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バイオ

前立腺がんに罹患した患者さんが骨転移を起こすかどうかを血液検査で診断できるキットの研究開発

大阪府

株式会社ハカレル

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 前立腺がん骨転移の診断キットの研究開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 医療・健康・介護
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)
キーワード がん、転移、リキッドバイオプシ 、エクソソーム、診断
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成30年度~令和1年度

プロジェクトの詳細

事業概要

前立腺がんは国内男性の部位別罹患数第1位のがんである。骨は前立腺がんの主要な転移臓器であり、骨転移の早期診断は患者のQOLと予後に大きく影響する。その現状の診断法は、骨シンチグラフィーや生検であり放射線被ばくを伴ったり侵襲性が高いといった問題がある。当研究開発は、骨転移患者の血液中に存在する新規バイオマーカーの発見に基づき、その定量測定系を構築し、血液検査による骨転移の診断法確立を目指すものである

開発した技術のポイント

前立腺がんは国内男性の部位別罹患数第1位のがんである。骨は前立腺がんの主要な転移臓器であり、骨転移の早期診断は患者のQOLと予後に大きく影響する。その現状の診断法は、骨シンチグラフィーや生検であり放射線被ばくを伴ったり侵襲性が高いといった問題がある。当研究開発は、骨転移患者の血液中に存在する新規バイオマーカーの発見に基づき、その定量測定系を構築し、血液検査による骨転移の診断法確立を目指すものである。

具体的な成果

・抗CDCP1モノクローナル抗体の作製
-動物細胞でヒトCDCP1蛋白を発現・精製した。
-CDCP1蛋白をマウスに免疫し、22クローンの抗体を取得した。
・CDCP1陽性エクソソーム測定キットの作製
-CD9抗体、CD63抗体との組み合わせから、各3組の高感度サンドイッチELISAを構築した。
-CDCP1陽性エクソソームを10~25ngの範囲で測定することができた。
・臨床検体を用いたCDCP1陽性エクソソームの測定
-臨床検体中のCDCP1陽性エクソソーム量は、ELISAの検出限界以下であり、臨床的意義は見出せなかった。検体中のエクソソームを濃縮する前処理法の開発が望まれる。

研究開発成果の利用シーン

CDCP1陽性エクソソームをバイオマーカーとする骨転移診断法を用いると、患者に負担をかけずに前立腺がんの骨転移を早期発見することが可能である。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

本事業において作製した診断キット試作品の性能は、当初計画において設定した目標値を達成するものであったが、実際のがん患者さんの臨床検体を用いた性能試験では、前立腺がんの骨転移を診断するためには試作品の性能では不十分であることが分かった。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

CDCP1陽性エクソソームをバイオマーカーとする骨転移診断法はリキッドバイオプシーである。そのため患者に負担をかけずに前立腺がんの骨転移を早期発見することが可能であり、患者のQOL向上にもつながる。

今後の実用化・事業化の見通し

測定の前処理として検体中の微量エクソソームを濃縮する技術の開発を開始中である。現在、ウェスタンブロット法で確認する限り回収・濃縮には成功しており、その後の検出技術の確立を試みている。これに成功すれば、改めて臨床検体の測定を実施して臨床上の有用性を検討する計画である。臨床的意義が見出された場合には、サポイン事業の当初計画どおり診断薬の開発に向けた事業展開を実施する予定である。

実用化・事業化にあたっての課題

測定の前処理として検体中の微量エクソソームを濃縮する技術を開発すること。

事業化に向けた提携や連携の希望

体液中に存在する微量エクソソームの検出技術の研究開発について、神戸大学大学院工学研究科および早稲田大学教育・総合科学学術院とそれぞれ共同研究契約を締結し、鋭意実施中である。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ハカレル
事業管理機関 株式会社ハカレル
研究等実施機関 学校法人東京医科大学
アドバイザー 学校法人東京医科大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ハカレル(法人番号:6120901039103)
事業内容 試薬開発、バイオ関連研究支援
社員数 1 名
本社所在地 〒567-0085 大阪府茨木市彩都あさぎ7−7−18
ホームページ https://www.hakarel.com
連絡先窓口 株式会社ハカレル 代表取締役 園田 光
メールアドレス hsonoda@hakarel.com
電話番号 072-657-9980