バイオ
免疫バイオマーカー同定
大阪府
KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社
2022年1月23日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 自己免疫疾患の原因となる自己抗体とバイオマーカーの同定法開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | バイオマーカー、レパトア、自己免疫疾患 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
診断・医薬品産業では医薬品の細分化、複雑化と医療費の高騰により、感度の高い診断技術を開発し、疾患の早期診断、薬剤の有効性・副作用の予測、病態の再燃予測など、非常に細分化された医療ニーズを満たす必要がある。このため、新規生体情報として自己免疫疾患に非常に親和性が高い「免疫レパトア」ビッグデータを収集し、人工知能技術等を組み合わせることで、課題を克服する新規バイオマーカー同定・評価手法を開発する。
開発した技術のポイント
・⼈⼯知能技術の⾼度化
-当初予定した自己抗体/B細胞受容体だけでなく、T細胞受容体のデータも取得することができた。
-少数(10名程度)の疾患患者を健常人や他の疾患患者から抽出するAIアルゴリズムの開発に成功した。
・⾃⼰抗体同定技術の開発
-当初の目標を上回る18検体を入手して開発を実施した。
-aPAPについては自己抗体の同定に成功し、詳細な抗原親和性の測定とエピトープ解析、および機能検定(中和活性)の解析を行った。
・ヒト1細胞DNA解析及び関連技術開発
-細胞から抗体配列の取得効率を既報の5-60%から90%程度にまで高めることができ、希少な自己抗原特異的なB細胞を失うことなく抗体配列を取得することが可能になった。
・マウスを含む病原性評価系の開発
-文献的にaPAPの発症が確認されているヒトGM-CSFノックインマウスを用いることに変更し、マウスを入手、実験を継続中である。
具体的な成果
・⼈⼯知能技術の⾼度化
-希少疾患患者を抽出するAIアルゴリズムの開発に成功した。
・⾃⼰抗体同定技術の開発
-⾃⼰免疫性肺胞蛋⽩症に対する⾃⼰抗体を同定した。
・ヒト1細胞DNA解析及び関連技術開発
-90%程度の効率でB細胞受容体配列を検出可能にした。
・マウスを含む病原性評価系の開発
-ヒトGM-CSFノックインマウスを導⼊し、⾃⼰抗体の病原性を評価した。
知財出願や広報活動等の状況
B細胞受容体DNA配列からB細胞受容体の機能別に配列をグループにまとめる(クラスタリング)技術に関する特許を申請中である。
研究開発成果の利用シーン
今回開発した技術は、自己免疫疾患の治療法確立や創薬に利用することができる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
「創薬標的となる自己抗体・疾患関連B/T細胞の抽出」と「自己免疫疾患・感染症等の疾患横断的診断」といった用途での事業化を進めている。
提携可能な製品・サービス内容
試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
今回開発した手法は、発病の機構が不明で治療方法が確立していない疾患の治療法確立、創薬に大きく貢献するものである。
今後の実用化・事業化の見通し
創薬標的となる自己抗体・疾患関連B/T細胞の抽出といった用途に加え、自己免疫疾患・感染症等の疾患横断的診断法としての確立を検討している。創薬支援としての利用を想定した場合、実際に創薬標的を同定した例を蓄積して顧客に技術有用性を示すため、さらなる補助金等を利用した共同研究・委託研究等を行って実績を積むことを検討している。特定の自己抗体検出法は安価なキット化も想定している。診断技術としての展開に向けては、診断法としての認可を取得するため、データの厚みを増やして十分な検証を行う必要がある。1,000検体規模のデータ収集を想定しており、3~5年程度でアカデミアや病院等とのネットワークを広げていく予定である。また、検査法としての確立のためにはキット化や血液採取・保管・輸送方法等の最適化が必要であり、試薬開発会社等との協働を想定している。
実用化・事業化にあたっての課題
川下企業らの興味はもっぱら免疫が認識する抗原の同定であるが、感染症においては、大阪大学と新型コロナウイルス感染症に関して見出したT細胞が認識するエピトープをすでに知財化、ライセンス導出活動を開始するなど、この方向での開発を他の疾患領域も含め進めている。
以上のように、一定の成果は得られているものの、より幅広い応用を期待する上での課題は、第一に、抗原同定までのコストが大きいことであり、第二に適用疾患の範囲、エビデンスが確立した疾患や適用範囲を広げることである。
事業化に向けた提携や連携の希望
国内外問わず技術・資金を活用し、国際的に競争力のある技術パッケージとしてまとめ上げることが、事業としての広がりを得る上で必須であると考えている。当該技術と組み合わせてプラットフォーム化できる技術を有するアカデミア・企業等との連携を進めている。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社 研究開発部 |
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事業管理機関 | 国立大学法人大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 分化制御研究室 |
研究等実施機関 | KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社 研究開発部 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社(法人番号:7120001198600) |
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事業内容 | 共同研究開発、受託サービス(ライブラリ作成、バイオインフォマティクス解析、Visium空間的遺伝子発現解析) |
社員数 | 9 名 |
生産拠点 | 実験室(吹田市山田丘2番1号大阪大学産学共創A棟2階) |
本社所在地 | 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2番1号大阪大学産学共創B棟2階 |
ホームページ | https://www.kotai-bio.com |
連絡先窓口 | KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社 代表取締役 ⼭下 和男 |
メールアドレス | yamashita@kotai-bio.com |
電話番号 | 06-6170-5267 |
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