複合・新機能材料
臭気対策、有害物質除去、感染症への対策などが可能な高機能新素材(PCP/MOF)の製剤化技術。
京都府
大原パラヂウム化学株式会社
2025年1月27日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 超高性能吸着物質の形態制御技術及び製品化に向けた応用展開としてのフィルター開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮 |
キーワード | PCP/MOF,消臭,抗菌・抗ウイルス,ガス吸着,形態制御 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
PCP/MOFの形態を制御し、その最大の弱点である作業性の悪さを改善するため、「各臭気物質に効果のあるPCP/MOFの造粒・成形技術」を開発した。また、Fe-PCP/MOFを水系加工剤化することで、より幅広い用途展開を目指す「Fe-PCP/MOFを用いた乳化分散技術」およびその加工技術も開発した。さらに、これらの技術を効率的に活用する「高機能フィルター技術」の開発にも取り組んだ。
PCP/MOF形態制御技術による製品を、b.caveとして事業化を開始した。
開発した技術のポイント
・各臭気物質に効果のあるPCP/MOF造粒・成形技術
-PCP/MOFを異種材料と複合化し、形態制御および機能性向上に繋げる技術の確立
・Fe-PCP/MOFを用いた乳化分散技術
-Fe-PCP/MOFを乳化分散させて液状の加工剤に製剤化する技術の確立
・Fe-PCP/MOF乳化分散液を用いた加工技術
-開発した乳化分散液で繊維を加工する際の加工条件を確立
・高機能フィルター化技術
-上記技術により生み出された部材を組み合わせてフィルター化する技術の確立
・消臭性能評価技術
-開発初期、開発後期それぞれのフェーズに応じて必要な消臭性能評価を行える技術の確立
具体的な成果
・各臭気物質に効果のあるPCP/MOF造粒・成形技術として、PCP/MOFを点接着させた造粒品をZRシリーズ、PCP/MOFを主体にした打錠成型品をDJシリーズ、活性炭などの第3成分を配合した押出成形品をOSシリーズとして完成させた。
・Fe-PCP/MOFを用いた乳化分散技術を確立した。
・Fe-PCP/MOF乳化分散液を用いた加工技術としてパディングおよびコーティングによる消臭加工処方を確立。
・PCP/MOF成型品を用いた高機能フィルター化技術として狭着フィルターおよびハニカムフィルターを作成する技術を確立し、抗ウイルス性・耐久性共に高いことを確認。
・消臭性能評価技術として、バッジ式の消臭性能評価試験における前処理を自動で実施するシステムを構築。
-フィルターを通気した臭気物質の濃度を一定時間ごとに検出するシステムを構築。
知財出願や広報活動等の状況
・生活臭消臭剤
特許番号: 7227648
・多孔性金属錯体造粒物の製造方法
特許番号: 7336089
・多孔性金属錯体を含む成型品
特許番号: 7231290
・水系PCP/MOF分散液
出願状況: 出願済み
・多孔性金属錯体を含む押出成形品
出願状況: 出願済み
研究開発成果の利用シーン
本事業で高度化した各種技術を応用することで、化学工場や食品工場で発生する臭気の改善が可能なフィルターや各部材を供給することができる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本事業で得られたデータをもとに、新たなブランド「b.cave(ビーケイブ)」を立ち上げ、紹介動画を作成。さらに、学会発表(日本化学会春季大会)、展示会発表、新聞発表を行い、新たな消臭技術として周知を進めている。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
PCP/MOFの特性を維持しつつ、粉体形状だけでなく、造粒品、打錠品、押出成型品、シート状など、幅広いニーズに対応した形状での提供が可能である。
押出成形品を組み込んだポータブル脱臭装置を作成した。
ポータブル脱臭装置を利用して、現場にて実地試験を行えるようになった。
押出成形品を組み込んだポータブル脱臭装置の販売。
本事業の技術に関して京都市産業技術研究所より「知恵創出“目の輝き”認定」の表彰を受けた。
今後の実用化・事業化の見通し
・現在、某化学工場で発生している臭気に関して、PCP/MOF押出成形品にて、臭気の改善が認められ、スケールアップのため引き続き評価を進めている。
・分煙機能フィルターの開発について、PCP/MOF成型品を用いた実機評価を進めている。
・ポータブル脱臭装置を利用した現場での実用化に向けた実地試験を進めている。
実用化・事業化にあたっての課題
現在、1t/月の生産量であり、大量生産には対応できていない。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 大原パラヂウム化学株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人京都高度技術研究所 |
研究等実施機関 | 地方独立行政法人京都市産業技術研究所 |
アドバイザー | 国立大学法人京都大学 高等研究院 物質ー細胞統合システム拠点 特定拠点准教授 樋口雅一 繊維評価技術協議会 参事・帝塚山大学 非常勤講師 勝園 進 倉敷繊維加工株式会社 主任 栗田 計 |
参考情報
- 参考サイト①
- https://www.paragium.co.jp/
- 参考サイト②
- https://youtu.be/4ciqx2uGwnM
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 大原パラヂウム化学株式会社(法人番号:4130001002656) |
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事業内容 | 水系機能性加工剤に関しては繊維向けを中心に展開し、最近では非繊維への展開も積極的に取り組む。 気体制御技術に関しては、PCP/MOFを材料とした製品展開を軸に、臭気対策、有害ガス対策、CO2吸着などをターゲットに販売を展開する。 |
社員数 | 45 名 |
生産拠点 | 京都府京都市 |
本社所在地 | 〒602-8155 京都府京都市上京区竹屋町通千本東入上ル主税町1092 |
ホームページ | https://www.paragium.co.jp/ |
連絡先窓口 | 技術開発部 脇浩一 |
メールアドレス | waki@paragium.co.jp |
電話番号 | 075-681-1707 |
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