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立体造形

耐震補強・土木・FA等重点分野に向けてCFRTPボルト・ナットの強度と量産性を両立する製造技術開発の研究を行った

石川県

石川樹脂工業株式会社

2022年1月25日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 A-LFTバレットを用いたトランスファーフォージング成形によるCFRTPボルト・ナットの開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、スマート家電、建築物・構造物、工作機械、物流・流通
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上
キーワード 炭素繊維、ボルト、ナット、CFRP、複合材料
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成30年度~令和2年度

プロジェクトの詳細

事業概要

熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)の接合には金属ボルトを用いているが、CFRTPと接触する金属は通常よりも腐食が早く、CFRTPの強度が高くても腐食した金属ボルトの強度が設計の制約となってしまう課題がある。そこでCFRTPとして世界初となるJISに適合したCFRTP製ボルトを高サイクルタイムで成形する技術確立を行ない、耐震補強分野における接合部品へ適用していくことを足掛かりとし、橋梁工事部品分野、FA機械部品分野へ事業展開を図る。

開発した技術のポイント

・バレットの連続製造手法の確立
-最適な樹脂の選定や炭素繊維細断方法同定と並んで、含侵技術の研究を進めた。
・トランスファーフォージング成形の最適化
-ボルト強度を達成するための繊維配向の同定と、最適な繊維配向を実現するボルト成形技術の開発を行った。
・高サイクル・高量産性達成への研究開発
-製造工程の自動化技術開発に向けての研究を行った。
・バレットおよびボルト・ナットの評価
-評価結果を分析し、目標値達成への指針を立て、各項目へフィードバックした。

具体的な成果

・バレットの連続製造手法の確立
-本研究で開発した含浸技術によるCFRTP成形品ではボイド量の低減や繊維配向の改善が見られ、Vf値のばらつきについても3シグマの信頼区間において±1.7%を実現し、目標±5%を達成した。
・トランスファーフォージング成形の最適化
-繊維配向を安定的に保持する研究を行った結果、強度のばらつきについても3シグマの信頼区間において±9.97%を実現し、目標±10%を達成した。
・高サイクル・高量産性達成への研究開発
-工程自動化機械を導入し、プログラム最適化や金型構造の改良などに取り組んだ結果、成形サイクル180秒を実現し、目標200秒を達成した。
・バレットおよびボルト・ナットの評価
-評価結果を分析することで、各項目の目標達成に向けてネックとなっている課題を明確化し、研究の方向性を示す重要な示唆を与えた。

知財出願や広報活動等の状況

研究開発成果の利用シーン

A-LFTバレットを用いたトランスファーフォージング成形の新技術確立を行なうことで、高強度ボルト・ナットの高速生産が可能となる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

建築補強材分野を特に事業化が近い分野として想定するが、高度経済成長期時代に建造し補修時期に差し掛かっている橋梁工事分野、国際競争激化などに伴い高いFA化ニーズに応える必要がある機械部品分野などに向けても、製品開発を進める必要がある。引続きニーズ・業界動向の把握とともに開発に取り組み、国内のCFRTP技術開発をリードしていく。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・パレットの段階で、長繊維で強度に優位な繊維配向を構成可能。
・パレットで調整した繊維配向をそのまま成形品に反映できる。
・加熱・冷却機構を分離したため、成形サイクルを短時間化できる。

今後の実用化・事業化の見通し

・耐震補強材市場
-「軽い」「強い」「錆びない」CFRTP製の建材・耐震補強材の開発を目指す。
・橋梁工事部品市場
-軽量化による高所での作業効率化、錆び防止・耐久性向上を目的としたCFRTP製部品の開発を目指す。
・機械部品市場
-軽量化や高振動減衰性による耐久性向上を目的としたCFRTP製部品開発を目指す。
・自動車部品市場、航空機部品市場
-採用されるまでには使用実績に基づいた検証が必要になると考えられるため、引続きニーズ・業界動向の把握とともに開発に取り組み、更に長期間にわたる研究をしていく。

実用化・事業化にあたっての課題

CFRTP製ボルト・ナットに最適なネジ山構造の同定に向けて、さらに詳細な研究開発を進める必要がある。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 石川樹脂工業株式会社
事業管理機関 公益財団法人石川県産業創出支援機構 プロジェクト推進部 次世代産業支援課
研究等実施機関 小松マテーレ株式会社
学校法人金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター
石川県工業試験場 繊維生活部
国立研究開発法人産業技術総合研究所 製造技術研究部門 トリリオンセンサ研究グループ
アドバイザー 住友化学株式会社
川田工業株式会社
丸石化学品株式会社
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合
石川工業高等専門学校
学校法人金沢工業大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 石川樹脂工業株式会社(法人番号:3220001013050)
事業内容 仏具・工業製品・食器・雑貨等のプラスチック製品を製造・販売
社員数 90 名
本社所在地 〒922-0312 石川県加賀市宇谷町タ1-8
ホームページ https://www.ishikawajyushi.net/
連絡先窓口 石川樹脂工業株式会社 専務取締役 石川勤
メールアドレス info@plakira.com
電話番号 0761-77-4556