
-バインダーフリーの効果確認
知財出願や広報活動等の状況
・発明の名称:固体電池の製造方法及び固体電池
出願番号:2021-101794 出願中
・発明の名称:積層体製造用装置および積層体の製造方法
出願番号:2021-155419 出願中
・発明の名称:積層体製造装置および積層体の製造方法
出願番号:2022-182822 出願中
研究開発成果の利用シーン
・電気自動車のサイクル特性向上や充放電速度の向上によって、電池の高寿命化と充電時間短縮が実現可能であり、電気自動車の普及に貢献できる。
・再生可能エネルギーを蓄電するESSの発展により、バインダー除去技術を活用した次世代全固体LIBや全樹脂LIBの生産が可能となる。
・コンデンサーの生産工程においてバインダー除去技術を使用することで、電気抵抗を低減し、高速通信に適した電子部品を生産できる。5Gや6Gの情報通信技術が進展する中で、コンデンサー製造分野における活用が期待される。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・積層・バインダー除去装置については引き続きORIST訪問の各電池業界関係者とのパイプを作る。
・剥離装置を関西二次電池展へ出展し、電池製造に係る多数の来場者からの意見を頂き、独自の同時打ち抜き積層に関し興味を示して頂いた。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
硫化物系全固体電池は、特に電気自動車(EV)や電力貯蔵システム(ESS)向けに高い安全性と耐熱性を持つ点が最大の強みである。急速充電が可能で、温度変化にも強い。これにより、EVの航続距離を大幅に向上させるだけでなく、ESSにおいても安定した電力供給を実現する。今後の社会インフラに不可欠なエネルギーソリューションとして、業界内で注目される存在となっている。
今後の実用化・事業化の見通し
全固体電池市場は、2040年に向けて急成長が予測される分野である。特に硫化物系の全固体電池が市場をリードすると期待されている。トヨタ自動車を始めとする大手メーカーがxEVに搭載することで、市場は大幅に拡大し、2030年以降、EVやドローン、空飛ぶクルマなどへの導入も進む見通し。
実用化・事業化にあたっての課題
研究開発後の課題として、バインダーレス技術を量産技術へと発展させるためには、大サイズ化と短時間化の実現が求められる。現状のプロセスは研究途中であり、さらに深堀りした研究が必要である。
事業化に向けた提携や連携の希望
電池業界で固体電池等を製造している企業との連携を模索中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社タカトリ ものづくり革新本部 電子機器カンパニー |
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事業管理機関 | 公益財団法人奈良県地域産業振興センター 事業化推進課 事業化推進係 |
研究等実施機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 森之宮センター 電池材料研究室 |
アドバイザー | 大阪府立大学 住友精化株式会社 株式会社GSユアサ 日産自動車株式会社 出光興産株式会社 タツモ株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社タカトリ(法人番号:2150001010683) |
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事業内容 | 半導体及び液晶関連機器、ワイヤーソーの製造販売、繊維機械の製造販売、医療機器の製造販売 |
社員数 | 240 名 |
生産拠点 | 奈良県橿原市新堂町 313-1 |
本社所在地 | 〒634-8580 奈良県橿原市新堂町313-1 |
ホームページ | https://www.takatori-g.co.jp/index.html |
連絡先窓口 | ものづくり革新本部 電子機器カンパニー 堀口 茂春 |
メールアドレス | shigeharu.horiguchi@takatori-g.co.jp |
電話番号 | 0744-24-8580 |
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